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スロー・フォックストロットの

リバース・ウエーブ

ジュンコ先生のレクチャーが続いている。



「では、中盤の3歩の説明に移るわね」



と、森田さんから手が上がった。

「あのぉ、
その前に質問があるんですけど・・・」




「いいわよ、何かな?」



「ハイ、先ほど、前半の3歩の説明で、
男性は、
左スウェイがかかるということだったんですが…。
実は以前にサークルの先輩から、
『スウェイはやりすぎると変になるから、
しないで良い』
と言われたことが気になって・・・。
『ワルツはスイングの結果
スウェイになるというプロセスが分かりやすいが、
スローは難しいから、まっすぐ立って踊るように』
という意味だったように思うのですが」




ジュンコ先生は、
笑いながら聞いている。



「その方がおっしゃったことも一理あるわ。
確かに、わざとらしくスウェイをしたら、
ビジュアルもおかしなものになるし、
何しろかえって踊りにくくなっちゃうからね。
でも、だからって今度はわざとやらない、
となったらどうかしら?」


そして、
みんなのほうに向き直り、


「実はね、
スロー・フォックストロットの表現において

スウェイはとても大切なテクニックなの。

そうね、
スローはワルツのようにスイングに
高低の差がハッキリない分、
正しいカラダの使い方ができないと、
おかしなスウェイになりやすいわ。
でも、だからこそ、
スローにおけるスウェイは勉強するべきもの
ともいえるのよ」


「以前にも言ったことだけれど、
(第180話参照)
身体操作能力が上がるにつれて、
スウェイをカラダが欲してくるようになるものなのよ。
なぜなら、スウェイは
カラダの中が変化した結果
表出するアクション
の中でも、
あらゆる

カラダのパーツパーツが

高レベルで調和した状態
だから。

それだけに正しくできるようになったら、
やっていて気持ち良いし、
しかも見た目も非常に美しい!!
・・・で、今レクチャー中の

リバース・ウェーブ

このフィガーがその典型なわけ。
リバース・ウェーブ特有の波・うねりを表現するには

スウェイ・テクニックは

なくてはならないもの
なのよ」



と、ハナコさんが手を上げた。

「先生、あのリバース・ウエーブの途中から、
ズーっとLODに沿って、
男性が後退して、
女性が前進するキレイな動きのヤツ
・・・ありますよね」




「あぁ、
バック・フェザーまたは、
ザ・エクステンデッド・リバース・ウエーブ
という名のフィガーね。
最近のデモンストレーションでも多用されているわね」
ジュンコ先生が言うと、



「実は、
私の競技会用のルーティンに入っているのです。
が、アレも上手く踊るためには、
スウェイ・テクニックが必要なんですよね?」




「エエ、そうなのよ。
ただ、歩いているだけのステップのようで、
かなり高度な身体操作能力が必要なの。
その結果、あの

素晴らしいスウェイという

“装飾”が生まれる
…」



「では、リバース・ウエーブの
前半の3歩で試してみましょうか」
と、ジュンコ先生はみんなにカップルになって
軽くホールドをするように指示を出した。



「男性の方、
壁斜めに面して、左足前進からね。
2歩目の右足が壁に背面、3歩目の左足が
壁斜めに背面・・・ココを、
まず、
わざとスウェイをかけないで
まっすぐ立ってやって
みましょう。
カラダの中の操作もナシでね。
さぁ、どうかな?」



ザワザワ・・・・



「わぁ、できない!」



「女性にとられます」



「2歩目、右足の時点で、
右にコケテしまいます」




みんな口々に言う。



「そうね、難しいわね。
男性のフットワークが2歩目Tということで
余計にバランスが壊れやすいわね。
それでは、
ちょっとわざとらしく
2・3歩目で左スウェイ
(左にカラダを傾けること)
をやってみましょうか?」



「あれ?コッチの方がやりやすい」



「ホントウだ」



「そうなのよ。
左に急カーブがかかるので、
動きのメカ的な意味では、
ワザとでも左スウェイをしたほうが、
バランスは良くなる。
外にフラレなくてすむってことね。
でも、このままだとロボットのような運動で、
スロー・フォックストロットという感じではナイ。
音楽にも合わないし、それより何より、
女性のヒールターンとの調和がまったくないわね。


では、次、
カラダの中の操作から
左スウェイをかけて
いきましょう。
1歩目の左足の上で、
カラダの中(みぞおち辺り)を引き込みながら、
カラダ奥を左に回転する。
この時、まだ、
右足は後ろに置いておく・・・

カラダの中の運動で足を引っ張る

・・・ココがポイントよ。

そして

カラダの中(みぞおち辺り)を引き込みながら

カラダ奥を左に回転する

アクションをズーっとやり続けると


ホラ、

左スウェイが、結果かかってきた

でしょう?
3歩目の左足後退まで、ズーっとやり続けるのよ。
さぁ、どんな感じ?」




「先生、なんだか少し
腹部が“くの字”にエグレた感じがするんですけど、
いいんでしょうか?
女性にかぶさっていないかナァ?」

森田さんの質問だ。



「全然、かぶさった感じはしないわよ。
吸い込んでもらっている感じよ。
次の前進が出て行きやすそうでいい感じだわ」

一緒に組んでいた、千恵子さんがそう言った。



「スウェイって、
こんなカラダの中で感じるものなんですか・・・。
僕はもっと、カラダの側面や、
わき腹辺りで感じるものかと思っていました」

と森田さん、驚いている様子だ。



「そうね。

スウェイはカラダの中の

小さな変化から始まる
わ。

それが、順々に外に伝わってきて、
大きな変化になったもの・・・
それをみんなはスウェイだって
イメージしているんでしょうけれどもね」


ジュンコ先生はそう言って、


「このスウェイ・アクションが、
次の中盤に
ドウつながっていくのか見ていきましょう」



      続く 第284話へ



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