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相手と触れ合っている“コンタクトアーム”
それをずっと観察し続けながら踊りましょう・・・
と、ジュンコ先生の指示が出て、
みんなは再度“ジルバ”に挑戦。


♪♪♪♪~


紀子さんは、トシ子さんと組んでいた。
二人とも、簡単なパーティ・ダンスだったら
男性役もできる実力者。
音楽の途中で、
役割をチェンジしながら試してみたが・・・。



「さっき(第134話)と全然違いますね」
踊りながら、男性役をしているトシ子さんがそう言うと



紀子さんも笑いながら、
「本当!

どこに注目するかで

こんなにも感覚が変わる
んですね。

なんだか違うステップを踊っているみたい」



「ジルバをこんなに意識的に踊ったことはなかったわ。
もうマンネリ化していたのね。
こうやって手を意識すればするほどに
“感度”も良くなっていくようで、なんだか楽しいわ」



「私も楽しい。
それに、大切に扱っていただいている・・・
そんな感じがしてとっても気分が良いです」
紀子さんはそう言って少しウットリした目をしている。



「私、ジルバの“持ち技”が少ないから、
相手の方に悪いなぁ、
新しいステップを仕入れようかな? 
と思っていたんですけれど、
それよりも、こういう

丁寧な踊りを学んで、

今手持ちのステップを見直し
たほうが、

得策のようだって気付きました」
トシ子さんが神妙に言うと



「アラ、私も今同じようなこと考えていましたわ(笑) 
そのほうがきっと、
お相手の女性にも喜んでいただけるんじゃないかしら? 
いっぱいのワザを仕掛けて、
キツイリードをなさる男性の方と踊るより、
今のトシ子さんと踊っているほうがずっと楽しめますもの」



ジュンコ先生の指示で、
全員と満遍なく踊れるように、パートナーチェンジ。
そのたびに、今の相手とのコンタクトアームを大切に踊る、
自分の手を観察・・・を学習。



「みんなそれぞれに新しい発見があったようね。
一人ひとりの手から受ける感触が
ずいぶん違うということもわかったでしょう?」




みんなはうなずいている。



「コンタクトアームに
意識のなかった最初のダンスに比べ今回は、

キレイにしかも大きく見えるようになったわよ」
と先生が言うと、



「へぇ~、見た目も良くなるんだ!
それはナゼですか?
今のほうが踊りは丁寧だけど、
スピードもキレもないように思って。
気になったんですけれど」

とカナちゃん。



「スピードやキレも、キレイに見せる大切な要素だけれど、
相手とのつながりから生まれたものでないと、
美しさは半減してしまうわ。
今のほうが、
“二人で感じあっている”から動きに柔らかさがあって
“二人で作っている”から空間も大きく見えるのね。
それにたぶん、
お互いに対する“心遣い”とか“配慮”みたいなものも、
加算されるから

スペシャルな美しさがかもし出されるのね」


ここで、ジュンコ先生、
改めてみんなのほうに向き直り、こう言い出した。


「ジルバ、しかも、簡単なベーシック的なステップの中で、
素晴らしいコンタクトアーム・アクションが出せる人は、
本当にダンスが上手な人といえるんじゃないかしら?
だって、ジルバって気楽なパーティ・ダンスでしょ?
テクニックなんてものが、
ルンバやチャチャチャほどない分、

その人の“本性”みたいなものが出やすいのね(笑)

スタンダードだったら、
それに匹敵するのが“ブルース”かな。
そのうち『素晴らしいブルースを踊るためのレッスン』も
必要かも知れないわね」


「とにかく、ジルバの中での

コンタクトアームは軽視しないこと!

種目は変わっても、
手に染み付いた“習慣性”は一緒のはずだから。
ジルバの中での“失策”は
ルンバでの“失策”につながってしまうカラね。
しかも無意識的に・・・」


ジュンコ先生はそう言ってから


「では、気をつけるべきいくつかの点を上げていくわね。
二人組みになって、
ベーシック・ムーブメントからやっていきましょう。
音楽はナシでするから、各カップルのテンポで、ドウぞ」



スロー・スロー・クイック・クイック・・



みんなヒソヒソ言い合って
動きをあわせようとしているが・・・



「声に出さないように。

お互い感じあって動くのよ」
と先生の声が飛ぶ。



難しいナァ~
という感じのザワザワがやがて静まり・・・



「みんなが今やっている最初のステップは、
正式名を
“ベーシック・イン・フォーラウエイ”
というの。
“フォーラウエイ”というのは、
“PPポジションのままバックする”という意味。
でも、ある欧米の社交ダンス先進国では、
初心者にジルバを教えるときは、
“ベーシック・イン・プレース”といって、
最後の“クイック・クイック”で足を後ろにひかせず、
足をそろえさせているのよ。
コレは、ジャイブとして教科書にも載っている
最初に習うべきベーシックなの。

・・ちょっとやってみる?」



ベーシック・イン・プレース 

男性
1.左足横
2.右足に体重を戻す
3.左足右足にそろえる
4.右足に体重を踏みかえる
女性は左右がこのサカサマ



「“ベーシック・イン・フォーラウエイ”
つまり足をバックする前に
“ベーシック・イン・プレース”
つまり、足をそろえる感覚を、
先に身に付けておいたほうがいい
わね。
なぜなら、足をバックさせるのは、

足をそろえることの“変化”だから。

足をそろえるという安定バランスを崩し、変化させたものが
“ベーシック・イン・フォーラウエイ”だと見なしておくの。
安定バランスを崩し、
動きのきっかけを作るのが筋肉の大きな役割だったわね。(第121話)
繊細な感覚を感じ取れる優れた筋肉を養っていくためにも、
“安定”か“変化”か、 
言い換えれば、
“そろえる”か“後ろに引く”かの

リード&フォローは

できるようになっておいたほうがいい
わ。

それを伝えるのは“手”

さぁ、ここからコンタクト・アームが重要になってくるわよ」



      続く 第136話へ



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