2007.09.02 (第222話)社交ダンスの華「ワルツ」XXXⅥ ホイスクは難しい!?
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あるグループレッスン会場での休憩時間、
一人の男性がトコトコやってきて
「先生、さっき習った足型・・・
あの“キオスク”ってヤツ、難しいですね」
なぬっ?“キオスク”?
って、一瞬パニクッていると
「足を後ろにかけたとき、
バランスがひっくり返りそうになるし、
女性をリードしにくいし」
あぁ~ソレはね・・・と言いかけていると、
近くで聞いていた年配の男性、
ゲラゲラ笑いながら
「あんた、ソレって
“ホイスク”の話だろ?」
と、傍にいたトアル女性は
「え?“ウイスク”じゃないの?
私、“ウイスク”だってずっと思っていたわ。
ひょっとして“ホイスク”と別物なのかしら?」
年配の男性は、
「ドッチも同じモンだよ。
英語の発声の違いだけでしょ。
でも、英語の発声から言えば、[wisk/hwisk]
“フィスク”なんじゃないかなぁ」
「ど、どれが一番正しいんですか?」
最初の男性が質問すると
「僕の持っている教科書には、
一応“ホイスク”って明記されてあるよ」
で、何とか一件落着。
ダンスの表記ってややこしいところ、
いっぱいあるわよねぇ~。
ラテン語、英語、日本語が入り乱れ・・・。
統一されていないまま、
“通称”で呼び合っているようなものもアリでして。
「そんなの、名前なんてダイタイでいいじゃない!?
要はちゃんと踊れたら」
それはそうかもしれませんが、
名前の語源を知ることで、
そのフィガーの特徴ナリが示唆できるものもありまして、
ソレを知ることで、
「へぇ~、ソレって、そういうテクニックだったんだ」
なぁんて、
突然“開眼”する人がいたりもするから、面白い。
実はこの“ホイスク”(ココではこれに統一します)も
そのひとつなんでして。
Whiskって「麦わらぼうき」のこと・・・らしい。
ちなみに下にYをつけると
Whisky ウイスキー。
麦から作った蒸留酒だね。
動詞としての意味は「ササッと払う・払いのける」
じゃぁ、ダンスフィガーとしてのWhisk、
何を一体“払う”のか?
それは・・・“腰”
つまり
腰を払うことで足を動かし
後ろに交差させる
ソレが、ホイスクだ、という理解につながるわけ。
これってどうも男性の動き方を
表していることになりそうなのですが・・・。
サァ、詳しい説明は、レッスンの中でね。
「良く使うフィガーなんですが、
これでいいのかな?とずっと思っていました」
坂田さんが自分の“ホイスク”について話している。
「気を利かせて自分からやってくれる
(PPに開くことを)女性もいるもんで、
自分でちゃんとリードできているのか、
良く分からないんです。
友人からは、『女性から
“手でリードしてる”ってよく言われて、
悩んでいる』なんてことを聞かされると、
僕もしてるんじゃないかなって」
(女性を無理やりPPに開かせている)
他の男性もうなずいて聞いている。
「いやぁ、僕らでもまだまだ難しいと、
思っていますよ、坂田さん。
ホイスクからシャッセして
アウトサイド・ナチュラルターン、
これは、家内とも昔、よくもめたステップですわ。
今は妥協で踊ってるかもしれませんなぁ(笑)」
踏歴40年の平田さんが言い出して。
「OK。
では“ホイスク”を取り上げましょう。
ベーシックステップで、
使用頻度が高い割には、難しいフィガーね」
ジュンコ先生はそう言って、
「ステップ数はたったの3歩、
形的には、とてもシンプルなステップね。
でもこの中に、
他の種目、フィガーにも通じる
細やかなテクニックが隠されている、
なかなか面白いモノなのよ」
そしてジュンコ先生は、
こんなことを言い出した。
「ホイスクはね、
“レフト・フット・クローズド・チェンジの
やりそこない”と見たらどうかしら?」
みんなはキョトンとしているが・・
「クローズド・チェンジをやろうとした男性、
2歩目の左足を“横、少し前”にステップするとき、
前進しようとするパワーが強すぎてバランスを壊し、
“オットどっこい”
突風にあおられ、女性もバランスを保てず、
足がそろわないでコケかけてバックしちゃった…
となってできたもの、ソレが、ホイスク」
サァ、この続きは次回!
