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ジュンコ先生とQさんの対談が続いている。
話は、ラテンのハンド・コネクションについて。
コネクションに“選択の幅”
を持つ必要があると先生は言うが、
それはどういうことなのか?
先「コネクションは、強いからイイ、
弱いからダメというものではなく、
もちろんその反対でもない。
強くても弱くても、しっかりでも微弱でも、
その時々にあわせて一番
ちょうどいい強さを
選び出せていたならばOK
だってことなの。
そして、選ぶってからには、
選択の幅は広いほうがそりゃ良いわけよ。
音楽の強弱記号に例えて言うならね、
pp(ピアニッシモ)ってわかるかしら?」
Q「はい、確か“とても弱い”という意味ですよね」
先「そう。その反対の“とても強い”
ff(フォルティッシモ)までの幅を持ち、
相手・状況に合わせて使い分けるようになれれば上級者!
もっと細やかに
PPよりもさらに弱い
ppp(ピアノピアニッシモ)という世界、
FFよりもさらに強い
fff(フォルテフォルティッシモ)という世界までを、
行き来できるようになれば名人級!
・・これこそが
“変化力”のある優れた筋肉のなせる技ね」
Q「なんだかすごい話のようですが、
pppの弱小のコネクション、
fffの最強のコネクションって言われても、
正直ピンとこないのは、
たぶん未体験だからでしょうね。
・・あの、質問ですが、
ジュンコ先生がロンドンでレッスンを受けたコーチャーは、
結構しっかり目のコネクションだったようですが、
その方たちはやっぱり、
微弱なコネクションもできるんでしょうか?」
先「ええ、もちろんよ!
第一、彼らの手はものすごく繊細よ。
“スパゲティ”みたいに
弱いコネクションはダメといったゲイナーでさえも(第138話)
『指先は、ピアノを弾くように』と言いながら手を絡ませてくる。
手、そのものは柔らかく、シットリとしていて、
どちらかといえば華奢な感じ。
でも、ソコにエネルギーが流れれば、ズバッと変化する。
ということは、もうお分かりだと思うけれど、
コネクションの強い、弱いは、
手・腕そのものの強さ・弱さではなく、
手・腕の中を流れるエネルギーの話なの」
Q「そういえば筋肉の役割で、
“エネルギーの強さを調整し、増幅も可能”
ってありましたものね(第121話)
だってゲイナーなんて、世界チャンピオンでしょ?
当然、とてつもなく優れた筋肉の持ち主だろうし、
床からもらった反作用のエネルギーを
ソレコソ自由自在に変化させて、
そのときにもっともふさわしい強さとして、
手・腕に伝達できるんでしょうね。
すごいナァ~」
先「ホント、そうね。
コーチャーのコネクションが強かったのは、
競技スタイルのレッスンだから。
競技は魅せるもの
・・・それにはストロングなエネルギーが必要よ。
その強いエネルギーを通す“腕・手”も必然、
しっかりしたものになるから、
結果、コネクションはきつくなるわけよ。
そのときの強さ加減はff~fffかな」
Q「競技選手が、ppやpppは弱すぎますものね」
先「イエイエ、競技においてもppやpppのエネルギーは必要よ。
強いエネルギーばかりだと、
表現にも変化がないでしょ?
いわゆる“メリ・ハリ”が必要なの。
上位の選手ほど、ppp~fffのエネルギーの幅を持っている。
そしてそれをうまくコントロールしながら踊っているわ」
Q「言われてみれば、そうですよね。
強い表現ばかりだと見ていて飽きてくるし、
弱いばかりだと競技にならないし・・・。
じゃぁ、競技ではなくて、一般のパーティなんかのときは、
どのくらいのエネルギーがふさわしいのかしら?」
先「あなたはいつもどうしているの?
どのくらいのエネルギー量かしら?」
Q「エー私ですか?そうですねぇ。
誰にでもあうように、mp(メゾピアノ=やや弱く)かな?
それとmf(メゾフォルテ=やや強く)の間を
行ったり来たりという感じでしょうか・・」
先「コネクションをもった最初は?
つまり踊りはじめはどうしているの?」
Q「え?…どのくらいのエネルギーで
踊ろうかなんて考えたことありません」
先「じゃぁ、考えてみて(笑)
分かりやすいように、fffかしら?」
Q「そんなぁ、
競技みたいに、
いきなり高エネルギーで踊り出すわけじゃないから、
そんなテンションを持っても仕方ないでしょうね。
わぁ、どれだろう・・・?
