2007.10.25 (第275話)社交ダンスを教えるということ vol.1 マンボとジルバのテーマ
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エクササイズ&プラクティス集へ
特別シリーズ
社交ダンスを教えるということ vol.1
マンボとジルバのテーマ
~初心者教師 初心者を教える④~
ジルバ(第272話参照)と、
マンボ(第273話参照)の初心者レッスン体験、
そこから何を学ぶべきか・・・
では、チョックラ整理してみましょうか。
ジルバの難しさ(仮説)
・二人で組む(自由が奪われる)
・音楽が速い、タイミングが難しい
・横向きから始まる、ロックのテクニック
マンボの難しさ(仮説)
・一人で踊る(不安定)
・音楽を外す
・前進から後退、後退から前進がスムーズに行かない
こうやって比べて見てみると分かるのよね。
つまり、
ジルバの難しさをマンボでカバーする
また、その反対も実は無理ってこと。
例えば、
ジルバは二人で組んで踊ること、
つまりリード&フォローが難しい・・・
だからといって、
じゃぁ一人で踊るのが簡単なのかというと、
とんでもなくて、
一人には一人の難しさってものがある。
頼りあう、支えあうことができないからなんだ。
ということは、
ドッチにコロンでも
初心者にとったら、難しいジャン!
特に気をつけなきゃいけないのは、
意外やマンボなんだな。
そう、マンボから初心者が
学ぶべきテーマは意外や奥深い。
(と、言っても初心者は分からないため、
先生側が把握しておく必要があるのだが・・・)
実は結構難しいテクニックが密かに入っているんだ。
そのテクニックとは・・・
“重心移動”
つまり自分の身体の重みを動かし、
バランスを崩すことで、
運動をやり続けるテクニックだ。
人間の身体は、
「前に向かって進む」ように作られてあるため、
「1歩進んで、すぐさま後ろに戻る」
という行為は難しいんだ。
しかも、
「クイック=速く」のカウントでスタートとなれば、
さらにぐっと難易度が増してしまう。
あわててスタートを切って腰を引いたり、
無理やり音楽にあわせたりetc.
最初の時点で力みのクセが付いてしまっては、
大変なんだけどねぇ。
しかもですね、
「ハーイ、音楽をかけて踊りますよぉ」
ココでまた問題が。
マンボには、サルサと同様、
ON1とON2があるからなんだ・・・
って、意味が分からない?
オン1、オン2とは、
ダンスのカウントのどこから始めるかということ。
マンボの音楽は、
1.2.3.4と4カウントからなるんだけど、
この1で始めるか2で始めるかって話。
(こういう説明で言うと、
ルンバはON2ってことになるね)
まぁ、ON2は難しいってんで、
ほとんどがON1でやるわけだけど、
初心者には、
コレさえ難しいことなのだ!!
アラら、ジルバも難しいし、
マンボも難しいとなったら、
どうしましょ?
そうなんですよ。
ある意味、ジャパニーズ社交ダンスで
リキミと緊張感とトーンの識別が困難で、
早い話“カタイ方”が多いのは、
まったくの初心者の頃から
常に難しいことに
挑戦することを強いられてきた
せいかも知れないんだよね。
で、早い段階で
「やっぱ運動神経がないから無理だ」
「私、リズム感が悪いからネェ」
「もう歳だから、動けない」などなど
という、クツーな体験の中での
心身に及ぶ葛藤
で、結果、やめちゃったり
かえって、
「ヨーシ負けるもんか!」
と気勢を上げ、頑張って・・・
で、気がつくと、
まだ初心者なのに、
「ダンスは、
できないことを頑張ってやるもんであって、
楽しむなんて、
ナカナカソコまでは行きません」
ってな感じになっている人さえいるかもねぇ・・・
なんだよな。
お、新人教師ジュンコサンよ、
頭、抱えてますな?
確かに社交ダンスってのは、
知れば知るほど難しい。
でもね、
それをヨーク知っているベテラン教師だからこそ、
あえてこういう考え方ができるんですよ・・・それは
どんなに難しいモノであっても
取り扱い方によっては
ものすごく簡単にもなる!
つまり初心者には、
「え~そんなに低くするのぉ」ってくらい、
超えるべきハードルの高さを低くしていく
工夫をするってこと。
でこのとき、
絶対に
超えてもらうべきテーマだけは
きっちり押さえおく
コレがポイントだ。
では、
今日からダンス始めますよって方への
“ダンス・デビュー・レッスン例”
マンボ
「重心移動」と
音楽に合わせての足の踏み換えがテーマ
ベーシックステップをシャドウでやったり、
男女、向かい合って軽く手をとってやったり
・・臨機応変に。
まずはゆっくりとね。
注意すべきは、
あらゆる一切の“注意”をしない(?)ことだ。
例えば、
「まっすぐ立って」とか
「腰が引けてる」とか
「下を見ないで」とか
「肩の力を抜いて」もNG。
なぜって、緊張を強いるから・・・。
で、それどころ
(注意を聞いて対処できる状況)ではない、から…。
かけてあげる言葉は、
「大丈夫ですよ」
「上手ですね」・・
気分の良くなるものだけにすることだ。
後はニコニコ、笑顔。
コレがもっとも
大切なコミュニケーションとなるだろう。
カウントも、QQSにこだわらず
「早く・早く・ゆっくり」
「トン・トン・トーン」
「いち・に・さーん」
などなんでもOK。
前後の動きができれば
もうそれだけで素晴らしい!!
