FC2ブログ
目次へ

エクササイズ&プラクティス集へ




特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということ vol.1 

マンボ、そして初めての生徒さん

~初心者教師 初心者を教える②~



意気消沈していた私に、
レッスン予約が立て続けに入った。
一人は、50歳代後半かナァの小柄な女性。
もう一人は同じくらいの年齢の、
サラリーマン風の男性。
どちらも全くの初心者だ。

ソノ頃のスタジオは、
“バブル景気”で入会者が絶えず、
特に女性の方が多かったのだが
男性教師の予約は、
いつもいっぱいだったんだ。
必然、一番おヒマで
“予約?いつでもOKです”状態の
私のところに、話はやってくる。

「あ、ダンス、初めてですか。
エエ教師がおりますから大丈夫ですよ。
男性の教師の時間が取れるまで
ソチラで基礎を習っていただきましょう」

ナァンテ半ば強制的に事態は進んでいく。


オイオイ“エエ教師”って、

このワ・タ・シ!?


まだ「先生」ッて呼ばれてもピンと来ないで、
ハ?ダレのこと?って感じなのに。


あ~ぁ、また生徒さんが、
来なくなっちゃったらどうするわけよ、
とコッチは気が気じゃないんだけどね。



「ハイ、こちらがジュンコ先生」
と紹介されるや、



キョトンとしたままの生徒さん、
ワケも分からないまま
「どうぞよろしく」
となっちゃっうのよね。
で、その後も、ドンドン、
ダンスビギナーの新入会員サンの名前が
レッスン予約帳に書き込まれることに・・・


思い余った私は、
当時現役A級の選手でもあった、
兄弟子サン先生に聞いてみたんだ。



「先生は、全くの初心者の方に
“何”から教えていらっしゃるのですか?」




すると、
意外な答えが返ってきたんだ。




「マンボからだよ」




ん?マンボって?

そんなの競技種目にあるんですか?




兄弟子さん、ニコッと笑い、
「いや、これは(競技には)ないよ。
パーティダンスだから・・・」




で、その場で教えてもらうことに。



音楽に合わせて、
ベーシック、ニューヨーク、
ハーフ・ターン、フル・ターン・・



ハッキリ言って、

なんなんだぁ~ これっ?

って感じよね。
だって、お互い触れもせずに向かい合って、
クィック・クイック・スロー・・
ってやるわけでしょ?
男性が回ったら、
女性がそれを真似して回る、ナンテ、

お遊戯やん!

幸いすぐに覚えることができた私は、
ちょっと小バカにしてしまったんですネェ、
マンボのこと。


でも、初心者のレッスンをどうするべきなのかには、
すこーし“光”が見えたような気はしたんだな。
どういうことかというと、
「そうか、ジルバの前に
マンボってモノをやればいいのよね。
これなら、イケルだろう」

って感じたんだよね。
なぜって、あの“ミナミ様、
ジルバレッスン失敗事件”(第272話参照)の後、
私なりに考えはしたんですもん。


“なぜレッスンが

上手くいかなかったのか?”



ってこと。
で、思いあたったのが

① ステップをロクロク習得させないうちに、
二人で組ませたこと
一人でも動きにくそうなのに、
組ませたりしたら余計に不自由じゃない?
で、コレは特に男性だけど、
手の動き(リード)と
足の動き(ステップ)がかみ合わなくなって、
シッチャカメッチャカに。

<仮説>
初心者は、
“ひとつのこと・自分のこと”をするので精一杯なんだ。
この点、マンボなら、
まずは、お互い離れたところから始まるから
自分のことに専念できるだろう。


② ジルバの
“スロー・スロー・クィック・クイック”という
タイミング・テンポの難しさ
スローとクィックの感覚的長さが分かりにくいため、
カラダになかなか入ってこないんだ。
それに、音楽速いしね、ついていけないんだな。

<仮説>
初心者は歩く感覚に近いものの方がイイのかも。
マンボのベーシックは
“クイック・クイック・スロー”のタイミングで
歩く感じのテンポだから、やりやすいはず。


