2007.08.21 (第210話)“チョット中休み エッセイ vol.5” ~使える足を創る!? ①~
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チョット中休み エッセイvol.5
足を使って踊る?
~“足を使って踊る”ために“使える足を創る” ①~
さてさて、あのワルツのデモ以来(第177話)
ホボ日刊練習を怠ることなく続けている
ダンナ様ヒデ君が、
急にこんな質問をぶつけてきたんだ。
「なぁ、
“足を使って踊る”ってどういうこと?」
ん? どうしてそんなことを・・・
なんでも、ヒデ君が言うには、
アノ日デモを踊り終えた彼に
「若いし、楽しみやねぇ。
これからもっと足が使えるようになってきたら、
ドンドン上手になるやろねぇ」
と声をかけてくれた人があったんだとか。
どうも当日お客さんで来ていた人で、
私もよく知らない方なのだが、
その言葉、
ヒデ君の心に妙に引っかかったらしいんだな。
「だって、『足を使って踊りなさい』って
ジュンコ先生の口から聞いたことなかったから」
そうね。
初心者である彼には、フットワーク並びに
足の使い方の説明はわざとしていない、
それにはそれの“意図”があるわけなんですが…。
(オリジナルの“ダンス初心者 指導要綱”に沿って
詳しくは第194・195話参照)
ところが、気になりだしたら
納得がいくまで引かない性格のヒデ君、
しかも、その負けん気の強さからか、
疑問がでてくりゃ、
何でもすぐに質問できる
“お得な立場”にいながらも、
すぐにソレを利用することなく、
(つまり、私に尋ねることなく)
自分で調べてみようと、
ネットや何やらから
いろいろ情報を仕入れたらしいんだな。
で、ヒデ君のアンテナに引っかかってきたワード
ヒザ・足首
つまり“足を使って踊る”を具体的に言うと
ヒザや足首をしっかり使って踊る
そして、目指すは
“もっとグォーンって踊る
(大きくスイングをかける)こと”かなぁ?
と導き出してみたわけ。
ということで、アノ日いただいたアドバイスは
「これからもっとヒザや足首を
しっかり使えるようになれば、
大きくスイングで踊れるようになるやろねぇ」
と解釈してみた次第。
と、ここまで考えたヒデ君
「ほんじゃ、いつ、僕も
“足の使い方”ナリを教えてもらえるのかなぁ」
とにかく、
少しでも早く上達をしたいとやる気十分の彼、
そんな期待感もこめながら、
この質問をぶつけてきたってワケなんだ。
「なぁ、“足を使って踊る”ってどういうこと?」
私はすぐにはそれに答えず、
逆に聞き返した。
「どういうことだと想像できる?
足を使うって」
「ヒザや足首を使って踊ることかなぁって、
今は思ってるけれど」
「じゃぁ、
ヒザや足首を使うってどんなことだと思う?」
「うーん、こんなんかなぁ」
そう言いながら、
彼は“ヒザをユルメて(曲げて)”
ナンヤ踊ってみせるんだ。
どうも本人は、ビデオで観た
世界チャンピオンクラスの踊りの再現!?
のつもりで、
ロウァをしているつもりのようなのだが・・・。
「ワルツを踊っている
ビデオをスローモーションにして観てみたんだ。
そしたら、すんごい、
ヒザや足首、曲がっていたモンナァ。
その後、
グォーンってダイナミックに動くんだ・・・」
ソウよね、そう見えるモンね。
ある意味ソレって間違いではないし、
実際、上級ダンサーほど、
ヒザも足首も“関節”の働きとしては、
かなりな角度、ユルンで(曲がって)いるし、
その(ヒザ、足首の)使い方も上手。
まぁ、使い方が上手いから、
的確にユルムんだろうけどね。
つまり、
GOODな正しいダンスをした結果、
ちょうど良い箇所でちょうど良い程度
ヒザや足首がユルみ(曲がり)、
ソレによって生まれた推進力が
素晴らしいスイングを作り出すのであって、
ただ単にわざと、
立っている足の上で
ヒザ、足首をユルめる(曲げる)
ってワケでは決してない!
そんなことをやった日にゃ、
スイングがかかりどころか、
その場にただただ重―く落っこちてしまうだけ!
