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「“ティーチャーズ・ハンド”には、
まだ秘密がありそうだ、イヤあるに違いない・・・」


和夫は一人考えていた。

「ジュンコ先生の手は、
重みを乗せているといってもイヤな重みではない。
でも、
普通の人がコレを真似したら、
ドーンと重くなってしまうかもしれない。

それだと男性に迷惑なんじゃないかということを気にして、
実際には重みを預けることなどなかなかできないだろう」


「でも、待てよ」

和夫の頭の中はグルグル回転を始めている。

「だからといって、
上に浮き上がっている手は絡みにくいし、
男性の手まで一緒につり上げられて

重心まで上がってしまう・・・

ってコトは、手や腕は軽いから良いってモノでもないんだ。
じゃやはり、目指すべきは先生の言う
“シックリ”なじむ手ってコトか・・・。
で、そのためには手の重みを・・・あぁ、堂々巡りだ。
何かもう一ヒネリあるはずなんだけどなぁ」

和夫の手にはまだ、
ジュンコ先生と組んだ感触がヤンワリ残っている。

「あ、ひょっとしたら、
アレが手がかりかもしれないぞ。
ヨシ、質問してみよう」
と思い立ち、手を上げた。



「教えて欲しいことがあります!
先生の手は、
まだ僕の手に触れていないときから
組んでいる感じがして、
実際に手を上に乗せてもらった瞬間には、

誘われるような感じがしたんです。

アレは何なのでしょうか? 
手からエネルギーを出していた・・・
それ以外にも何か秘密があるのかなと思ったのですが」



すると、森田さんも口を開いた。
「同感です。
それに、
先生の手の重みはあることはあるんですが、

重みの質みたいなものが、

どうも他の方とは違うんです。
他の女性の手は、重みをもらったとき、
なんだかドサッて本当に重くって、
先生の重みとどう違うのかなと・・・」




「良いところに気がついたわ。
誤解しやすいことでもあるから、
もう少し説明するわね」


ジュンコ先生は笑いながら、
和夫の前に立ち、
ルンバのスタートで、
オープン・ヒップツイストを踊るときの手を
・・・と指示を与えた。



で、和夫は左手を出し、
ジュンコ先生は右手をその上に乗せる・・・



「まず、この重み、感じるかしら? 
すぐに動き出しそうにはないけれど、
イヤな重みじゃないわね」



「ハイ。シックリきます」



「では、次。
これはダメ。重すぎる・・・でしょ?」



「ソウですね。
さっきとどこを変えたんですか?」



「さっきの良いほうは
純粋な物体としての手の重みなの。
ダメなほうは、ほんの少し上から押さえたのよ」



「それで、
こんなに重くなっちゃうものなんですか?」



「ええ、そうよ。
ずいぶん重く感じるでしょ? 

では、この重みはどう?」



「あぁっ、重いです。
これは負担になります」



「ソウでしょ。
今は、手に力を入れてみたの」 



ジュンコ先生は、
みんなのほうに向き直って言った。

力の抜けた純粋な“手の重み”は、

決してイヤな感じを

相手に与えるものではない
・・・

まずソウ信じて欲しいの。
これは腕も同じ。
でも、ほんの少しでも故意的に重みを加えたり、
力んだ手や、
手ではなくても肩などカラダのどこかに
力みが残ったままの手で相手に触れたら、
イヤな重みになっちゃうものなの。
ここら辺の“見分け”がきっと難しいんでしょうね」


ジュンコ先生は、そう言ってから、


「さて、さっきの和夫さんの質問なんだけれど、
おっしゃるようにもうひとつ、
エネルギーを手から放出すること以外にも、
ある“操作”をしていたのよ
・・・それは、こんな手だったでしょ?」


先生はその“操作”をしながら、
和夫の手の上に自分の手を乗せた。
和夫は気持ち良さそうに
ルンバのオープン・ヒップツイストのスタートを切った。



「ソウです、この手です。
表現が変かも知れませんが

モノを言う手なんです。

“さぁ行きますよぉ”みたいな
・・・どうなってんのかなぁ?」



「よく観察してね、
私は手を触れる瞬間、ナニをしているかしら?」



みんなも目を凝らして先生の様子を見守っている

・・・そして



「あ、わかった・・・呼吸

・・・先生、吸ってますね!」
と和夫。



「ピンポーン。
なぁんだって思ったでしょ?」

ジュンコ先生は笑いながら

「これは以前、
呼吸を使ったルンバの表現テクニックの練習で、
女性が男性の胸に手を置いてやったことがあると思うんだけど、
覚えているかな?」(第84話)



「ハイ、呼吸を吸うことで
『こっちへ来て』と誘っているようになったアレですね」

カナちゃん、印象深かったのか、
よく覚えているようだ。



「そうね。
では、最初から追って説明するわね。
まず、組む前に、エネルギーを手から放出して
和夫さんの手とつながろうとした。
まだ実際には組んでいないのに
組んでいる感じがしたというのは、
このエネルギーを感じ取ったからね。
次に、呼吸を吸って
『さぁ踊りましょう』と相手に話しかけたのよ。
ホラ、気持のリードとして習ったでしょ?(第105話)
それを“モノを言う手”と感じたわけね。
ちなみにここで吸ったのは、
ルンバのスタートが切りやすいように、
相手をひきつるため
によ」



「先生の手と他の女性の手の重みと違って感じたのは、
この呼吸の操作以外に先生の手のほうが
① 力の抜けた純粋な手の重みである
② 手の中に重力方向にのっとった、
より良質のエネルギーが流れていたため

だと思われるわ」

と、ここでジュンコ先生、
みんなの方に向き直りこう言った。

「何度も伝えているように、手や腕は単なる導管。
だから、それ自体は重みがあって当然よ。
ただし、
その中をエネルギーが流れることによって、

ちょうど良い重みに変化するものなの。

だから心配せず、手の重みは乗せてもOKなのよ。
もちろんエネルギーを良質にしていく訓練は必要だけれどね」



みんなは、
へぇ~という表情だ。



「すいません、あのぉ、
エネルギーってよく先生は言われるんですが、
具体的には何なんですか、エネルギーって・・・」

佐藤さんがちょっと困惑したように聞いている。



「ダンスを踊る活力みたいなものね。

それから情報

相手のカラダの中の状況が今どうなっているのか?とか、
今、相手とどのくらいの距離間で組めばいいか?とか、
ソレはさまざまね。
相手からの情報と受け取り、
自分からの情報も送る、だからお互い感じあえるのよ」
先生は、そう言ってから、



「そんなエネルギーを動かしているのは、
実は筋肉でもアル・・・
そんな筋肉の働きを見ていくと、
ナゼ、力んではダメなのかがわかるかもしれないわね」



      続く 第121話へ



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