2007.05.26 (第123話) しなやかな アーム&ハンドアクション・テクニックⅧ ほぐれた筋肉って?
目次へ
ダンスを踊る上においての
優れた筋肉とはどういうものなのか?
その1 硬くなったり柔らかくなったりの、
変化の幅を持っている筋肉
その2 重力に対して逆らわない、
エネルギーを伝達しやすいほぐれた筋肉
その3 クセや引っ掛かりがなく、
エネルギーがスムーズに流れる筋肉
では、
そんな優れた筋肉になるためにはどうしたらいいのか?
ジュンコ先生とQさんの対談は続いている。
Q「ほぐれた筋肉とは、ただ
カラダが柔らかいこととは違うんですよね」
先「ええ、違うわね。
あ~ソウ、オモシロイ話があるんだけど。
かつてラテン世界チャンピオンだった
あるイギリス人のコーチャーが、
レッスン中にいきなり立ったまま前屈して見せて、
『ホラ、私はこんなにカラダが硬いんだ』って言うわけね。
見ると、床に全然手が届いていない。
『こういう柔らかさはそんなになくても問題ない。
要は柔らかい動きができればいいんだ』で、
見事なルンバのアイソレーションをして見せるの」
Q「へぇ~そうなんですか。
安心しました。
実は私、カラダ、硬いんですよ。
これから歳をとる一方だから、余計に固まってくるだろうし、
どうしようかと思っていたんですけれど。
でも、柔らかい動きができるということは
・・・あ、ソウか、
それが、筋肉がほぐれているということなんですよね」
先「そうなのよ。
ほぐれている筋肉のイメージは、言うなれば、
ビニール袋にジェル状のものを入れ、
それをグチャグチャ動かした状態ね」
Q「ビニール袋にジェル状のもの?
ジェルって整髪に使うときの
あのゼリー状のジュルジュルしたものですか?」
先「そうよ。
人間のカラダは皮膚で包まれているでしょ。
その皮膚をビニール袋にたとえているの。
その中にジェル状のもの、
つまり筋肉がいっぱい入っている・・・
ほぐれた筋肉ってそれくらい
“変化力”があるものなのよ」
Q「でも、
ただやたらクニャクニャとした筋肉ともまた、違うんですよね」
先「ええ。その違いは、
カラダの中に重力軸が通っているか、いないか、
言い換えれば、
カラダにシンの通った柔らかさか、シンのない柔らかさか・・・
これは、カラダに触れて踊ってみるとすぐにわかるわよ。
ほぐれた筋肉の人のカラダは、
真綿のようにフワァーと柔らかくて、
一緒に踊るととても心地のよいものよ。
しかも、カラダの中に“秩序”のようなものがあって、
不思議なしっかり感もある。
一方、シンのない柔らかさの人は、
トリトメのない動きで、
パラパラ感はあっても心地よさは感じないわ」
Q「真綿のようにフワァーですか!?
なりたいですね、そんな筋肉。
どうやったらなれるんでしょう?
また、それはなろうと思ってなれるものなんでしょうか?」
先「もちろんよ(笑)
そういう筋肉になると、動きが楽になるから、
大げさではなく“生きていきやすく”なるから、
ぜひ、目指して欲しいわ」
Q「生きていきやすく?」
先「ほぐれた筋肉は、
感受力に長けているから
ほんの少しの刺激にも反応することができ、その対処も早い。
そして、
その刺激がどれくらいの強さなのかとかドッチから来るのかなどの
識別力があるから無理なく的確に動けるようになってくる。
しかも、エネルギーの
伝達力がありカラダのある一部分に受けた刺激が、
次から次へと順番にスムーズに伝わっていくから、無駄な動きが減る」
Q「あぁ、それだと、
最小限の力で最大限の力が出せそうですね。
確かに、生きていきやすくなるかも(笑)
でも、なんだか筋肉に対してのイメージが変わってしまいますね、
そんな話を聞いていると。
今までは、優れた筋肉って大きなパワーを出せる、
ググッて盛り上がったような、
いわゆるスポーツマン的なモノを想像していたんですが、違うんですね」
先「そうね。筋肉って、
目や耳などの感覚器官だと思ったほうがいいかもね」
Q「あら、それってわかりやすいですわ」
先「さて、そのほぐれた筋肉になるためには、
という話なんだけれど・・・。
おススメは“ため息と貧乏ゆすり”ね」
Q「へぇ~?おもしろい!