ただでさえ、重力、かかってんだから、
ドンだけ重くなっちゃうことか
で、その重みを動かそうとして、
新たな脚力を生み出さねばならない
ロスとリスクは相当なもの・・・
こういうことって、
冷静に考えたら分かるんだけど
でも意外や、やっちゃってる人って多いのよね、
意味のない“直下型ロウァ”。
そんなコンナを考えながら
私が何も答えないでいると、
彼、ハタと踊るのを止め、
「あれっ?何か変?
ひょっとして違うの?」
「ってワケじゃぁないけれど、あなたの言う
『足を使って踊る』ためには
『使える足』を創らなきゃね」
「え?それって、いつも言っている
“みぞおちから足”みたいな
インナーマッスルを鍛えろって話?」
ヒデ君、マジ顔、真剣だ。
「いつもジュンコ先生は、
『足より体幹、
しかもインナーマッスルの動きが大切だから、
足を使うよりまずは“カラダの中”を使え』
って言うでしょ?
カラダの中が正しく使えると、
ヒザや足首をしっかり使えるようにもなるのかな?」
「うーん、もちろんソウだけれど、
今言っている、
『使える足』を創らなきゃって意味は、違うのよ。
簡単に言えば実際の
足を矯正するってこと・・・」
「キョウセイ?」
「ええ、そうよ。
もっと、踊れる足に創り換えていくのよ。
今現在の足のままで、『足を使って踊る』という
ダンステクニックを習得しようと、
コーチャーから
いくら良いレッスンを受けたとしても・・
テクニックを受け取りきれないわ。
それに実際に教える側が意図している内容と、
あなたのカラダがしようとすることに、
ものすごく食い違いが出てくるようになるわ」
「僕の今の足では、
“足を使って踊ろう”とすると
かえってヘンテコリンになるってか?
ひょっとして、このO脚のこととか、
腰引けのことを言ってるの?」
「ソレももちろんだけれども、
その大本・・・を矯正していくのよ。
そして、ダンスのテクニックにおいて
『足を使って踊る』の実際を知っていくの」
「エ?『足を使って踊る』って、
ヒザや足首をユルめる(曲げる)コトではないの?」
「うん、まぁ言葉として色々な解釈があるから、
決め付けることはできないんだけれども、
私は一番重要に思っている足における
“使って踊るべき箇所”は、
足首で、しかも、
ユルめる(曲がる)よりもむしろ
伸ばすほうを重視、
そしてそのフォルム(つき方・形)も大切・・・」
続く 第211話へ
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足を使って踊る?
~“足を使って踊る”ために“使える足を創る” ①~
さてさて、あのワルツのデモ以来(第177話)
ホボ日刊練習を怠ることなく続けている
ダンナ様ヒデ君が、
急にこんな質問をぶつけてきたんだ。
「なぁ、
“足を使って踊る”ってどういうこと?」
ん? どうしてそんなことを・・・
なんでも、ヒデ君が言うには、
アノ日デモを踊り終えた彼に
「若いし、楽しみやねぇ。
これからもっと足が使えるようになってきたら、
ドンドン上手になるやろねぇ」
と声をかけてくれた人があったんだとか。
どうも当日お客さんで来ていた人で、
私もよく知らない方なのだが、
その言葉、
ヒデ君の心に妙に引っかかったらしいんだな。
「だって、『足を使って踊りなさい』って
ジュンコ先生の口から聞いたことなかったから」
そうね。
初心者である彼には、フットワーク並びに
足の使い方の説明はわざとしていない、
それにはそれの“意図”があるわけなんですが…。
(オリジナルの“ダンス初心者 指導要綱”に沿って
詳しくは第194・195話参照)
ところが、気になりだしたら
納得がいくまで引かない性格のヒデ君、
しかも、その負けん気の強さからか、
疑問がでてくりゃ、
何でもすぐに質問できる
“お得な立場”にいながらも、
すぐにソレを利用することなく、
(つまり、私に尋ねることなく)
自分で調べてみようと、
ネットや何やらから
いろいろ情報を仕入れたらしいんだな。
で、ヒデ君のアンテナに引っかかってきたワード
ヒザ・足首
つまり“足を使って踊る”を具体的に言うと
ヒザや足首をしっかり使って踊る
そして、目指すは
“もっとグォーンって踊る
(大きくスイングをかける)こと”かなぁ?
