2007.11.05 (第286話)社交ダンスを教えるということ vol.2 プロ教師試験の講習会
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特別シリーズ
社交ダンスを教えるということ vol.2
プロ教師試験の講習会
~ダンスのプロって何なんだ?②~
ソーレはないでしょ?なんぼなんでも…
って思いましたわね。
“プロ教師資格試験”なるものがアルことさえ、
さっき知ったばっかりなのに。
師匠
「試験は来月や。
講習は、今、問い合わせたら、
もう始まってたわ」
なんて、ひどいよぉ。
だってねぇ、
ドウ考えても、無理でしょ?
どんな試験かは知らんけど、
そんな簡単なモンでもないんでしょ?
プロになるための試験なんだから。
それに万が一、
合格しちゃったりしても・・・
イヤ、ソレはないわ。
なぜってまだ、
マンボもジルバもろくに教えられないんだもん。
(第272~275話参照)
「試験ってこの先、いくらでも
受けられるチャンスはあるモンなんでしょうから
そう、焦らさなくてエエですヤン」
と、私はどれほど言いたかったことか。
ところがナンですよ。
「大丈夫や。
こういうものは早めに受けておいたほうがエエ」
どうやら、お師匠サン、ホンキのよう。
どうしよう・・・
私は、モウ半泣きだった。
師匠は、驚くべき手際の良さで
すべて段取りをしてくれたようなんだな。
受験事務所なるものに申し入れ、
もうすでに始まっていた
“プロ教師資格試験”受験者用の講習会に、
途中から出席できるように話をつけてくれたんだ。
で、
「講習、4日間のうち、
2日がもう終わっている。
明日は3日目やけど、十分ついていける内容や」
「ちょ、チョッと待ってください。
あの、講習って、何をするんですか?」
「ソロ試験の講習や。
試験官が試験内容を説明してくれる」
「・・・」
「本試験は、1ヵ月後」
チョックラ説明すると、
その当時(今からもう20年以上も前だね)の
“プロ教師資格試験”の内容って、コンナ感じ。
筆記試験
ダンステクニック・用語解説などのほかに、
マナー、法律、日本国憲法・・
カップル試験
教師有資格者と一緒に踊る。
ウインナ・ワルツとジャイブ以外の8種目
ソロ試験
スタンダードのみ4種目。
1種目につき規定のアマルガメーションが6つあり、
ソレを男性&女性ドッチも覚える。
だから
(4×6×2)の計48個のアマルガメーションのうち、
2題のみ出題。
モチロンどれが出るかは、
当日のその場になるまで分からない
カップル試験は、
どうも師匠がお相手をしてくれるようで、
「落ちることはない。大丈夫」
筆記も、
「まぁ、何とかなる」
一番の難関は ソロ・・・だという話。
で、そのソロ試験に出る
アマルガメーションの説明用の講習ってのが、
モウ半分終わってるわけでしょ?
「そんなの絶対に無理デスゥ~」
と言いかけた私に、
師匠は、1枚の紙を手渡しながら
「ホイ、コレがソロ試験のアマルガメーション。
この中から出題される。
な、簡単なんばっかりヤロ?」
「・・・」
「コレが、教科書(手渡しながら)
しっかり見て勉強しいや」
「・・・」
「大丈夫や。
分からないところは教えるから」
で、受験は決定的に。
あぁ~ぁ
エライことになっちゃったよ。
ジュンコ ピンチ!
で、その教科書とやらをパラパラしたときの
カルチャー・ショックは先日お話ししたとおり
(第236話参照)
もう、お先真っ暗状態に陥ったんですよね。
でも、私はココでフト考えたんだ。
あの“おばあちゃん”もコレを受験し、合格して、
プロの先生になったってわけでしょ!?
(第285話参照)
で、たくさんの生徒さんを教えているって・・・。
すごいよナァ。
ヨーシ、ココは“腹”くくるしかないか。
ってんで、翌日“イザ、講習会に!”
という運びとなっちゃったんですね。
ところが結果から言えば、
「コレは簡単に
“腹”なんてくくるんじゃなかった・・・」
いろんなショックが重なり合っての
パニック状態に陥っちゃって
心底“後悔”しそーになりましたよ。
なぜって・・・
まずは、講習内容に
まったくついて行けない!
