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チョット中休み エッセイvol.5 

俺がO脚になったわけ

~“足を使って踊る”ために“使える足を創る” ②~


私の説明を
「へぇ~」と真顔で受け止めていたヒデ君、
しばらく何やら考えていたが、

「ダンスのテクニックについては、
正直まだよう分からんけど・・・」

と前置きしてからこんなことを言い出したんだ。

「俺、ダンスも上手くなりたいけど、
モウちょっと、カッコ良くもなりたいわ。
特にこの辺とか、このあたりも・・・」

彼は自分のプックリ“貫禄”のついた下腹部、
ちょっと後ろに引けている腰に手をやり
「こんな“みつばちマーヤ”みたいな体型イヤや~」

最近は踊る量が増えたから、
以前よりもカラダは断然シマッテきているのだが、
当の本人はまだまだお気に召さないらしいんだな。
おまけに、
「O脚もかなりひどいデ。
腕、2本くらい間に入りそうや。
こんなんって、ホンマに矯正できるの?」



「できるよ。
私もかなりひどかったけど治ったしね」

というと、


ちょっとビックリしたような顔をして、
「うそぉ~、信じられへんな・・・
でも、俺のこのカラダは手ごわいで、きっと」

ヒデ君はそう言ってから、
私が何も答えないのに自分で話をつないでいき、
「そういえば、ダンスのレッスンビデオを見ても、
ヤツら(外国のチャンピオンクラスのダンサー)は、
ナンカもうカラダの作りから全然違うモンナ。
えらい簡単そうに踊るモンやから、
自分もすぐにできるんかなって思うていたら、
全然やった(笑)
誰見てもまっすぐなきれいな、
ゴッツ踊れそうなカラダしてる。
O脚や腰引けのヤツなんかおれへんわ」



で、最後に
「足首・・・か。

でも、ナンデ足首なん?

踊るときにそんな大切なところなん?
足首鍛えたらこのO脚も治るのん?」

と畳み掛けるように聞いてきたんだ。



そうね、ちょっと説明が必要ね。
で、リビングでのダンス談義が一変し、

“使える足”になるための

足首つくりレクチャー
とあいなったわけ。

まず、
足首って一体ダンスの中で
どんな役割をしているのか?
って話から。


コレに関しては、
「スムーズに歩けるように車で言う
サスペンション=クッションの役割かな? 
でもまぁこれは、ヒザなんかも同じやろうけれど」
とヒデ君ご名答。


他の役割は?
「うーん」
と頭をひねっている彼に
「ねぇ、ちょっと立ってみてよ」
と促したんだ。
んで、次なる指示を
「くるぶしの内側(親指側)を意識して歩いてみて」
「今度は、外側(小指側)を意識して歩いてみて」
そして、
「どう?感じ、違う?」
と聞くと
「うん、違うわ・・・ヒザの向きまで変わるなぁ」
と、ヒデ君、好奇心を見せ始めた様子。
「じゃぁね、左足は外側(小指側)、
右足は内側(親指側)を意識して歩いてみて
・・・できる?」
ヒデ君、言われたようにやってみて、
「あ、左に曲がっていきそうな感じがする。
アレッ実際、曲がってんのカナ?」
ちなみに、反対をやれば、
右に寄って行きそうに・・・。


さぁて、お分かりかな?
実は、足首って

進行方向に向けて

線路のレールのような役割


をしているんだ。

例えば、
分かりやすいように、
大げさに足首のウンと外側(小指側)を
感じて歩いてみよう。
ワーッ不安定だよね・・・
でもコレをずっとやり続けていると、
一生懸命、筋肉を固めることで、
しっかり立とう、歩こうと、
カラダは頑張ってくるんだ。
挙句の果て、足の構造、
ひいてはカラダの構造自体も変化させてしまう・・・
コレがヤバイことなんだ。
と言ったら、なんとヒデ君
「え?俺、コッチの方が(外側)歩きやすいけど」
と来るわけだ。
「内側(親指側)を意識して歩くと、
すんごくキツイし、ムッチャ歩きにくい」
その言葉に、あ~なるほど、
コレがヒデ君、O脚の原因ね・・・と、ピンときた私。
彼の歩いているときの足首の向き、
ヒザの様子をチェックし、



「そんな、
“頼れる骨”のないところに体重を乗せたらアカンよ」



「ハ?“頼れる骨”?」



「そう、
人間の足の上についている脛(スネ)の中には、
太い骨(脛骨=けいこつ)
細い骨(腓骨=ひこつ)があるのよ。
足首の上を触ってみて、
ココからひざにかけて太い骨があるでしょ?
コレが脛骨(けいこつ)ほら、親指側にあるでしょ?
コレが
“頼れる骨”、体重を支えてくれる骨なのよ。
上に行けば、
太ももの大腿骨(だいたいこつ)とつながっているわ」



「ふうーん」



「でも、あなたは、小指よりの“頼りない骨”、
腓骨(ひこつ)側に体重を乗せちゃっているんよ。
コレって、
脛骨(けいこつ)の1/4くらいしか太さがないし、
もともと体重を乗せるための骨ではナイのよね※
でも、体重がかかってくるから、
コラ大変!ってことで、
腓骨(ひこつ)周りに筋肉を付けて補ってきたわけよ。
で、外側に筋肉がついたもんで、
ソッチに(外側に)体重を乗せたほうが
居心地が良くなり・・・
ずっとねじれた状態で歩いていても
平気になってしまったのよね。
するとね、本来は体重を支える骨であった、
脛骨(けいこつ)の仕事がなくなって、
『ほな、休んどこ・・・』」



「わぁ、働かんようになってしもうたんや」  



「そう、コレが“ヒデ君、O脚への歩み”(笑)」



「すごいなぁ。
歩くたびに自分でO脚を助長させていたんや。
腰抜けもお腹ポッコリも
ひょっとしたら関係あるかもね。
だって、大本のレールが狂っていたワケやから・・・
えらいこっちゃ。
ソラ、このまんまで、
ただただダンス頑張ってたって、アカンワ」



「本来は、

骨がするべき仕事を筋肉が肩代わり

・・・無駄なリキミやカラダに変なクセを付けちゃう
最も大きな原因がコレ。
そしてそのリキミやクセが、
そのまんまダンスの中で出てきちゃうのよ。
コレが、ダンス上達の絶対的な妨げになるの」



と聞くや、ヒデ君、笑いながら
「ジュンコ先生が、
初心者にフットワークや足の使い方を教えへんのがなぜか、
分かったわ。
リキミとクセの“上塗り”になってしまう恐れ
があるから・・・やろ?」



YES!
なんたって、苦労しましたモン、私自身が。



「O脚ひとつにしてもね、
いろんな原因が重なってできていているから、
最終的には骨盤やら、
肋骨やらすべての骨格と筋肉が矯正されて万全・・・
あ~ぁ、なんて気の長い話なんだろう、
ってなっちゃう中で、
ダンスで足を使うためには、
ココを鍛えなきゃ、改善しなきゃと

“足首”に注目した理由はね、

足首は、筋肉も腱も小さく扱いやすく、
比較的効果が早く出る
直接、触れたり見たりできる部位なので、分かりやすい。
それに何より、

足首のレールが

正しい方向に安定してくると

太いほうの頸骨(けいこつ)に

つながる仕掛けになっている!


コレができることが、
どれだけダンス上達に役立つことか・・・」


すると、ヒデ君、
「へぇ~そうなん? 俺、ソレ、知りたい」


※歩いたときなどの微妙な調整や、
揺れの“ショック緩和” 的役割をしている




      続く 第212話へ


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