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ジュンコ先生と、
男性のホールドに急成長の進化を遂げたQさん
の対談が続いている。
今回のテーマは、「手・腕のリキミ」


「先生は常に
『手・腕のリキミを取りなさい』
ってアドバイスされますよね。
だから、ホールドのときもすごく気をつけているし、
力を入れているつもりは全然ない。
それなのに、先生に組んでいただいたら
『Qさん、もっとホールドの力、抜いてごらん?』
って言われますでしょ?
『もっと、ですか?』と聞くと、
ニコッとして当然のように『エエ』(笑)
でも、そう言われてみると、
まだチカラの抜く余地があることがわかって
・・・の繰り返しですよね。
確かにリキミが取れるたびに踊りやすくなるし、
相手からの情報が入ってきたり、
エネルギーを流したり・・みたいな感じもつかめてきて、
自分でも少しずつ上達していっているのが
わかるまでになりましたが・・・
チョット質問、いいですか? 
先生はどうしてそこまで
“リキミ取り”を徹底されるのでしょう、
何か特別な理由があるのですか?」



「ええ、あるわ(笑)
リキミを取ったほうがいいのは何も手・腕だけではなく、
全身だけれどね。

“無駄な筋肉の緊張をとる”

コレをするだけでダンスは大きく変わる!
という信念に基づいているのよ。
このことは、自分自身の体験と
多くの生徒さんのレッスンを通して学んだもの。
でも、“信念”とまで思えるようになれたのは、
ある身体操作に関する本の一節を読んだのがきっかけね。
そこには、

『人間のカラダは

最高にほぐれた状態でさえいれば

自然の原理にあった

良い動きができるように作られている』


といった内容のことが書かれてあったの」



「へぇ~ 先生はそのことを信じられたんですね」



「信じたというより、
ズーッとソウなんだろうなと思っていたことが、
ボンと言葉として表現されていたって感じかな。
実際『ダンス、伸び悩んでいます』
って多くの生徒さんに対し、

リキミを排除するレッスンをしたら

急激に良くなる


癖のないナチュラルな運動に
カラダが目覚めてくるという感じかしら・・・。
もうそれは劇的に変わる!
そういうレッスン体験をたくさんしたからね。
特に、
スタンダード種目はホールドのリキミを取ることだけで、
本当にみるみる変わるわ」



「あ、それ私ですよね。
私の場合、意識の持ち方を変えただけだったので、
本当に一瞬で変わりました(笑)
“ひじを張るのヤーメタ”ソレだけですもんね。
そのホールドが成功したことで、大げさじゃなく、
“男性のホールドとはコウあるべき”みたいな前提条件が
私の中で変化しちゃったように思うんです。
いくらホールドの力を抜くといっても、
最低限のカタチは必要だろう、
ソレは当たり前と思っていたのに
『あ、それもいらないんだ』(笑)
ホールドってココまでチカラを抜いても大丈夫、
というより、ココまでリキミを取って初めて
“機能”するものなんだって知りました」 



「いい体験だったわね。
Qさんは、ダンスを教授する者にとって、
まぁ、コレは先生ではなくても、
真にダンスがうまくなっていきたい人にとって、
最も大切な“プロセス”に挑んで成功したわけね」



「真に

ダンスがうまくなるために

最も大切なプロセス
・・・ですか?」



「そう、そのプロセスとは

“パラダイム転換”といわれるものよ。

Qさんは今回、
ホールドにおいての“パラダイム転換”ができたの。
“パラダイム転換”は、
真にダンスが上達していくためのキーなのよ」



「パラダイム・・・? 
あのぉ、聞いたことありませんが」



「パラダイムってね “モデル・パターン”
“既成概念”(きせいがいねん)の意味よ。
“ソレはそんなモンや”って決め付けて物事を見ている、
いわば “ものの見方”のコトね。
Qさんが
『ホールドとはカタチを作るものだ』
ソレは当たり前であって、
その部分だけは変わらないと思っていた、
ソレがパラダイムよ。
人はそのパラダイムについて考える余地などなく、
そのパラダイムに基づいて考えている・・・」



「あ、わかりました、ソウです。
手や腕の力を抜くといっても、
ホールドというか
カタチを持った中でのことだと思っていました。
そのカタチ自体を壊すなんて考えてもいませんでした。
カタチを作ることは
ホールドの大前提だと思っていましたから」



「その大前提自体が変わってしまうことを

“パラダイム転換”というのよ」



「へぇ~、ではそのパラダイム転換が
“真のダンス上達へのキー”と言う意味を
もっと詳しく教えてもらえますか?」



「ええ、いいわよ。
パラダイムとは頭の中にある、
自分専用の『地図』みたいなもの。
この地図から自分なりの常識を生み出して、
取るべき行動や態度、考え方の規範にしているのね。
ダンスをする人は年月が経ったり、
上級者になればなるほど、
それぞれ『コウやったら自分はうまく踊れるだろう』
という『地図』を持っていることが多いわ。
ダンス全体的にも一つひとつのテクニックに対しても・・」



「そう言えばそうですね。
私も自分なりに一応は持っていますものね」



「そうね。
『地図』を持つことは悪いことではないの。
その人のダンスを生み出す大いなる基準なわけだから、
むしろ必要なことなのよ。
ただし、ココからが大切なんだけれど、
ダンスの成長のためには、
今手持ちの地図があったとしても、
ソレをさらに新たな目で見直して、
もっと精巧な正しい地図に
ドンドン書き換えていく必要があるのよ。
どんなレベルの人でもひとつの成長がある点にまで達し
“飽和状態”を迎えた段階で
さらにもっと上に伸びていくためには
パラダイム転換が必要なの。
今回のQさんのようにね。 

同じテクニックでも見方が変われば、

また、世界が変わる
ものよね。

特に“ホールド”はダンスの超初級の頃に習うテクニック。
でも、ダンス人生を送っている間中、
できれば“パラダイム転換”
し続けることが望ましいテクニック
でもあるわ。


ただ、相手の背中に触れて、手を握って・・・
というレベルからスタートして
インナーマッスルを通して
ホールドと足元・ステップがつながっていることを感じ、
ホールドは腕だけで作るものではなく、
ボディの中から作っていく感触を覚えていき
また、ホールドを通し、
相手と深いコミュニケーションをとっていることを知り、
お互い、ホールドを通してのエネルギー交換に目覚める



・・・と、パラダイム転換し続けるたびに、
もっともっと柔らかく、
ナチュラルで、
美しいホールドに生まれ変わっていくのが理想。

ホールドの進化に際限なし!

だからね」



「私にも
もっと良いホールドができるようになるってことですね。
パラダイム転換し続けることができたら」



「そうよ。
Qさんの後に続くQさんの生徒さんのためにも、
これからも進化し続けていきましょう、お互いにね」



      続く 第172話へ



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