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チョット中休み エッセイvol.5 

まっすぐ立つ

~“足を使って踊る”ために“使える足を創る” ⑥~


「ホラ、しっかりとちゃんと立って!」
「もっと、まっすぐに立たなきゃ」・・
現役時代、コーチャーから注意されても、
イマイチ、わかんなかったんだよなぁ

“立つ”ってコトが。 

生まれてモノ心ついたときから当たり前のように、
この地球の上に“立ってきた”のに、
ソレで別段、支障なくフツーに生きてきたのに、
ダンスするようになって、いきなり他人から
「あなた、全然、立てていません」
なぁんて言われてもねぇ。

「あのぉ、立ってるつもりなんですけど・・・
だって、コケてませんヤン。
YOUの言っている“立つ”と
今、私が行っている“立つ”の違いを、
納得のいくように教えてもらえますか!? 」
なぁんて、食い下がる勇気もなかったモンね、
アノ頃は。

そう、こういうシンプルテクニックって、
厄介なのよ。
個人、個人の感覚の差ってものがあるし、
ハッキリ、これが正解ですってモンが、
あるようでないようで・・・。
実際、私自身

重力をまっすぐに受けて

ちゃんとまっすぐに立っている


ことの理論的な理解と
カラダの実感の両方が伴ってきたのは、
つい最近かもしれないんだモノなぁ。
なぁんて思いながらも
ヒデ君にソレ(まっすぐ立つこと)を伝授するときが
いよいよやってきたのであります!


「俺な、

ただ立ってるだけで

人に影響を与えられる存在感


のある人になりたインや」

コレ、別にダンスのシーンのお話ではなく、
ヒデ君がそのライフスタイルの中で目指す、
いわゆる人間像なのだが、
ダンスの中での“立つ”が真に習得できると、
あなたが手に入れたいソレ(人間像)も
もれなくついてくると思うのよ。
そのくらい夢を持って取り組もうよ、
ダンスに・・・
ってね、先生として、ダンスの先輩として、
そしてまた人生のパートナーとして
伝えたい気持ちもアルんだな。


さてさて、レクチャーの内容だ。


「両足の親指をそろえて立ってね。
さぁ、

足裏のどの位置を感じると

まっすぐ立てるか?


これは、前に一度説明したけど覚えているかな?」




「エーと、アレでしょ?
スネにある太い骨をまっすぐに下ろした
土踏まず辺り」




脛骨(けいこつ)ね、
内側にあるくるぶしがその骨の末端だから、
内くるぶしでもいいよ」



「ソウ、その内くるぶしの下、

土踏まずの真ん中より

まだちょっとカカト寄りの内側


・・・ここを感じると
まっすぐ立てるって聞いてから、
外で立ってるとき意識するようにしてるンヤ」




「どう?立ちやすいでしょ?」



「ウン、すごく安定する。
安心な感じで立てるようになったわ」




「良かったね(笑)
ソコを意識して床を押して立ったら、
ひざの内側、
モモの付け根へとつながる
かな?」



「ウンウン、つながった感じがする」



「じゃぁね、

ヒザを伸ばして

脚全体を内側に寄せる


ようにしてね。

で、

下腹を引き上げる

うすーくペッタンコになるのが良いのよ」



「うぅ・・きついな」



「コラコラ、

肋骨は開かないの」 



「オレの体型としてはちょっとしんどいわ」 



「次、

お尻の筋肉を左右から締めて

“仙骨” をサンドイッチ
して。

(第199話エクササイズ1参照)

肩甲骨は内側に寄せながら
背骨に沿って下に下げる(第152話参照)
すると、

鎖骨は開いた状態になるかな?」



「何や、モウ苦しいて、よう分からヘン!」



「鎖骨はね、
前から見て横一直線になればベスト。
猫背だと深いV字型になっちゃうの」



「鎖骨は開くけど、肋骨は開かないんでしょ?
で、下腹とお尻は締める・・・あぁ、しんど」




「ヒデ君の体型は、
お尻が引けているから、もっとコウ」
とワタシが、彼の尾てい骨の辺りをキュッと
前にやって下腹をグッと押さえると、
鎖骨が開かなくなって背中が丸くなるんだ。
鎖骨を開くと一緒に肋骨も開いてしまい、
ソレにつられてお尻もプリーンと後ろに出ちゃう。



「うぅっ~難儀なカラダやで・・・」
ヒデ君、苦しそうにうめいているが、
お構いなくレクチャーは進む。



「次、頭の位置ね。

まず、
あごを上に向かってグーッと上げてね。
そのあごの位置(高さ)を変えないような感じで、
後頭部引っ張りながらを起こす

・・・あごは少し引き気味でね」(第159話)



「頭、上から誰かにつかまれて
吊り上げられてる感じや」




「それでいいの」



「息でけへん!」



「大丈夫よ、少しくらいは(笑)
首が前に倒れているとね、
頭をカラダの中心ではなくて
首の後ろの僧帽筋(そうぼうきん)ってところで
支えるようになるねん。
で、僧帽筋(そうぼうきん)が発達すると
肩が盛り上がって、首が短くなってしまうんよ」



「オレ、その辺も直さなアカンわ、きっと」



「日頃、鎖骨から前に出る感じで歩くとエエよ」



「いまやってるのは、

あくまで矯正だからカラダを締めることで

少々力が入ってもいいからね。
内側に締めて、頭は上に、
足裏は下に・・・ってカラダを感じながらね」



「アーしんど」
ってな感じでお休みしたがっている、ヒデ君ですが、
この姿勢のまんま、
次はカカトを上げて

ボールバランスと

トウバランスで立つ練習
へ。

「ちょうど良い高さだからココを、
バー(バレエのバーレッスンのときのバー)
代わりにしよ」
と、対面式のカウンターキッチンの
カウンター部分の前にヒデ君を立たせて、
両手でカウンターのヘリを持たせ、
「これからカカトをあげていくけど、いい?
一気に上へガンって上げたらアカンよ。
今まっすぐ立っているときの足裏の部分、感じるよね、
ソコからまずしっかりと足首レールを定めるわよ。
(第212話参照)
“内くるぶし”の辺りをキュッと内側に締めて、
足首の方向を常に一定に保つ・・・
それからゆっくりと、
今足裏まっすぐにかかっている重みを、
そのレールに沿って
土踏まずの内側をまっすぐ通って
親指の付け根辺り
に持っていき、
ココで、カカトをあげる、
そう、床をしっかり押してね」



「コレがボールバランスや」



「OK!そうよ。
次、トウの部分へと達する。
ユックリと床を押しながらね・・・」



「できた!」



「ヒザの裏は良い感じで伸びているかな?
足のスキマは・・・あんまり開いていないね。
コノぐらいだったら合格。
しっかり、指先で立っている感じはするかな?」



「ウン、不安定やないから、エエ感じや。
でも、この姿勢がきついわ。
お腹とかお尻とか、ツリそうや・・・」




「じゃぁ、ゆっくりカカトを下ろしてくる。
コレも足首レールに沿ってね。
コウやって、
カカトの上げ下げを繰り返し練習、ハジメ!」


さぁ、ヒデ君のがんばりは・・・



      続く 第216話へ


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