「ここは必ずCBMPを見せること」
とか、
「インサイドエッジを使って・・・」
コレってタンゴのテクニック説明なんだが、
当時のわたしにとっちゃぁ、
初めて耳にする言葉ばかり。
もう何のことだかサッパリなんだ。
しかもホラ、大学のときって、
男性のステップなんて覚えないでしょ?
立場が反対になっただけ
(前進が後退に、右が左に、みたいに)なのに、
ナァンテ難しいんでしょ!
って感じで、ウロウロ。
講習と言ってもそれほど詳しい説明もナシで、
どんどん先に進んでいくんだもの、
一人取り残されてしまったかのような私は、
ものすごくミジメな気分を味わうことに・・・。
それにね、
競技をやってるときに、
「ココが重要ポイントよ」
と言われ、練習してきたことなんて、
全然、ココでは活かせないってことが
すぐに分かったわけ。
チョイ難しく言えば
“着眼点が違う”
「大きくスイングをかけてドーンと踊る」
ことよりも、
「フットワークはHT(ヒール・トウ)で。
方向は壁斜めに面して・・・」みたいな…
私が思うに“チマチマ”したほうがずっと大切で、
しかも、
そういう(私にとってはチマチマした)内容が、
試験内容そのものなんだっていうんだもの、
コリャ無理だと思ったわね。
おまけに、講習参加者、
つまり
受験者のキャラにもびっくり!!
だったんだ。
ひょっとして一番私が若い?かもで、
オジ様なのかお兄さんなのか、
オバ様なのかお姉さんなのか、
ハテまたおばあちゃんなのか分からない方々が、
総勢30名ほど。
まぁ、学生コンペの世界から
飛び込んだ私からしたら、
「こ、ここはどこ?
ワタシ、一体ココで何をしているの?」
って感じ。
もう、場違いこの上なし!?な感じなんだ。
最後に、
ダメ押しのショックをいただきましたよ。
試験官だという初老の男性教師は、
威厳のアル面持ちでこう言ったのだ。
「これで、説明はすべて終了しました。
明日、お約束どおり、第1次試験を行います。
これに合格した方のみ、来月の本試験に・・・」
エェッ!?
そんなこと聞いてないよう!
続く 第287話へ
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~ダンスのプロって何なんだ?②~
ソーレはないでしょ?なんぼなんでも…
って思いましたわね。
“プロ教師資格試験”なるものがアルことさえ、
さっき知ったばっかりなのに。
師匠
「試験は来月や。
講習は、今、問い合わせたら、
もう始まってたわ」
なんて、ひどいよぉ。
だってねぇ、
ドウ考えても、無理でしょ?
どんな試験かは知らんけど、
そんな簡単なモンでもないんでしょ?
プロになるための試験なんだから。
それに万が一、
合格しちゃったりしても・・・
イヤ、ソレはないわ。
なぜってまだ、
マンボもジルバもろくに教えられないんだもん。
(第272~275話参照)
「試験ってこの先、いくらでも
受けられるチャンスはあるモンなんでしょうから
そう、焦らさなくてエエですヤン」
と、私はどれほど言いたかったことか。
ところがナンですよ。
「大丈夫や。
こういうものは早めに受けておいたほうがエエ」
どうやら、お師匠サン、ホンキのよう。
どうしよう・・・
私は、モウ半泣きだった。
師匠は、驚くべき手際の良さで
すべて段取りをしてくれたようなんだな。
受験事務所なるものに申し入れ、
もうすでに始まっていた
“プロ教師資格試験”受験者用の講習会に、
途中から出席できるように話をつけてくれたんだ。
で、
「講習、4日間のうち、
2日がもう終わっている。
明日は3日目やけど、十分ついていける内容や」
「ちょ、チョッと待ってください。
あの、講習って、何をするんですか?」
「ソロ試験の講習や。
試験官が試験内容を説明してくれる」
「・・・」
「本試験は、1ヵ月後」
チョックラ説明すると、
その当時(今からもう20年以上も前だね)の
“プロ教師資格試験”の内容って、コンナ感じ。
筆記試験
ダンステクニック・用語解説などのほかに、
マナー、法律、日本国憲法・・
カップル試験
教師有資格者と一緒に踊る。
ウインナ・ワルツとジャイブ以外の8種目
ソロ試験
スタンダードのみ4種目。
1種目につき規定のアマルガメーションが6つあり、
ソレを男性&女性ドッチも覚える。
だから
(4×6×2)の計48個のアマルガメーションのうち、
2題のみ出題。
モチロンどれが出るかは、
当日のその場になるまで分からない
カップル試験は、
どうも師匠がお相手をしてくれるようで、
「落ちることはない。大丈夫」
筆記も、
「まぁ、何とかなる」
一番の難関は ソロ・・・だという話。
で、そのソロ試験に出る
アマルガメーションの説明用の講習ってのが、
モウ半分終わってるわけでしょ?