ア、
相手のことを知るために、
最も繊細にならなきゃいけないときだから、
きっと最も弱いpppですね!」
先「正解!踊り始めというのは、
“会話”で言うなれば、
『はじめまして』または『お久しぶり!』
『こんにちは、ご機嫌いかが?』って時よね。
次にそのお相手とどんな話を展開していけば
ともに楽しく話が続けられるか、
つまり、お互いどんな“ダンスエネルギー”で
かかわっていけば良いか判断していくために
いろいろ情報を仕入れないといけない時だと思うの。
まずはだから、答えはppp。
ここで力む人がとっても多いから、
もう一個pを増やしてppppにしてもいいくらいよ。
ナンテ読むのかも知れないけど(笑)」
Q「でも、競技をされている方は、
パーティダンスのときでも、
最初から強いテンションを欲しがる方が多いんですけど、
自分のリーダーやパートナーに求めているような・・・」
先「ウーン、それが、
強いテンションがないと踊れない、
または、踊った気がしないというなら問題ね。
強いも弱いも幅広く対応できるようになっておかないと、
良い会話をできる相手が限られてくるわよ。
ソウ、会話に置き換えると分かりやすいのよ。
会ったばっかりなのに、
自分の話したい話題を押し付けてこられても困るじゃない?
お互いの話が活発化して、
いいコミュニケーションをとるためには、
どんな話題について、どのくらい掘り下げて話ましょうか
・・・をズーッと感じあいながら、踊るものだと思うのね。
そういうときの
コネクションは
微調整の繰り返しのはずよ。
微調整という意味では、
意味もなくフニャフニャの手にもならないでしょうね。
もしそうなら手にエネルギーが伝達されていない証拠だから」
Q「そうなんです!
難しいのは、手へのエネルギーの伝達なんです!
先ほどからの先生のお話を聞いていると、
良いコネクションかどうかは
“強い弱いにかかわらず、“質”で決まると、
おっしゃっているように感じるのですが。
つまり
正しい伝達経路を通ってきた
良質のエネルギーで
コネクションできているのか
というような・・・」
先「そのとおりね。
良い質のコネクションは、
強くても弱くても心地良いわ」
Q「ということは、
“カラダの中”が問題なんですよね、きっと。
わたしたちがコネクションをやろうとしても、
どうしても“ウワベ”だけのものになっちゃうんですもの。
床からのエネルギーがカラダの中でどのように変化し、
結果、良いコネクションとして現れるのか、
その伝達の仕方なりをもう少し詳しく知りたいのですが・・・」
次回へ続く・・・
続く 第140話へ
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ジュンコ先生とQさんの対談が続いている。
話は、ラテンのハンド・コネクションについて。
コネクションに“選択の幅”
を持つ必要があると先生は言うが、
それはどういうことなのか?
先「コネクションは、強いからイイ、
弱いからダメというものではなく、
もちろんその反対でもない。
強くても弱くても、しっかりでも微弱でも、
その時々にあわせて一番
ちょうどいい強さを
選び出せていたならばOK
だってことなの。
そして、選ぶってからには、
選択の幅は広いほうがそりゃ良いわけよ。
音楽の強弱記号に例えて言うならね、
pp(ピアニッシモ)ってわかるかしら?」
Q「はい、確か“とても弱い”という意味ですよね」
先「そう。その反対の“とても強い”
ff(フォルティッシモ)までの幅を持ち、
相手・状況に合わせて使い分けるようになれれば上級者!
もっと細やかに
PPよりもさらに弱い
ppp(ピアノピアニッシモ)という世界、
FFよりもさらに強い
fff(フォルテフォルティッシモ)という世界までを、
行き来できるようになれば名人級!
・・これこそが
“変化力”のある優れた筋肉のなせる技ね」
Q「なんだかすごい話のようですが、
pppの弱小のコネクション、
fffの最強のコネクションって言われても、
正直ピンとこないのは、
たぶん未体験だからでしょうね。
・・あの、質問ですが、
ジュンコ先生がロンドンでレッスンを受けたコーチャーは、
結構しっかり目のコネクションだったようですが、
その方たちはやっぱり、
微弱なコネクションもできるんでしょうか?」
先「ええ、もちろんよ!
第一、彼らの手はものすごく繊細よ。
“スパゲティ”みたいに
弱いコネクションはダメといったゲイナーでさえも(第138話)
『指先は、ピアノを弾くように』と言いながら手を絡ませてくる。
手、そのものは柔らかく、シットリとしていて、
どちらかといえば華奢な感じ。
でも、ソコにエネルギーが流れれば、ズバッと変化する。
ということは、もうお分かりだと思うけれど、
コネクションの強い、弱いは、
手・腕そのものの強さ・弱さではなく、
手・腕の中を流れるエネルギーの話なの」
Q「そういえば筋肉の役割で、
“エネルギーの強さを調整し、増幅も可能”
ってありましたものね(第121話)
だってゲイナーなんて、世界チャンピオンでしょ?