って乗りでレッスンしてあげよう。
ジルバ
タイミングを刻み続けるコトと
リード&フォローの体感がテーマ
タイミングを刻み続ける感覚を知ってもらうには、
「スロー・スロー・クイック・クイック」を
身体に練りこませてゆくための、
繰り返しの練習が必要だ。
「スローは、クイック2つ分ですネェ」
という説明もアリ。
その後、英語の時間みたいに
一緒に声を出して
「スロー・スロー・クイック・クイック」
って言ってもいいよね。
声に出してみると、恥ずかしさも和らぐし、
何より、
スローとクイックの長さの感覚がつかみやすいよ。
で、すぐに音楽スタート。
タイミングの分かりやすい音楽をセレクトし、
ソレに合わせてステップを。
気分の乗りそうな曲をいくつか用意し、
「この中から
スロー・スロー・クイック・クイックを
探してみましょう」って感じ。
とにかく、ベーシック・タイミングが
カラダで刻めるようになると、
後がとても楽だよ。
リード&フォローを体感してもらうには、
音楽に合わせて二人で一緒に揺れるもの・・・
それが
“社交ダンスというものなのね!!”
を体感してもらうこと。
男女、向かい合って手をとって
(男性の手のひらは上。女性は上にそっと乗せる)
ベーシック・タイミングを。
なお、「クイック・クイック」のときの
足のロックは難しいため、
足をそろえるプラクティス・スタイルで。
(第135話参照)
で、最大のポイントは
マンボもジルバも
早い段階で音楽に合わせて
ステップさせること
こうすることで、
音楽に対する恐れがなくなるんだ。
ダンスがあるところには
当たり前のように音楽があって、
ソレ(音楽)を感じていれば
いろんなテクニックが
ソコ(音楽)の中にあるってことが
無意識のうちに感じ取れてくるからなんだ。
「音楽がかかったほうが踊りやすいよね」
こうなればしめたもの。
はじめはゆっくり、次に標準テンポに。
最初はズーっと同じ音楽を使用し、
それを“定番”にするのがミソ。
で、
ステップを忘れても
その曲を聴いたら
カラダが自然に動き出す
ぐらいにまでなればOKだ。
続く 第276話へ
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マンボとジルバのテーマ
~初心者教師 初心者を教える④~
ジルバ(第272話参照)と、
マンボ(第273話参照)の初心者レッスン体験、
そこから何を学ぶべきか・・・
では、チョックラ整理してみましょうか。
ジルバの難しさ(仮説)
・二人で組む(自由が奪われる)
・音楽が速い、タイミングが難しい
・横向きから始まる、ロックのテクニック
マンボの難しさ(仮説)
・一人で踊る(不安定)
・音楽を外す
・前進から後退、後退から前進がスムーズに行かない
こうやって比べて見てみると分かるのよね。
つまり、
ジルバの難しさをマンボでカバーする
また、その反対も実は無理ってこと。
例えば、
ジルバは二人で組んで踊ること、
つまりリード&フォローが難しい・・・
だからといって、
じゃぁ一人で踊るのが簡単なのかというと、
とんでもなくて、
一人には一人の難しさってものがある。
頼りあう、支えあうことができないからなんだ。
ということは、
ドッチにコロンでも
初心者にとったら、難しいジャン!
特に気をつけなきゃいけないのは、
意外やマンボなんだな。
そう、マンボから初心者が
学ぶべきテーマは意外や奥深い。
(と、言っても初心者は分からないため、
先生側が把握しておく必要があるのだが・・・)
実は結構難しいテクニックが密かに入っているんだ。
そのテクニックとは・・・
“重心移動”
つまり自分の身体の重みを動かし、
バランスを崩すことで、
運動をやり続けるテクニックだ。
人間の身体は、
「前に向かって進む」ように作られてあるため、
「1歩進んで、すぐさま後ろに戻る」
という行為は難しいんだ。
しかも、
「クイック=速く」のカウントでスタートとなれば、
さらにぐっと難易度が増してしまう。
あわててスタートを切って腰を引いたり、
無理やり音楽にあわせたりetc.
最初の時点で力みのクセが付いてしまっては、
大変なんだけどねぇ。
しかもですね、
「ハーイ、音楽をかけて踊りますよぉ」
ココでまた問題が。
マンボには、サルサと同様、
ON1とON2があるからなんだ・・・
って、意味が分からない?