「そんなの絶対に無理デスゥ~」
と言いかけた私に、
師匠は、1枚の紙を手渡しながら
「ホイ、コレがソロ試験のアマルガメーション。
この中から出題される。
な、簡単なんばっかりヤロ?」
「・・・」
「コレが、教科書(手渡しながら)
しっかり見て勉強しいや」
「・・・」
「大丈夫や。
分からないところは教えるから」
で、受験は決定的に。
あぁ~ぁ
エライことになっちゃったよ。
ジュンコ ピンチ!
で、その教科書とやらをパラパラしたときの
カルチャー・ショックは先日お話ししたとおり
(第236話参照)
もう、お先真っ暗状態に陥ったんですよね。
でも、私はココでフト考えたんだ。
あの“おばあちゃん”もコレを受験し、合格して、
プロの先生になったってわけでしょ!?
(第285話参照)
で、たくさんの生徒さんを教えているって・・・。
すごいよナァ。
ヨーシ、ココは“腹”くくるしかないか。
ってんで、翌日“イザ、講習会に!”
という運びとなっちゃったんですね。
ところが結果から言えば、
「コレは簡単に
“腹”なんてくくるんじゃなかった・・・」
いろんなショックが重なり合っての
パニック状態に陥っちゃって
心底“後悔”しそーになりましたよ。
なぜって・・・
まずは、講習内容に
まったくついて行けない!
「ここは必ずCBMPを見せること」
とか、
「インサイドエッジを使って・・・」
コレってタンゴのテクニック説明なんだが、
当時のわたしにとっちゃぁ、
初めて耳にする言葉ばかり。
もう何のことだかサッパリなんだ。
しかもホラ、大学のときって、
男性のステップなんて覚えないでしょ?
立場が反対になっただけ
(前進が後退に、右が左に、みたいに)なのに、
ナァンテ難しいんでしょ!
って感じで、ウロウロ。
講習と言ってもそれほど詳しい説明もナシで、
どんどん先に進んでいくんだもの、
一人取り残されてしまったかのような私は、
ものすごくミジメな気分を味わうことに・・・。
それにね、
競技をやってるときに、
「ココが重要ポイントよ」
と言われ、練習してきたことなんて、
全然、ココでは活かせないってことが
すぐに分かったわけ。
チョイ難しく言えば
“着眼点が違う”
「大きくスイングをかけてドーンと踊る」
ことよりも、
「フットワークはHT(ヒール・トウ)で。
方向は壁斜めに面して・・・」みたいな…
私が思うに“チマチマ”したほうがずっと大切で、
しかも、
そういう(私にとってはチマチマした)内容が、
試験内容そのものなんだっていうんだもの、
コリャ無理だと思ったわね。
おまけに、講習参加者、
つまり
受験者のキャラにもびっくり!!
だったんだ。
ひょっとして一番私が若い?かもで、
オジ様なのかお兄さんなのか、
オバ様なのかお姉さんなのか、
ハテまたおばあちゃんなのか分からない方々が、
総勢30名ほど。
まぁ、学生コンペの世界から
飛び込んだ私からしたら、
「こ、ここはどこ?
ワタシ、一体ココで何をしているの?」
って感じ。
もう、場違いこの上なし!?な感じなんだ。
最後に、
ダメ押しのショックをいただきましたよ。
試験官だという初老の男性教師は、
威厳のアル面持ちでこう言ったのだ。
「これで、説明はすべて終了しました。
明日、お約束どおり、第1次試験を行います。
これに合格した方のみ、来月の本試験に・・・」
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