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「みんなの手の上に、私が手を乗せたとき、
シックリなじますためにやったこと
(第117話)

今話した
“手の力を抜いて、手の重みを相手に預ける”以外に 
実はもう1つあるんだけど、何だと思う?」




え、他にもまだあるの? 

みんなは首をひねっている。



「今度は、スタンダードのホールドをする要領で、
男性の左手と女性の右手を握り合って試して見ましょう。
組み方は変わっても、
求めるもの(手のシックリ・フィット感)と、
そのためには何をするべきかは一緒よ」
ジュンコ先生はそう指示を与えた。


「手の力を抜く、コレはもちろん試してね。
さぁそれ以外に、あと1つわかるかな?」


しばらく様子を見た後、
ジュンコ先生は、
さっきと同じように一人ひとりと手を握り合い、
模範の感覚を示している。



「先生の手、真理ちゃんの手の感じと全然違う・・・」
和夫は少し不思議に思った。

「シックリきて握りやすいというだけではなく、

手が、実際に触れていないときから

組んでいる感じがする


のはナゼだろう? 」




他の男性も同じ印象を持っているようだ。



先生は男性役をして女性とも組んでいる。
女性からも驚きの声が上がった。



「生徒同士で組むのと全然違うのはわかりますが、
何がどう違うか、
先生が何をなさっているのかは、見当がつきません」

紀子さんがそう言い、
みんなもそれに同感のようだ。



すると、ジュンコ先生は意味ありげに笑いながら、
「OK!では、いいコトを教えましょう。

約10秒で、

ティーチャーズ・ハンド
(先生の手)

になるおまじないがあるのよ・・・
といっても、ちゃんとしたテクニックだけどね。
では、まず女性だけ集まって。
やり方を教えるからね」


女性陣にヒソヒソ声で伝授。


「では、今、教えたことをやってから
すぐに男性と組んでみて」



結果は・・・



「おぉっ、本当だ!先生の手と似てる。
組みやすいです!」

と声を上げたのは、森田さんだった。



和夫も驚いていた。
「うん、確かにさっきよりずっとシックリ来る・・・」



おまじないを伝授された女性陣も、
自ら手ごたえがあった様子。



「たったアレだけなのに、
ホント変わるものですねぇ~。」

ジュンコ先生は、うなずきながら

「じゃぁ、真理ちゃん、
男性の方々に、自分が何をしたのか教えてあげて」



「ハイ!10秒間、
両手をキュッキュッとモミました!」




ナニ?


手をもんだ?



男性陣はビックリだ。

そんなこと、効果あるの?



「では、男性も一緒にやってみましょうか。
少々力を入れてもいいから手が暖かくなるくらい、
全体をまんべんなくモミほぐしてね。
特に
手のひらの“中央のくぼみ”辺りを親指で念入りに
気持ち良いなぁ~という感じが目安よ」



「コレ、良い感じですなぁ。
手のひらがポカポカして神経が通ってきたような感じですわ」

平田さんはずいぶん気に入ったみたいだ。



果たして、相手と組んでみる。


みんなからは、満足そうな声が・・・。



「ね、違うでしょ? 
ナゼそうなったのかは後で話すとして。
では今以上に、
もう一段レベルアップした“手”にしましょうか。
いい?まず手モミをしてそれから、
お互いが組むときにイメージしてね。

床から上がってきたエネルギーがカラダの中に入り、
ソレが手から抜けていく・・・

そのエネルギーを相手に与えるように
して、

ハイ、組んでごらん!?」



・・・



「さっき以上にシックリきます。
先生と組んだ感じにとても似てきました」

坂田さんが言うと、


一緒に手を握っているカナちゃんも、うれしそうに
「本当に、手から手へ、

お互いのエネルギーが流れ

交じり合っている
ように感じます」


と言うと、



ジュンコ先生は、

「そうね。
今だとみんなの“手のひらが開かれている”から可能だと思うわ」



手のひらが開かれている!?

と、紀子さんがフッと声を上げた。

「でも、先生はさっきみんなと模範で組むときに、
今のような
“手からエネルギーを与える”ことはされていたんでしょうが、
手をもんだりはされませんでしたよね」



「いいところに気がついたわね」

とジュンコ先生は言い、

「先生の手というものは、
常に『さぁ、踊りましょう』となったとき、
床から上がってきたエネルギーが手から出て行きやすいように、
日頃から訓練されているのよ。
いつも“手モミ直後の状態”のようなわけ。
ある意味“特別な手”になっているの」



へぇ~?という空気が流れた。



「ソレは
“手のひらが開かれた状態”になっている手、
感受力の高い、細分化された高度な手、

なんていえば、すごく難しそうなんだけど、
鍛えれば誰でもソウなることは可能なの。
現に、手モミをしただけ、
たった10秒で、同じ手を体験ができたでしょ!?
だからこの際全員、目指してみましょう、
ティーチャーズ・ハンド!」


“手のひらが開かれた状態”になっている手、
感受力の高い、細分化された高度な手
とはどんな手か?


そしてどうしたら、そんな手になれるのか?
次回、解き明かされる・・・



      続く 第119話へ



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