2007.08.17 (第206話)社交ダンスの華「ワルツ」XXⅦ カラダの中で回転を起こす“Rターン”
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スタンダードで男女が組む際、
“お互いを右にズラして立つ”
この位置関係が原因となって起こってくるという
ワルツのナチュラルターンと
リバースターンのテクニックの差。
ソレがまた、
ナチュラルターンにはナチュラルターンの、
リバースターンにはリバースターン、
特有の問題点を引き出してしまうものなのだが…。
今回はリバースターンの問題点に焦点を当てて、
その解決をすることで同時に、
ナチュラルターンの上達にもつながればGOOD!
というお話。
「最初に実験をやってみましょうか」
ジュンコ先生は男女二人組みになって、
軽くホールドをするよう指示を出した。
「では、そのまま右回転をしてみて。
“その場でのタタタッ”
という足の踏み換えで良いからね。
ホールドした手を使ってもOK、
少しスピードを上げて回ってね」
みんなスタンディング・スピン
(その場でまわること)
の要領で回転を始めている。
と、しばらくして
「キャッ」という悲鳴が。
カナちゃんだ。
一緒に組んでいた坂田さんが
「ご、ごめんね」と謝っている。
「できるだけ早く回ろうとして、
引っ張ってしまいました」
「大丈夫ですよ。
思いがけず、スピードがついたから・・・
遠心力が働いたのね」
とカナちゃん、笑っている。
「では、次、
同じような要領で左回転をしてみてね。
サァ、どうなるかしら?」
と、すぐに
「ワーッ」
今度は千恵子さんが声を出した。
「これは、難しいです。
さっき(右回りのとき)と同じようにやると
相手を押し倒してしまいそうになります」
相手の森田さんは、
千恵子さんに謝りつつ、ソウ言った。
そして、
「右回りのときは、
自分のボディを右回転させながら、
ホールドしている右手を使って軽く相手を引きこみ、
左手で押す・・・そうすると割とうまく回ったのですが。
左回りの時は、右ホールドで押しながら、
左手を引っ張っていくように・・・としたら、
女性がコケそうになってしまいました」
と、続けた。
「そうね。
相手と右にズレて組んでいる分、
右回転は、比較的やりやすいわね。
男性の右ホールドで女性を誘うことも可能。
つまり、直接相手に対して回転を仕掛けても、
無理な遠心力を働かさないように注意してやれば、
それほどイヤがられない。
でも、左回転は、ソウは行かないわね。
例えば、男性が少しでも、
ホールドを使って直接的に回そうとしたら、
女性は左にバランスを取られてしまう・・・」
「アァッ、これってよくありますよね。
リバースターンで
ダンゴ状態になってしまうこともありますもの」
紀子さんがそう言うと、
「後退する女性が、
勝手にグッと左回転を起こすと、
男性まで急激に
左に巻き込まれるから非常にやりにくいんだよな」
佐藤さんが言うと、
「そうそう、
ダブルリバーススピンで女性がヒールターンするときも、
グィッて左回転をかけすぎて
男性から外れるやら引っ張るやらの女性がいますわな、
うちの家内ですけど・・・」
平田さんも一緒になって言い出すと、
「アラ、ソレは、
男性がドンと突っ込んでくる人が多いから、
そうなっちゃうのよねぇ」
ハナコさんが言い返す。
ジュンコ先生は笑って聞いていたが、
「色々問題が出てきたわね(笑)
まとめると、左回転に関しては、
こういうことが要注意のようね」
そういいながら、白板にコウ書いた。
※要注意
左回転は
相手に対して直接的に
そして
カラダの外側で
回転を生むと上手くいかない
「理由はもうお分かりのように、
お互い右にズレて位置しているから。
では、どうやったら良いのかってことなんだけれど、
単純に“要注意”の反対・・・を考えてみると」
左回転は
相手に対して間接的に
そして
カラダの内側で
回転を生むと上手くいく
「試してみましょうか?
さっきと同じように
軽くホールドをして左回転やってみましょう。
ただし、カラダの中、
みぞおち辺りの奥のほうで、
キュッキュッと回転を起こして欲しいの」
「先生、その辺りって、
大腰筋の付け根ですよね!」
トシ子さんが聞くと、
「実はそうなのよ。
さぁ、手で押し倒したり、引っ張ったり全くせずに、
うまく回転できるかな?」
インナーマッスルが鍛えられつつある和夫と真理は、
「あ~ホントだ!
二人の位置関係が狂わないで、
ちゃんと回転できます!」
要領の分かったカップルは、
やりやすそうに回転している。
「実はこれはね、
何も左回転(リバース回転)にだけ
限ったことではないのよ。
ソウ、右回転(ナチュラル回転)も同じなの。
カラダの内側から回転を起こすと、
その波状運動が筋肉を伝わって
外側の筋肉も回転を起こし、
またその延長としてホールドも回転に参加する。
すると
求心力(カラダの中に引き込む力)
からくる遠心力を利用できるわ。
これだと相手を吹っ飛ばすことはないしね・・・」
みんなうなずきながら聞いているが、
実際の感覚はよく分かっていないようだ。
「さて、問題なのは、
カラダの内側から回転を起こすという実感なんだけれど、
ココで注意して欲しいことがあるのよ。
ソウでないと、
相手を引っ張ったり、押したりしていない
“つもり”で終わっちゃうからね」
続く 第207話へ
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“お互いを右にズラして立つ”
この位置関係が原因となって起こってくるという
ワルツのナチュラルターンと
リバースターンのテクニックの差。
ソレがまた、
ナチュラルターンにはナチュラルターンの、
リバースターンにはリバースターン、
特有の問題点を引き出してしまうものなのだが…。
今回はリバースターンの問題点に焦点を当てて、
その解決をすることで同時に、
ナチュラルターンの上達にもつながればGOOD!
