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巻頭コラム

「ダンス姿勢」について考える 

NO.3


肩甲骨を支えるインナーマッスルたち 
~後編~


さてさて、ローテーター・カフ=

“小さな巨人的ダンサー筋肉”(第167話)

の詳しい紹介がまだだったよね。

では、チョットここで腕をグルグル回してみて。
引っかかりなく360度、スムーズに回ったかな?
・・・なんてことができるのは、
肩関節が“球関節(きゅうかんせつ)”だから。
人体にある関節の中で一番可動範囲が広いものなんだ。

肩関節は、
上腕骨と肩甲骨の接触部になるわけだけれど、
上腕骨の先ッポは丸くなっていて、
ソコが、
肩甲骨の受け皿みたいな部分(関節窩=かんせつか)に、
カポッってはまっているシンプルな構造。
コレを“ボール&ソケット状態”というんだ。
でも、実は、はまっていると言う割には、
スゴク不安定な感じにさらされてもいる。
腕の動きの自由性を最大に引き出すために、
受け皿が浅い作りになっているんだな。
だからなにかと故障しやすく
(40肩・50肩の原因といわれている。
ダンスのときに肩を痛めるのも、
どうもこの辺にあるようで・・・ご用心!)
またソケットからボールが外れやすい
(いわゆる脱臼だね)。
・・・ということで、

ローテーター・カフの登場だ!

ローテーター・カフと呼ばれる
4つの小さなインナーマッスルが、
肩の動きの微調整を行い
また肩がはずれないように
ボールをソケットに押さえつける
という重要な役割をしているんだ。
つまりは、肩の動きに常に

“求心的”

=中心にひきつけようとすること”に働き、

“肩関節の安定&安全”

を担ってくれていると言うわけ。
まぁ、言うなれば “肩の下着”のようなものかな。
手・腕をヨーク使うダンサーにとっては、
とっても大切な筋肉だよね。

で、下着をきっちり着ているから、
“上着”も着こなせる
・・・上着とは三角筋、広背筋、
大胸筋などの体の外側にある筋肉、
いわゆるアウターマッスルと呼ばれているもの。
肩の関節運動は、
これらのインナーマッスルとアウターマッスルという、
求心性の筋肉と遠心性の筋肉が同時に
バランスを保ちながら運動しているんだ。

ダンスの話で言うならば、
大胆なアーム・アクション
ワイド&エレガントなホールドも、
両筋肉が仲良く使われてこそ・・・と言えるんだな。
そして“ダンス姿勢”
アウターマッスルと4つのインナーマッスルが

バランスよく引っ張り合う

ことで、

肩甲骨が適正な位置が保たれ

作り出されていくんだよ。
先に紹介した姿勢矯正下着(第166話)の構造が、
まさにソウなっている。
着用すれば、肩のインナーマッスル
=ローテーター・カフの強化にもなるって、
宣伝されているのだが・・・
あらら、じゃ、ローテーター・カフを鍛えなきゃ、
キレイなダンス姿勢になれないじゃないの!?

と、あわてなくても実は大丈夫なんです。
ナゼって、

正しくダンスを踊ること自体

もうすでに、

ローテーター・カフ強化訓練

になっているのですから!!
なぜならね、
ローテーター・カフは非常にデリケートな筋肉で、
しかも深層部にある筋肉だから鍛えにくいんだ。
鍛えるにしても、

ユックリと丁寧に

負荷をできるだけかけずに行う


ことがとっても大切。
ということは、ダンスを踊る際の、
柔らかなアームアクション、
リキミのないホールド・・
特に腕のスイング運動なんかが
とってもGOODなんだ。
ただ、

・無理に肩甲骨を寄せたような姿勢、
・固めたホールド、
・きついコネクション
は、

ローテーター・カフには厳禁!!

アウターマッスルだけを鍛えることも、
インナーマッスルとのバランスが取れなくなっちゃうため、
解剖学的に見てもNGってこと。

ってコトは、

正しいダンスが

良い姿勢を作っていく!!


と、肝に銘じ「姿勢悪いネン」とお悩みな方ほど、
無理なガンバリだけで、
“見た目だけの姿勢”を作らず
・・・をオススメいたしますしだいであります。

でもって、皆様にお約束。
次回の「ダンス姿勢」について考えるコラムのとき
ローテーター・カフを安全に鍛える
エクササイズをご紹介いたしますので、
そのときまで、あなたの“肩” どうぞご自愛を。
ダンスの中で少しずつ“強化”なさっていてくださいね。

※肩甲骨の適正位置に関するお話、
エクササイズ(第152話)をご参照ください。



      続く 第169話へ



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