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ホイスクが苦手というカナちゃん、
ジュンコ先生に質問だ。

「あのぉ、
疑問に思ったことがあるんです。
今回のホイスクのレクチャーで
女性をPPに導く
男性のリードが1歩目にある

と言われたでしょ?」




「ええ、そうよ」
ジュンコ先生が答えると、



「ってことは、
女性も1歩目の右足の時点で
『あ、ホイスクが来る』
って分かるはずですよね」




「もちろん、
それでないとリードしたことにならないわ。
そこが、上手くいかないの?」



「はい。
私、2歩目の上でリードがあるとばかり思っていました。
だから、1歩目の右足ではなくて、
2歩目の左足で回ってPPになっていたんです。
だから、3歩目で足を交差したとき
バックバランスになってしまっていたんですよね」




「その通りよ。
2歩目でクルーンと回っちゃうと
3歩目ドタッと落っこちる・・・はよくあることね。
でも、男性側からのリードが2歩目で
あったのでしょう?」



「エエ、たぶん・・・
そうかもしれないんですけど、
とにかく、私2歩目で回転するものだと
バッカリ思っていたモンで」




ジュンコ先生はしばらく考えていたが、
みんなのほうに向き直りこういった。
「実はね、ダンスの教科書のなかでは、
ホイスクってね、こう記されてあるのよ。

男性 3歩とも回転ナシ

女性 1歩目回転ナシ 
1から2歩目の間に右へ1/4回転 
だけどカラダの回転は少なく

しかも、
1歩目では足のスイブル
(カカトを上げボールで回転)はナシ
 
これを見ると、
アレッ?と思うかもしれないわね。
なぜって、男性は回転しないで、
リードできるのか?
女性も、1歩目で回転とは書いていない
1歩目から2歩目の間にヨーシ回転だということで、
実際にソウすると、
右足はスイブルしてしまいそうになる
・・・うーん、おかしいわね。
みんなどう思う?」



「え、ドッチが正解なんですか? 
教科書がおかしいってこと?」

カナちゃんは戸惑っている。



「先生、質問なんですが、
その教科書に書いてある回転って
“足”の回転を指すのですか?
それとも“カラダ”の回転のことですか?」

紀子さんだ。



「いい質問ね。
回転量のこと、ダンス用語では、

アマウント・オブ・ターン

って言うんだけれど、
これは、
カラダではなく足の方向を基準に記されているわ。
ただし、スタンダードの場合は、
足の向きとカラダの向きは
そろっているのが基本だから、
足の回転とカラダの回転はホボそろっている・・・
と言いたいのだけれど、ソウじゃないことも多い。
でもそういう場合は、
上記のホイスクの女性の項のように
“カラダの回転は少なく”というふうに、
明記されているのがほとんどだけれど、
明記しにくい回転っていうのもあるのよ」



「このホイスクの回転もソウだってことですか?」



「そうなのよ。
明記しにくい回転とはね、

“カラダの内側回転”

これは外から見ることはできない、
だから書きにくいのよ。
それに足だって、

ヒザの回転

足首の回転の微妙な回転
・・も、

外からは見ることができないわ。
こういう教科書には記載されてはいない
“ト書き”の部分を感じ取らなければ
おかしくなっちゃう場合も多いわけ。
だから、ホイスクの回転は難しいんだけれどもね」



「ホウ、教科書の“ト書き”の部分ねぇ。
その辺が私らには難しいんですわ。
実は教科書、手に入れたんですけど、
よう理解できません。
額面どおりに受け取ってしまうと、
余計におかしくなってしまいそうですし」

と平田さん。



「ソウね。
これは教科書に限ったことではなく、
ダンスは目に見えないところに
大切なモノが詰まっている
からね。
本当に上手くなるためには、
ソレをどこまで感じ取れるかにかかってくるわ。
さて、ホイスクの回転の話だけれど、
カラダの動きがナチュラルになってくると、
さっき言った
教科書の“ト書き”の部分が見えてくるのよ。
つまり、

男性 
1歩目でカラダの中のCBMを解くように右回転 
足の回転はナシ(ゆえに教科書には回転ナシと記載) 
だからこそ(足の回転がないからこそ)
カラダの中の回転が活きてくる

女性 
1歩目でカラダの中が同じく右回転 
その結果 1から2歩目の間に右へ1/4回転 
だけどカラダの回転は少なく

と、いうようにね。
でも、それなら
『カラダの動きがナチュラルにならなきゃ、
教科書は全く分からないモノって終わっちゃうのか!?』
というと、実はソウでもなく、
“ト書き”の部分の解釈に至るための
ヒントがちゃんと教科書の言葉の中にもあるわけ」



「へぇ~、教科書を読みこなすには、
想像力や洞察力がいるもんですなぁ(笑)
実は最近、ダンス仲間から
質問を受けましてね、ソレがちょうど 

クローズド・チェンジと

ホイスクのリードの違い


今回のレクチャーで、
一歩目に女性PPへのリードがあるのが
ホイスク・・・ってことが分かってきたのですが、
質問した人がカップルの女性の方なんで、
もっと女性にも響くような説明
できないなぁと思っていたんですわ。
教科書の中にそういうことに関する
ヒントは見受けられますかな?」




「ドンピシャであるわよ。
それはまさに
『クローズド・チェンジと、
ホイスクのリードの違い』

女性側のステップから明らかにした箇所
といえるでしょうね。
“ホイスクは男性の一歩目に
女性PPへのリードがある”
ってことが
示唆(ほのめかす・暗示)されているわ」



ジュンコ先生はそういって
白板に書き始めた。



女性、右足後退のあと

レフト・フット・クローズド・チェンジの場合
女性 2歩目 左足 横 少し後ろに

ホイスクの場合
女性 2歩目 左足 斜めに後退


これがヒントの部分よ。
さぁ、女性の動きをよーく想像してみてね。
この2つを比べてみて、
“男性の一歩目に
女性PPへのリードがあるはずだ!”

と感じ取れた人は、かなり優秀ね。
また、男性からのリードを受けて

ホイスクを成功に導く

女性のテクニックのヒント


も書いてあるんだけど・・・
さぁ、見抜くことができるかしら?」



      続く 第227話へ



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