③ (ジルバの)横向きのステップ、
そしてロックする運動がカラダになじまない。
PPポジションなんてカッコウも、
横向けにステップすることも日頃やんないから変な感じ。
3・4歩目のクィック・クイックでの後退ロックが特に難しい。
バランスを崩しちゃう。

<仮説>
これも、歩く感じに近いものの方がいい。
マンボのベーシックは、
前進と後退だけだから大丈夫なはず。


ということで、
まぁマンボなら、初心者でもすぐに

クリアできるだろう。




・・・なんて思った私は甘かった。




さて、サラリーマン風の男性(仮称Mさん)の
ファースト・レッスン。



「では、マンボから始めましょう。
まずステップの説明をしますね。
ハイ一緒にやりますよ」




鏡の前に二人並んで、ゆっくりと
クイック・クイック・スロー・・ 
とやり始めたんだ。
フムフム、なかなかいいムードねのはずが、



えぇっ!?

な、なんでそーなるの?




Mさん、前進は何とかできるけど、
後退への切り替えがエラク難しそうなんだな。
左足1歩前進してから、
すぐ後退がで・き・な・い。
ムッチャ、腰引け状態だ。
で、おもむろにハンカチを取り出して、
額にぐっしょりの汗をぬぐいながら




「いやぁ~
なかなか難しいモンですナァ」





こ、これのドコが

そんなに難しいの!?





少々アセッた私は、打開策として、

「音楽に合わせたほうが、
踊りやすいですよ、きっと・・・」




で、音楽をスタート。



「サン、ハイ」



オットいきなりパニくるMさん。 
最初が“クイック” カウントだからって
そんなにあせって出なくても・・・
アカン、いきなり、音楽外してはるわ。



あちゃ~!



こりゃダメだわと思った私、
Mさんの前に回って、
手を取り、向かい合って
クイック・クイック・スロー・・
ようやくだんだんと調子が合ってきて・・・


途中からネクタイを取り、
汗だくになりながら頑張ったMさん、
何とか“ニューヨーク”まで進み、
空手チョップのごとく、手を振り回す。



「こ、これでイインですかね?」



「い、イインです、上手ですよ」



もう、コッチも必死だ。



で、レッスン終了。



「マンボも難しいか。
思うように、いかんもんやなぁ」

って沈みかけるジュンコのココロ。
と、Mさんが、
お風呂上りのような顔で
カウンターのところにチケットを持ってやってきて



「簡単そうなことなのに、
難しいですナァ。
でも、エエ汗かきましたわ。
今度から着替えを持ってきます」

と言いながら、

ナント、
次回の予約を入れてくれたんですねぇ。





ホンマ、うれしかった・・・。





その当時なら、まぁ、良かったヤン。
次からまたガンバロ~!
でちゃんちゃんだけど、
今のジュンコ先生なら
「このままで、終わらしたらダメ。
もう一歩掘り下げなきゃ」

なるのよね。


どういうことか説明しよう。
ジルバのときの“ミナミ様”も
今回のマンボのMさんも、
「イヤイヤ、ダンスって、難しいですね」
と言ったでしょ?
全くの初心者だよ彼らは・・・
その人たちに


「難しい~」って
ショッパナから言わせちゃうなんて
マズくない?ってこと
なんだよ。


現ジュンコ先生は、
当時のジュンコにこういうだろう。


ダンスをやったコトがない

初心者のカラダってものを

知らなさ過ぎる
のよね


で、
「それを理解すると、
今現在のあなたのテクニックを見直すこともできるわ。
つまりは初心に戻れるのよ」



ムムッ?



「なぜって、

初心者のツマヅキって

すごく大切なメッセージが

ふんだんに入っている
からよ」



はぁ?



「ジュンコさん、
もっと生徒さん、
特に初心者から、学ぶべきね」




どういうことだ??



      続く 第274話へ



いつも 応援クリック ありがとうございます。
      ↓ ↓ ↓
   
人気blogランキングへ
とても励みになっています。(ジュンコ)