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「ジルバって“クィック・クィック”のところで
足を引くことは当然だと思っていたから、
そんなところにまで
リード&フォローがあるとは思っていなかったナァ」

和夫は真理と組んで、
“ベーシック・イン・プレース”をしながら、時折、
“ベーシック・イン・フォールアウェイ”を試みている。

「それに、

足をそろえようとする人の

バランスを崩すことで後退させる


って考えも、面白いナァ」


と、ここで和夫は真理に聞いてみた。


「そろえるか、後退するか
・・・僕のリード分かる?」



「ええ、最初はハッキリしなかったけど、
だんだん分かるようになってきたわ。
たぶん両手を使ってくれるようになってから・・・」




「両手?お、真理ちゃんよく感じ取ったナァ。
はじめ“フォールアウェイ”での
バランスの崩させ方の要領が分からなくって、
左手で軽く押していただけだったんだ。
でも、途中から、右手にも意識を持って、
女性の背中を動かすようにしてみたんだ」



「ソウなのね!
でも、不思議と手だけでリードされてイヤって
感じじゃないのはなぜかしら?」



「そりゃぁそうさ
インナーマッスルと連動させて、
カラダの中からリード
しているからね(笑)」



「まぁ、すごい(笑)
でも、コレ、そろえるか、後退するか、
1回1回リード&フォローをしないといけないなんて、
はじめは大変じゃない!って思ったけど、
やってみれば、こっちのほうが楽しいわね。
それに、しっかり感じなきゃ分からないから、
感受能力が上がりそう!」



それは、和夫も同感だった。
「1回1回のリード&フォロー、
これは面倒なことでは全然なく、
こういう地道な練習こそが、
高感度センサーを磨くコツ
なんだろうな・・・。
どのくらいのタイミングで、どういうリードをしたら、
女性が足をそろえるか、または、後退させるかが、
なんとなく“手ごたえ”で分かってきたもんな。
この“なんとなく”がそのうち“ハッキリと”になって、
真理ちゃん以外の人にも、応用が利くようにもなって
・・・あ、それに・・・」


和夫は面白いことに気がついた。


「ねぇ、真理ちゃん、

ワルツの“フォールアウェイ・リバース”

って足型知ってる?」



「うん。あの難しい、全然うまくいかないヤツ・・・。
あ、そういえば、名前、一緒ね。
今やっている、ジルバの“フォールアウェイ”と」



「ソウなんだ。フォールアウェイって
“PPポジションのままバックする”意味だっただろ?
その部分の運動は同じさ。
ジルバの“ベーシック・イン・フォールアウェイ”の
リードの感じがつかめてきたから、
ひょっとしたらできるかもしれないなって思って」



「わ!そうなの?すごい! 
でも、ジルバとワルツ、
種目としては全然違うのに・・・」



「うん、だけど、
インナーマッスルの使い方なんかには
絶対共通点がある
はずなんだ。
女性を“PPポジションのままバックさせる”
手加減みたいなものが分かってきたから、応用してみるよ」




「さぁ、では次に、男性は女性を送り出すわよ。

チェンジ・オブ・プレース・ライト・トゥ・レフト

名前は難しいけれど、
女性が右に回転して場所を移動するポピュラーなステップね。
ベーシックを何回かやった後、
コンタクト・アームに焦点を当ててやってみましょうか・・・」




みんな、やりなれているステップだけに
難なくこなしているように見えるが・・・



「まず、男性からね。
どんなふうにコンタクト・アームを使っているかしら?
・・坂田さん」



「エ~ト、左手を上げてます」



「右手は?」



「女性の背中を押している・・・かなぁ。
すいません、あんまり意識できていません。
アッという間なんで」



「OK。ソウね、
本当に一瞬のことなんだけど、
上級になればなるほどに、
たくさんの感覚を捉えながら踊っているものよ。
今、坂田さんが言ってくれた
“左手を上げる・右手で女性の背中を押す”

これは、残念ながら超初級編のテクニックね。

ここで成長がストップしている人が意外に多いのよ。

次、

初級編
“左手と右手を連動させる”
つまり、左手を上げる動作と、
右手で女性を繰り出す動作につながりを持たせることができる。

中級編
“手だけを使わず、
インナーマッスルと連動させる”
“気持ちのテクニックを使う”(第105話)
手は、重力を感じながら最小限上げるのみ。
女性の背中もただ“押す”のではなく、
『さぁ、どうぞ』と言葉をかける感じで、
カラダの中から送り出す感じにできる。

上級編
直接触れている
“左手の繊細な使い方ができる”
コレは、ぜひできるようになって欲しいテクニックよ。
具体的には、握っている手の小指側を開ける。
ソウすると合わせていた手首側の縁も口を開ける感じになり、


女性と握り合った手の中に

閉じ込めていたエネルギーが

外に解放される



そのエネルギーが先に出て行く感じになり、
それに女性は先導され、移動する形となる。
女性の指をソッと伸ばしてあげることにもつながる。
自分のほうに掌が向き、
女性の指をうまく滑らしながら、回転へ。
手首、ヒジ、肩、インナーマッスルを連動しながら、
掌を返していく。
女性の手の重みを利用し、重力にしたがって下に下ろす
無理やりおろさない。
親指でグッとつかむ・振り下ろすはNG!


「女性のテクニックの成長目安もあげておくわね。


超初級編 
男性のリードによって、なんとか回ることができる。

初級編 
手のリキみを抜くことができる。
男性の手、送り出されている背中を感じとれる。

中級編 
男性とのベストな距離感を図りながら踊れる。
インナーマッスルを使って回転できる。
送り出されて、
ありがとうといった気持ちのテクニックを使える。

上級編 
両手を繊細に使える。
直接触れている右手は男性の手の変化を感じ、
どのシーンもシックリなじむよう配慮できる。
意外や、大切なのが左手

男性の肩から手を離すとき

速すぎず(男性がソッケナサを感じる)
遅すぎず(男性にひっかかる)
ソッとちょうど良い加減に、
そしてちょうど良いタイミング
離せるよう配慮することができる」


「このチェンジ・オブ・プレース・ライト・トゥ・レフトの
コンタクト・アームの成長は

ルンバのあるフィガーの成長

につながっている・・・。

さぁ、何のフィガーか分かるかな?」



      続く 第137話へ



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