でも、冗談でしょ?」
先「マァ、そのままを人前なんかでやると問題だけれど、
あながち冗談でもないのよ。
つまり
“ゆったりと呼吸をする”
ことと
“カラダをゆらす”
こと。
この2つがカラダほぐしの基本だからね」
Q「そういうことですか。
他にはありますか?何かエクササイズとか・・・」
先「あるわよ。
“プロテクト・ポスチャー”という
“座り込みエクササイズ”
脊椎動物は内臓保護のために
『危ない!』って時には内側に背中を丸めるもの。
そのカラダを丸め座り込んだカッコウからゆっくり起き上がる・・・
それだけの運動なんだけれど、
カラダにとってとても良い運動だと言われているものよ。
ストレッチする時間のないときはコレだけしても、
カラダをかなりほぐすことができるわ。
ポイントは、自分自身の重みで鉛直方向に降りていき、
自然に折りたたまれていく感覚を持つこと。
そして、座り込むときも
起き上がるときも自分のカラダをゆったりと味わうことね」
エクササイズ
“プロテクト(保護)・ポスチャー”
① 足を肩幅にして立ち、
ゆったりため息をつき、カラダを緩ませる
② 腹→胸→肩→首→頭の順に下りていく
ヒザはまだ緩やかに伸びている
③ 降りる途中で、両腕をブラブラしながら、
腰・背中をストレッチし、
両肩甲骨の間をゆったり開けながら心地よく伸ばしていく
④ お尻を天井に向けながら、ひざを曲げ、
頭と両腕の重みを利用して降りていき、しゃがみこむ
⑤ 丸まった状態で、
かかとを浮かしたり、下ろしたりしながらカラダをグネグネ動かす
⑥ 両手を前につき、お尻からゆっくり、頭を最後に起きる
続く 第124話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
ダンスを踊る上においての
優れた筋肉とはどういうものなのか?
その1 硬くなったり柔らかくなったりの、
変化の幅を持っている筋肉
その2 重力に対して逆らわない、
エネルギーを伝達しやすいほぐれた筋肉
その3 クセや引っ掛かりがなく、
エネルギーがスムーズに流れる筋肉
では、
そんな優れた筋肉になるためにはどうしたらいいのか?
ジュンコ先生とQさんの対談は続いている。
Q「ほぐれた筋肉とは、ただ
カラダが柔らかいこととは違うんですよね」
先「ええ、違うわね。
あ~ソウ、オモシロイ話があるんだけど。
かつてラテン世界チャンピオンだった
あるイギリス人のコーチャーが、
レッスン中にいきなり立ったまま前屈して見せて、
『ホラ、私はこんなにカラダが硬いんだ』って言うわけね。
見ると、床に全然手が届いていない。
『こういう柔らかさはそんなになくても問題ない。
要は柔らかい動きができればいいんだ』で、
見事なルンバのアイソレーションをして見せるの」
Q「へぇ~そうなんですか。
安心しました。
実は私、カラダ、硬いんですよ。
これから歳をとる一方だから、余計に固まってくるだろうし、
どうしようかと思っていたんですけれど。
でも、柔らかい動きができるということは
・・・あ、ソウか、
それが、筋肉がほぐれているということなんですよね」
先「そうなのよ。
ほぐれている筋肉のイメージは、言うなれば、
ビニール袋にジェル状のものを入れ、
それをグチャグチャ動かした状態ね」
Q「ビニール袋にジェル状のもの?