続く 第223話へ
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「先生、さっき習った足型・・・
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「足を後ろにかけたとき、
バランスがひっくり返りそうになるし、
女性をリードしにくいし」
あぁ~ソレはね・・・と言いかけていると、
近くで聞いていた年配の男性、
ゲラゲラ笑いながら
「あんた、ソレって
“ホイスク”の話だろ?」
と、傍にいたトアル女性は
「え?“ウイスク”じゃないの?
私、“ウイスク”だってずっと思っていたわ。
ひょっとして“ホイスク”と別物なのかしら?」
年配の男性は、
「ドッチも同じモンだよ。
英語の発声の違いだけでしょ。
でも、英語の発声から言えば、[wisk/hwisk]
“フィスク”なんじゃないかなぁ」
「ど、どれが一番正しいんですか?」
最初の男性が質問すると
「僕の持っている教科書には、
一応“ホイスク”って明記されてあるよ」
で、何とか一件落着。
ダンスの表記ってややこしいところ、
いっぱいあるわよねぇ~。
ラテン語、英語、日本語が入り乱れ・・・。
統一されていないまま、
“通称”で呼び合っているようなものもアリでして。
「そんなの、名前なんてダイタイでいいじゃない!?
要はちゃんと踊れたら」
それはそうかもしれませんが、
名前の語源を知ることで、
そのフィガーの特徴ナリが示唆できるものもありまして、
ソレを知ることで、
「へぇ~、ソレって、そういうテクニックだったんだ」
なぁんて、
突然“開眼”する人がいたりもするから、面白い。
実はこの“ホイスク”(ココではこれに統一します)も
そのひとつなんでして。
Whiskって「麦わらぼうき」のこと・・・らしい。
ちなみに下にYをつけると
Whisky ウイスキー。
麦から作った蒸留酒だね。
動詞としての意味は「ササッと払う・払いのける」
じゃぁ、ダンスフィガーとしてのWhisk、
何を一体“払う”のか?
それは・・・“腰”
つまり
腰を払うことで足を動かし
後ろに交差させる
ソレが、ホイスクだ、という理解につながるわけ。
これってどうも男性の動き方を
表していることになりそうなのですが・・・。
サァ、詳しい説明は、レッスンの中でね。
「良く使うフィガーなんですが、
これでいいのかな?とずっと思っていました」
坂田さんが自分の“ホイスク”について話している。
「気を利かせて自分からやってくれる
(PPに開くことを)女性もいるもんで、
自分でちゃんとリードできているのか、
良く分からないんです。
友人からは、『女性から
“手でリードしてる”ってよく言われて、
悩んでいる』なんてことを聞かされると、
僕もしてるんじゃないかなって」
(女性を無理やりPPに開かせている)
他の男性もうなずいて聞いている。
「いやぁ、僕らでもまだまだ難しいと、
思っていますよ、坂田さん。
ホイスクからシャッセして
アウトサイド・ナチュラルターン、
これは、家内とも昔、よくもめたステップですわ。
今は妥協で踊ってるかもしれませんなぁ(笑)」
踏歴40年の平田さんが言い出して。
「OK。
では“ホイスク”を取り上げましょう。
ベーシックステップで、
使用頻度が高い割には、難しいフィガーね」
ジュンコ先生はそう言って、
「ステップ数はたったの3歩、
形的には、とてもシンプルなステップね。
でもこの中に、
他の種目、フィガーにも通じる
細やかなテクニックが隠されている、
なかなか面白いモノなのよ」
そしてジュンコ先生は、
こんなことを言い出した。
「ホイスクはね、
“レフト・フット・クローズド・チェンジの
やりそこない”と見たらどうかしら?」
みんなはキョトンとしているが・・
「クローズド・チェンジをやろうとした男性、
2歩目の左足を“横、少し前”にステップするとき、
前進しようとするパワーが強すぎてバランスを壊し、
“オットどっこい”
突風にあおられ、女性もバランスを保てず、
足がそろわないでコケかけてバックしちゃった…
となってできたもの、ソレが、ホイスク」
サァ、この続きは次回!
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