と導き出してみたわけ。
ということで、アノ日いただいたアドバイスは
「これからもっとヒザや足首を
しっかり使えるようになれば、
大きくスイングで踊れるようになるやろねぇ」
と解釈してみた次第。
と、ここまで考えたヒデ君
「ほんじゃ、いつ、僕も
“足の使い方”ナリを教えてもらえるのかなぁ」
とにかく、
少しでも早く上達をしたいとやる気十分の彼、
そんな期待感もこめながら、
この質問をぶつけてきたってワケなんだ。
「なぁ、“足を使って踊る”ってどういうこと?」
私はすぐにはそれに答えず、
逆に聞き返した。
「どういうことだと想像できる?
足を使うって」
「ヒザや足首を使って踊ることかなぁって、
今は思ってるけれど」
「じゃぁ、
ヒザや足首を使うってどんなことだと思う?」
「うーん、こんなんかなぁ」
そう言いながら、
彼は“ヒザをユルメて(曲げて)”
ナンヤ踊ってみせるんだ。
どうも本人は、ビデオで観た
世界チャンピオンクラスの踊りの再現!?
のつもりで、
ロウァをしているつもりのようなのだが・・・。
「ワルツを踊っている
ビデオをスローモーションにして観てみたんだ。
そしたら、すんごい、
ヒザや足首、曲がっていたモンナァ。
その後、
グォーンってダイナミックに動くんだ・・・」
ソウよね、そう見えるモンね。
ある意味ソレって間違いではないし、
実際、上級ダンサーほど、
ヒザも足首も“関節”の働きとしては、
かなりな角度、ユルンで(曲がって)いるし、
その(ヒザ、足首の)使い方も上手。
まぁ、使い方が上手いから、
的確にユルムんだろうけどね。
つまり、
GOODな正しいダンスをした結果、
ちょうど良い箇所でちょうど良い程度
ヒザや足首がユルみ(曲がり)、
ソレによって生まれた推進力が
素晴らしいスイングを作り出すのであって、
ただ単にわざと、
立っている足の上で
ヒザ、足首をユルめる(曲げる)
ってワケでは決してない!
そんなことをやった日にゃ、
スイングがかかりどころか、
その場にただただ重―く落っこちてしまうだけ!
ただでさえ、重力、かかってんだから、
ドンだけ重くなっちゃうことか
で、その重みを動かそうとして、
新たな脚力を生み出さねばならない
ロスとリスクは相当なもの・・・
こういうことって、
冷静に考えたら分かるんだけど
でも意外や、やっちゃってる人って多いのよね、
意味のない“直下型ロウァ”。
そんなコンナを考えながら
私が何も答えないでいると、
彼、ハタと踊るのを止め、
「あれっ?何か変?
ひょっとして違うの?」
「ってワケじゃぁないけれど、あなたの言う
『足を使って踊る』ためには
『使える足』を創らなきゃね」
「え?それって、いつも言っている
“みぞおちから足”みたいな
インナーマッスルを鍛えろって話?」
ヒデ君、マジ顔、真剣だ。
「いつもジュンコ先生は、
『足より体幹、
しかもインナーマッスルの動きが大切だから、
足を使うよりまずは“カラダの中”を使え』
って言うでしょ?
カラダの中が正しく使えると、
ヒザや足首をしっかり使えるようにもなるのかな?」
「うーん、もちろんソウだけれど、
今言っている、
『使える足』を創らなきゃって意味は、違うのよ。
簡単に言えば実際の
足を矯正するってこと・・・」
「キョウセイ?」
「ええ、そうよ。
もっと、踊れる足に創り換えていくのよ。
今現在の足のままで、『足を使って踊る』という
ダンステクニックを習得しようと、
コーチャーから
いくら良いレッスンを受けたとしても・・
テクニックを受け取りきれないわ。
それに実際に教える側が意図している内容と、
あなたのカラダがしようとすることに、
ものすごく食い違いが出てくるようになるわ」
「僕の今の足では、
“足を使って踊ろう”とすると
かえってヘンテコリンになるってか?
ひょっとして、このO脚のこととか、
腰引けのことを言ってるの?」
「ソレももちろんだけれども、
その大本・・・を矯正していくのよ。
そして、ダンスのテクニックにおいて
『足を使って踊る』の実際を知っていくの」
「エ?『足を使って踊る』って、
ヒザや足首をユルめる(曲げる)コトではないの?」
「うん、まぁ言葉として色々な解釈があるから、
決め付けることはできないんだけれども、
私は一番重要に思っている足における
“使って踊るべき箇所”は、
足首で、しかも、
ユルめる(曲がる)よりもむしろ
伸ばすほうを重視、
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