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エクササイズ&プラクティス集へ




真理と和夫が目指し始めた、
“三方良し”テクニック。

自己の体感良く
相手との関わりにも優れ
見た目も美しい


・カラダの外側ではなく内側から運動を起こす
・できるだけ繊細な筋肉を感じ取って踊る
がソレ(三方良しテクニック)につながっている、
と言い出した和夫。
それは、
「ある運動をするときに扱うべき筋肉は、
できるだけ範囲が狭く、
小さく、動きも微弱なものの方がいい
の。
なぜなら、ダンスの動きを構成する
最小単位・最小要素はものすごく微弱な世界だから」
というジュンコ先生の教えによるものでもあるが…

その実践に二人は乗り出した。



和夫は真理と軽くホールドし、
スピンターンの回転を試みた。



「コンナ感じ、どう?」



「すごく丁寧ね、全然引っ張られない。
あ、ジュンコ先生と
踊ってもらった感じに似ているわ」
(第207話)



「ソウだろ?
で、僕もこうやって踊ると気持ちいいんだ。
カラダの奥のほうが
ズーっと右に回っているのを感じている

真理ちゃんの様子も良く分かるから、安心だしね」



「ふぅん、私のことも分かるんだ・・・」



「腕の力を抜いているからね。
また不思議と、
カラダの内側を味わいながら踊ろうとしていると、
無駄なリキミが抜けてくるんだ」



「見た目はどうなのかしら?」



「OK、じゃぁシャドウするから見てくれる?」



・・・和夫シャドウ中・・・



「あら、普通ね。
特別何かしているって、全然分からない。
でも安定している感じで、
見ていて、引っかかったり、つっかえたりしないわ」



「回転している間中ずっと、

カラダの奥の右回りを継続させて、

その下に足がやってくるって感じかな」


「なぁ、真理ちゃん、
リバースターンも試させて・・・どう?」



「上手いじゃん!
特にスタートで『あ、来るぞ』ってのがよく分かるわ。
どうしているの?」



右足の上で準備をするとき、
みぞおち辺りをキュッって左回し
にしたんだ。
そのときに(左回しをするとき)

カラダの中を後ろに“引きこむ”

コレがポイントなんだ。
この小さな引き込み運動が、右ホールドに伝わると・・・」



「あ、右手をちょっと前に出したような

ユルんだ感じになる!

コレがあるから、女性を締め付けないのね」
和夫のマネをしながら
男性役をやっていた真理が声を上げた。



「いいところに気がついたね、真理ちゃん。
僕もこの方がやりやすいんだ。
後退する女性に先にスタートを切ってもらえるから、
楽に前進して行けるし、
カラダの中で、左回りをやり続けているから、
外側の筋肉はやや遅れて
無理のない左回りができるんだ」



「すごいわね!
じゃ、後退の女性はどうしたら良いのかしら?
左足のうえで、同じように、
みぞおち辺りをキュッって左回ししながら、
カラダの中を後ろに“引きこむ”・・・
やっぱり手は少し前にユルむわね。
あ~だから、相手を引っ張らなくてすむのか」



「ソウだよ。
それに後退側がそうしてくれると、
外側のボディは預けたまま、
カラダの中は後退することになる・・・つまり

相手を吸い込んでさがる

テクニックになるんだ」



「面白い!でも、コレってホントに
カラダの中をちょっと動かすだけで、
できるものなのね・・・というより、
大きく動かしたら“別モン”になって、
“カラダの中を動かすなんていらないことせずに、
ジッと立っていたほうが良い”
って相手から言われそうだし、
ビジュアル的にもヘンよね、きっと」



「あぁ、ルンバみたいなラテンだと
外に出しても全然OKだけどね」



「でもね、カラダのコンナ小さな変化を
感じ取っていくことがまず難しいわね。
自分のカラダのこととはいえ、
“あると思えばアルし、ないと思えばナイ”
くらいのメッチャ微妙なものなんだもの・・・」



その真理の言葉を聞いて
和夫は前日のレッスンで
ジュンコ先生が言っていたことを思い出していた。

自分のカラダの内側を

丁寧に味わっていると


その内、

ほんのわずかな違いでも

拾えるようになってくる
わ。

自分の動きに対する集中力もついてくる。
そうなれば、もっともっと小さな動きも
拾えるようになって・・・
と、良い循環ができるでしょうね」


「できるだけ小さな範囲の筋肉を
感じ取ろうとする意識を常に働かせていると、

筋肉の質自体も

だんだん良くなってくるものなのよ」



      続く 第210話へ



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