オン1、オン2とは、
ダンスのカウントのどこから始めるかということ。
マンボの音楽は、
1.2.3.4と4カウントからなるんだけど、
この1で始めるか2で始めるかって話。
(こういう説明で言うと、
ルンバはON2ってことになるね)
まぁ、ON2は難しいってんで、
ほとんどがON1でやるわけだけど、
初心者には、
コレさえ難しいことなのだ!!
アラら、ジルバも難しいし、
マンボも難しいとなったら、
どうしましょ?
そうなんですよ。
ある意味、ジャパニーズ社交ダンスで
リキミと緊張感とトーンの識別が困難で、
早い話“カタイ方”が多いのは、
まったくの初心者の頃から
常に難しいことに
挑戦することを強いられてきた
せいかも知れないんだよね。
で、早い段階で
「やっぱ運動神経がないから無理だ」
「私、リズム感が悪いからネェ」
「もう歳だから、動けない」などなど
という、クツーな体験の中での
心身に及ぶ葛藤
で、結果、やめちゃったり
かえって、
「ヨーシ負けるもんか!」
と気勢を上げ、頑張って・・・
で、気がつくと、
まだ初心者なのに、
「ダンスは、
できないことを頑張ってやるもんであって、
楽しむなんて、
ナカナカソコまでは行きません」
ってな感じになっている人さえいるかもねぇ・・・
なんだよな。
お、新人教師ジュンコサンよ、
頭、抱えてますな?
確かに社交ダンスってのは、
知れば知るほど難しい。
でもね、
それをヨーク知っているベテラン教師だからこそ、
あえてこういう考え方ができるんですよ・・・それは
どんなに難しいモノであっても
取り扱い方によっては
ものすごく簡単にもなる!
つまり初心者には、
「え~そんなに低くするのぉ」ってくらい、
超えるべきハードルの高さを低くしていく
工夫をするってこと。
でこのとき、
絶対に
超えてもらうべきテーマだけは
きっちり押さえおく
コレがポイントだ。
では、
今日からダンス始めますよって方への
“ダンス・デビュー・レッスン例”
マンボ
「重心移動」と
音楽に合わせての足の踏み換えがテーマ
ベーシックステップをシャドウでやったり、
男女、向かい合って軽く手をとってやったり
・・臨機応変に。
まずはゆっくりとね。
注意すべきは、
あらゆる一切の“注意”をしない(?)ことだ。
例えば、
「まっすぐ立って」とか
「腰が引けてる」とか
「下を見ないで」とか
「肩の力を抜いて」もNG。
なぜって、緊張を強いるから・・・。
で、それどころ
(注意を聞いて対処できる状況)ではない、から…。
かけてあげる言葉は、
「大丈夫ですよ」
「上手ですね」・・
気分の良くなるものだけにすることだ。
後はニコニコ、笑顔。
コレがもっとも
大切なコミュニケーションとなるだろう。
カウントも、QQSにこだわらず
「早く・早く・ゆっくり」
「トン・トン・トーン」
「いち・に・さーん」
などなんでもOK。
前後の動きができれば
もうそれだけで素晴らしい!!
って乗りでレッスンしてあげよう。
ジルバ
タイミングを刻み続けるコトと
リード&フォローの体感がテーマ
タイミングを刻み続ける感覚を知ってもらうには、
「スロー・スロー・クイック・クイック」を
身体に練りこませてゆくための、
繰り返しの練習が必要だ。
「スローは、クイック2つ分ですネェ」
という説明もアリ。
その後、英語の時間みたいに
一緒に声を出して
「スロー・スロー・クイック・クイック」
って言ってもいいよね。
声に出してみると、恥ずかしさも和らぐし、
何より、
スローとクイックの長さの感覚がつかみやすいよ。
で、すぐに音楽スタート。
タイミングの分かりやすい音楽をセレクトし、
ソレに合わせてステップを。
気分の乗りそうな曲をいくつか用意し、
「この中から
スロー・スロー・クイック・クイックを
探してみましょう」って感じ。
とにかく、ベーシック・タイミングが
カラダで刻めるようになると、
後がとても楽だよ。
リード&フォローを体感してもらうには、
音楽に合わせて二人で一緒に揺れるもの・・・
それが
“社交ダンスというものなのね!!”
を体感してもらうこと。
男女、向かい合って手をとって
(男性の手のひらは上。女性は上にそっと乗せる)
ベーシック・タイミングを。
なお、「クイック・クイック」のときの
足のロックは難しいため、
足をそろえるプラクティス・スタイルで。
(第135話参照)
で、最大のポイントは
マンボもジルバも
早い段階で音楽に合わせて
ステップさせること
こうすることで、
音楽に対する恐れがなくなるんだ。
ダンスがあるところには
当たり前のように音楽があって、
ソレ(音楽)を感じていれば
いろんなテクニックが
ソコ(音楽)の中にあるってことが
無意識のうちに感じ取れてくるからなんだ。
「音楽がかかったほうが踊りやすいよね」
こうなればしめたもの。
はじめはゆっくり、次に標準テンポに。
最初はズーっと同じ音楽を使用し、
それを“定番”にするのがミソ。
で、
ステップを忘れても
その曲を聴いたら
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