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巻頭コラム

「ダンス姿勢」について考える 

NO.5


“仙骨と頭の関係”から見る姿勢の良さ
~後編~


直立二足歩行への進化の過程で、
重い頭部を機能的に支えるためにできた
背骨の“生理湾曲”
そして背骨下部の肥大化現象としての仙骨の出現
さらに、仙骨と頭部は皿回しの関係で、
仙骨が皿の回し手であり、
頭の中の“蝶(ちょう)を操っている”
って話だったね。(第203話参照)
で、頭の中の“蝶”って一体何だろう…???
「ひらひらアゲハ蝶が頭の中を舞っているんだ」
ですって!?ウソウソ。

実はこの蝶、ホネなんだ。
その名も

蝶形骨=ちょうけいこつ 

頭蓋骨の中にある、蝶の形をした骨。
本当に可愛らしい“てふてふ”の形をしているんだよ。
(蛾=ガに似ているという人もいるが) 

その位置は・・・というと、外から見て
正面=鼻の奥で眉間から両目にかけて
側面=コメカミの少し下、頬骨(ほおぼね)の少し上

でももちろん、頭骸骨の中にあるんだから
実際に外から見ることはできない。
ってことで、チョイグロだけど想像してみて
眉間とコメカミを結んだあたりで、
頭蓋骨をスパッと横に割って、
頭頂のふたをカポっと外す。
そうしたら、蝶形骨の上に脳みそが乗ってる。
・・・そんな感じで存在しているんだ。
このように、上(頭のてっぺん)から見ても、
今度は縦に割って、
前(顔の正面)から見ても、
後ろ(後頭部)から見ても、
蝶が翅(はね)を広げた形に見える面白い骨なんだよ。

そういえば、
頭痛がしたり、目が疲れたりした時、
コメカミ辺りをグリグリってもんだりしない?
それって、無意識的に
蝶形骨を外から触れることで調整しようとしている、
アクションなんだって!
さっきも書いたようにこの骨の上には脳みそ、
特に、
“脳下垂体”という重要な部位が乗っかっているし、
またこの骨の隙間には、
視神経や血管がいっぱい通っている。
だから「あ~疲れた」って時、
この骨の動きをもっと良くするために
“調整”してあげれば良いって事を、
カラダはちゃんと知っている。
・・・だからモミたくなるんですねぇ!

さて、ココで気がついた方はいたかな?
「この骨の動きをもっと良くするための調整」
ってことは、ソウなんです!
蝶形骨は、常に動いているんです! 
つまり振動している
しかも、アノ仙骨と同じ
“生命バイブレーション”(第203話)
もうお分かりですね。
仙骨と蝶形骨は、

「皿回しをする曲芸師の手=仙骨」



「皿=蝶形骨」の関係

なのです!!
ご存知のように、
皿回しは、細長い棒の下を手で持ち、
上に皿を乗せ、曲芸師が発する細やかな振動を、
棒を通してさらに伝え振動を受けた皿は、
落ちずに回転を続けるという仕組み。
曲芸師の手は回転しているのではなく、
ただ小刻みに震えているだけなのに、
皿は上手く回転を続ける・・・。
これと同じように、
仙骨から送られるバイブレーションが正確であれば、
蝶形骨のバイブレーションも健全で
安定していられるという話しなのでアリます。

さぁいよいよココからが、

ダンサー諸君必読!!

ダンス姿勢において、
頭部のバランスってすごく大事
(第203話)
ってことだから、
早い話 この「仙骨―蝶形骨皿回し」
が上手くいっているときが、
つまりは“良いダンス姿勢”なわけなんだけど
ソノ感じを知るために、
蝶形骨の位置をもう一度思い出してみるよ。
そう、

正面=鼻の奥で眉間から両目にかけて

側面=コメカミの少し下、頬骨(ほおぼね)の少し上

だったね。
で次に、その蝶形骨辺りを
自分でジックリ意識してみてほしいんだ。
どんな感じがするだろうか? 
ね、なんだか気分が落ち着いてこない?
目の力が抜けて、楽になってこない?

例えば
「頭の位置をもっと上げて」
「頭は上から吊られたように・・・」

ダンス姿勢を作るときに、
こんなアドバイスをよく受けると思うんだ。
その意識自体は悪くはないが、
ソレだけだと、
高さのイメージにキリがないんだよな。
で、とんでもなく高い地点から
吊られたイメージを持ったは良いが、
重心が一緒に上がってしまって、
上ずってしまって踊りにくい。
・・・なんてこともありうる。
だから、

上に伸びたいのならば

同時に蓋(ふた)感覚も必要


なんだということを覚えておいて欲しい。
で、ソノ(ふたの)役目を果たしてくれるのが、
蝶形骨なんだ。
そういえば、
「視線はもっとまっすぐ」とか
(天井が高い・広い会場で舞い上がらないように)
「あごを引いて」とか
「後ろ頭を感じて」とか
って言うアドバイスは、言い換えれば
「蝶形骨の位置(高さ)を感じて」
ということにつながるモンでもあったんだな。

では蝶形骨を調整し、
自分の高さ&頭の置き場の感覚を知るには、
どうしたらいいかを教えよう。
そっと両手の人差し指をコメカミ辺りに当てて
静かに呼吸してみる。
(デリケートな骨だから、優しくがベスト。
強くグリグリは禁物だよ!)
上手くいけば、
僅かずつ動いている
蝶形骨を感じることができるだろうし、
何より、視線が安定し、
良いバランスを取り戻すことができるだろう。
次に、仙骨部位をイメージして、
ソコからバイブレーションが
発信されている感じを想像するんだ。
どう? 良い感じになったかな?

そして、最終的には、
正しく納まった仙骨から
正確なバイブレーションが発信され
正常な湾曲のある脊柱(せきちゅう)と伝わり、
蝶形骨へとキャッチされる
・・・の関係が良好であれば、
ダンス姿勢はだんだん決まってくる、
これを期待しよう。
ではお約束。
この次のコラムで
「仙骨―蝶形骨皿回し」エクササイズを紹介するね!



      続く 第205話へ



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