ジェルって整髪に使うときの
あのゼリー状のジュルジュルしたものですか?」
先「そうよ。
人間のカラダは皮膚で包まれているでしょ。
その皮膚をビニール袋にたとえているの。
その中にジェル状のもの、
つまり筋肉がいっぱい入っている・・・
ほぐれた筋肉ってそれくらい
“変化力”があるものなのよ」
Q「でも、
ただやたらクニャクニャとした筋肉ともまた、違うんですよね」
先「ええ。その違いは、
カラダの中に重力軸が通っているか、いないか、
言い換えれば、
カラダにシンの通った柔らかさか、シンのない柔らかさか・・・
これは、カラダに触れて踊ってみるとすぐにわかるわよ。
ほぐれた筋肉の人のカラダは、
真綿のようにフワァーと柔らかくて、
一緒に踊るととても心地のよいものよ。
しかも、カラダの中に“秩序”のようなものがあって、
不思議なしっかり感もある。
一方、シンのない柔らかさの人は、
トリトメのない動きで、
パラパラ感はあっても心地よさは感じないわ」
Q「真綿のようにフワァーですか!?
なりたいですね、そんな筋肉。
どうやったらなれるんでしょう?
また、それはなろうと思ってなれるものなんでしょうか?」
先「もちろんよ(笑)
そういう筋肉になると、動きが楽になるから、
大げさではなく“生きていきやすく”なるから、
ぜひ、目指して欲しいわ」
Q「生きていきやすく?」
先「ほぐれた筋肉は、
感受力に長けているから
ほんの少しの刺激にも反応することができ、その対処も早い。
そして、
その刺激がどれくらいの強さなのかとかドッチから来るのかなどの
識別力があるから無理なく的確に動けるようになってくる。
しかも、エネルギーの
伝達力がありカラダのある一部分に受けた刺激が、
次から次へと順番にスムーズに伝わっていくから、無駄な動きが減る」
Q「あぁ、それだと、
最小限の力で最大限の力が出せそうですね。
確かに、生きていきやすくなるかも(笑)
でも、なんだか筋肉に対してのイメージが変わってしまいますね、
そんな話を聞いていると。
今までは、優れた筋肉って大きなパワーを出せる、
ググッて盛り上がったような、
いわゆるスポーツマン的なモノを想像していたんですが、違うんですね」
先「そうね。筋肉って、
目や耳などの感覚器官だと思ったほうがいいかもね」
Q「あら、それってわかりやすいですわ」
先「さて、そのほぐれた筋肉になるためには、
という話なんだけれど・・・。
おススメは“ため息と貧乏ゆすり”ね」
Q「へぇ~?おもしろい!
でも、冗談でしょ?」
先「マァ、そのままを人前なんかでやると問題だけれど、
あながち冗談でもないのよ。
つまり
“ゆったりと呼吸をする”
ことと
“カラダをゆらす”
こと。
この2つがカラダほぐしの基本だからね」
Q「そういうことですか。
他にはありますか?何かエクササイズとか・・・」
先「あるわよ。
“プロテクト・ポスチャー”という
“座り込みエクササイズ”
脊椎動物は内臓保護のために
『危ない!』って時には内側に背中を丸めるもの。
そのカラダを丸め座り込んだカッコウからゆっくり起き上がる・・・
それだけの運動なんだけれど、
カラダにとってとても良い運動だと言われているものよ。
ストレッチする時間のないときはコレだけしても、
カラダをかなりほぐすことができるわ。
ポイントは、自分自身の重みで鉛直方向に降りていき、
自然に折りたたまれていく感覚を持つこと。
そして、座り込むときも
起き上がるときも自分のカラダをゆったりと味わうことね」
エクササイズ
“プロテクト(保護)・ポスチャー”
① 足を肩幅にして立ち、
ゆったりため息をつき、カラダを緩ませる
② 腹→胸→肩→首→頭の順に下りていく
ヒザはまだ緩やかに伸びている
③ 降りる途中で、両腕をブラブラしながら、
腰・背中をストレッチし、
両肩甲骨の間をゆったり開けながら心地よく伸ばしていく
④ お尻を天井に向けながら、ひざを曲げ、
頭と両腕の重みを利用して降りていき、しゃがみこむ
⑤ 丸まった状態で、
かかとを浮かしたり、下ろしたりしながらカラダをグネグネ動かす
⑥ 両手を前につき、お尻からゆっくり、頭を最後に起きる
続く 第124話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
| Home |