当然、とてつもなく優れた筋肉の持ち主だろうし、
床からもらった反作用のエネルギーを
ソレコソ自由自在に変化させて、
そのときにもっともふさわしい強さとして、
手・腕に伝達できるんでしょうね。
すごいナァ~」
先「ホント、そうね。
コーチャーのコネクションが強かったのは、
競技スタイルのレッスンだから。
競技は魅せるもの
・・・それにはストロングなエネルギーが必要よ。
その強いエネルギーを通す“腕・手”も必然、
しっかりしたものになるから、
結果、コネクションはきつくなるわけよ。
そのときの強さ加減はff~fffかな」
Q「競技選手が、ppやpppは弱すぎますものね」
先「イエイエ、競技においてもppやpppのエネルギーは必要よ。
強いエネルギーばかりだと、
表現にも変化がないでしょ?
いわゆる“メリ・ハリ”が必要なの。
上位の選手ほど、ppp~fffのエネルギーの幅を持っている。
そしてそれをうまくコントロールしながら踊っているわ」
Q「言われてみれば、そうですよね。
強い表現ばかりだと見ていて飽きてくるし、
弱いばかりだと競技にならないし・・・。
じゃぁ、競技ではなくて、一般のパーティなんかのときは、
どのくらいのエネルギーがふさわしいのかしら?」
先「あなたはいつもどうしているの?
どのくらいのエネルギー量かしら?」
Q「エー私ですか?そうですねぇ。
誰にでもあうように、mp(メゾピアノ=やや弱く)かな?
それとmf(メゾフォルテ=やや強く)の間を
行ったり来たりという感じでしょうか・・」
先「コネクションをもった最初は?
つまり踊りはじめはどうしているの?」
Q「え?…どのくらいのエネルギーで
踊ろうかなんて考えたことありません」
先「じゃぁ、考えてみて(笑)
分かりやすいように、fffかしら?」
Q「そんなぁ、
競技みたいに、
いきなり高エネルギーで踊り出すわけじゃないから、
そんなテンションを持っても仕方ないでしょうね。
わぁ、どれだろう・・・?
ア、
相手のことを知るために、
最も繊細にならなきゃいけないときだから、
きっと最も弱いpppですね!」
先「正解!踊り始めというのは、
“会話”で言うなれば、
『はじめまして』または『お久しぶり!』
『こんにちは、ご機嫌いかが?』って時よね。
次にそのお相手とどんな話を展開していけば
ともに楽しく話が続けられるか、
つまり、お互いどんな“ダンスエネルギー”で
かかわっていけば良いか判断していくために
いろいろ情報を仕入れないといけない時だと思うの。
まずはだから、答えはppp。
ここで力む人がとっても多いから、
もう一個pを増やしてppppにしてもいいくらいよ。
ナンテ読むのかも知れないけど(笑)」
Q「でも、競技をされている方は、
パーティダンスのときでも、
最初から強いテンションを欲しがる方が多いんですけど、
自分のリーダーやパートナーに求めているような・・・」
先「ウーン、それが、
強いテンションがないと踊れない、
または、踊った気がしないというなら問題ね。
強いも弱いも幅広く対応できるようになっておかないと、
良い会話をできる相手が限られてくるわよ。
ソウ、会話に置き換えると分かりやすいのよ。
会ったばっかりなのに、
自分の話したい話題を押し付けてこられても困るじゃない?
お互いの話が活発化して、
いいコミュニケーションをとるためには、
どんな話題について、どのくらい掘り下げて話ましょうか
・・・をズーッと感じあいながら、踊るものだと思うのね。
そういうときの
コネクションは
微調整の繰り返しのはずよ。
微調整という意味では、
意味もなくフニャフニャの手にもならないでしょうね。
もしそうなら手にエネルギーが伝達されていない証拠だから」
Q「そうなんです!
難しいのは、手へのエネルギーの伝達なんです!
先ほどからの先生のお話を聞いていると、
良いコネクションかどうかは
“強い弱いにかかわらず、“質”で決まると、
おっしゃっているように感じるのですが。
つまり
正しい伝達経路を通ってきた
良質のエネルギーで
コネクションできているのか
というような・・・」
先「そのとおりね。
良い質のコネクションは、
強くても弱くても心地良いわ」
Q「ということは、
“カラダの中”が問題なんですよね、きっと。
わたしたちがコネクションをやろうとしても、
どうしても“ウワベ”だけのものになっちゃうんですもの。
床からのエネルギーがカラダの中でどのように変化し、
結果、良いコネクションとして現れるのか、
その伝達の仕方なりをもう少し詳しく知りたいのですが・・・」
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