というお話。
「最初に実験をやってみましょうか」
ジュンコ先生は男女二人組みになって、
軽くホールドをするよう指示を出した。
「では、そのまま右回転をしてみて。
“その場でのタタタッ”
という足の踏み換えで良いからね。
ホールドした手を使ってもOK、
少しスピードを上げて回ってね」
みんなスタンディング・スピン
(その場でまわること)
の要領で回転を始めている。
と、しばらくして
「キャッ」という悲鳴が。
カナちゃんだ。
一緒に組んでいた坂田さんが
「ご、ごめんね」と謝っている。
「できるだけ早く回ろうとして、
引っ張ってしまいました」
「大丈夫ですよ。
思いがけず、スピードがついたから・・・
遠心力が働いたのね」
とカナちゃん、笑っている。
「では、次、
同じような要領で左回転をしてみてね。
サァ、どうなるかしら?」
と、すぐに
「ワーッ」
今度は千恵子さんが声を出した。
「これは、難しいです。
さっき(右回りのとき)と同じようにやると
相手を押し倒してしまいそうになります」
相手の森田さんは、
千恵子さんに謝りつつ、ソウ言った。
そして、
「右回りのときは、
自分のボディを右回転させながら、
ホールドしている右手を使って軽く相手を引きこみ、
左手で押す・・・そうすると割とうまく回ったのですが。
左回りの時は、右ホールドで押しながら、
左手を引っ張っていくように・・・としたら、
女性がコケそうになってしまいました」
と、続けた。
「そうね。
相手と右にズレて組んでいる分、
右回転は、比較的やりやすいわね。
男性の右ホールドで女性を誘うことも可能。
つまり、直接相手に対して回転を仕掛けても、
無理な遠心力を働かさないように注意してやれば、
それほどイヤがられない。
でも、左回転は、ソウは行かないわね。
例えば、男性が少しでも、
ホールドを使って直接的に回そうとしたら、
女性は左にバランスを取られてしまう・・・」
「アァッ、これってよくありますよね。
リバースターンで
ダンゴ状態になってしまうこともありますもの」
紀子さんがそう言うと、
「後退する女性が、
勝手にグッと左回転を起こすと、
男性まで急激に
左に巻き込まれるから非常にやりにくいんだよな」
佐藤さんが言うと、
「そうそう、
ダブルリバーススピンで女性がヒールターンするときも、
グィッて左回転をかけすぎて
男性から外れるやら引っ張るやらの女性がいますわな、
うちの家内ですけど・・・」
平田さんも一緒になって言い出すと、
「アラ、ソレは、
男性がドンと突っ込んでくる人が多いから、
そうなっちゃうのよねぇ」
ハナコさんが言い返す。
ジュンコ先生は笑って聞いていたが、
「色々問題が出てきたわね(笑)
まとめると、左回転に関しては、
こういうことが要注意のようね」
そういいながら、白板にコウ書いた。
※要注意
左回転は
相手に対して直接的に
そして
カラダの外側で
回転を生むと上手くいかない
「理由はもうお分かりのように、
お互い右にズレて位置しているから。
では、どうやったら良いのかってことなんだけれど、
単純に“要注意”の反対・・・を考えてみると」
左回転は
相手に対して間接的に
そして
カラダの内側で
回転を生むと上手くいく
「試してみましょうか?
さっきと同じように
軽くホールドをして左回転やってみましょう。
ただし、カラダの中、
みぞおち辺りの奥のほうで、
キュッキュッと回転を起こして欲しいの」
「先生、その辺りって、
大腰筋の付け根ですよね!」
トシ子さんが聞くと、
「実はそうなのよ。
さぁ、手で押し倒したり、引っ張ったり全くせずに、
うまく回転できるかな?」
インナーマッスルが鍛えられつつある和夫と真理は、
「あ~ホントだ!
二人の位置関係が狂わないで、
ちゃんと回転できます!」
要領の分かったカップルは、
やりやすそうに回転している。
「実はこれはね、
何も左回転(リバース回転)にだけ
限ったことではないのよ。
ソウ、右回転(ナチュラル回転)も同じなの。
カラダの内側から回転を起こすと、
その波状運動が筋肉を伝わって
外側の筋肉も回転を起こし、
またその延長としてホールドも回転に参加する。
すると
求心力(カラダの中に引き込む力)
からくる遠心力を利用できるわ。
これだと相手を吹っ飛ばすことはないしね・・・」
みんなうなずきながら聞いているが、
実際の感覚はよく分かっていないようだ。
「さて、問題なのは、
カラダの内側から回転を起こすという実感なんだけれど、
ココで注意して欲しいことがあるのよ。
ソウでないと、
相手を引っ張ったり、押したりしていない
“つもり”で終わっちゃうからね」
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