2007.05.08 (第105話) 呼吸を使った究極のリード&フォローXXⅦ 気持ちのテクニックを使う
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「“ベーシック・ムーブメントからファンに開く”
たったそれだけのステップから、いろんなことが学べるのね」
真理は興味を持ち始めていた。
「こういう小さなところを大切に見ていくと、
自分がどれほど今まで大ざっぱに踊っていたかがよくわかるわ。
上手な人ってきっと、普通の人が見過ごしてしまうことまで、
ちゃんとつかまえて、一つひとつモノにしていってるんだろうなぁ。
その人たちが見ている世界を私ものぞいてみたい!」
次のジュンコ先生のレッスンは、
そんな真理の心を十分に満足させるものだった。
「次はね、気持ちのテクニックよ」
気持ちのテクニック
・・・みんな???な表情だ。
「気持ちのテクニックとは、
踊っているとき相手を意識することから生まれる、
いわば、
感情面でのリード&フォローね。
相手とカラダを通して会話することと言ったらいいのかしら」
ジュンコ先生はそう説明し、
「これは、呼吸のテクニックとともに使うと、効果倍増。
なぜって、呼吸は感情と密接な関わり合いがあるから・・・。
覚えているかしら?
呼吸を使うリード&フォローの優れた点の中に
“カラダとともに感情もリード&フォローすることができる”(第79話)
っていうのがあったでしょ?」
みんなは少しずつ思い出してきたようだ。
「それに、海外のコーチャーに
初めてベーシックルンバのレッスンを受けた時の話もしたわね(第84話)
すごくうまいリードを感じた時の・・・」
「知らない間に踊らされてしまったってお話ですよね。
良く覚えています。
先生がそのコーチャーに“愛”を感じたって聞いたから(笑)
私もうまいフォローができるようになったら、
一緒に踊った男性から愛される女性になれるかなぁ、
なりたいなぁって思いました」
カナちゃんの無邪気な発言に、
周りのみんなも触発されたのか、
「考えてみれば、ルンバって男女の愛の表現でしょ!?
素敵なリード&フォローで踊れたら最高に楽しいでしょうね。
で、相性の良い方とめぐり逢えたら幸せ~」
男性たちはちょっと苦笑しているが・・・。
まだ独身の千恵子さん
“ダンスによる出会い”
なるものにも十分興味を持っているようだ。
「社交ダンスが上手くなっていくには、
もちろん、競技ダンスもだけど・・・」
ジュンコ先生は真剣なまなざしだ。
「“気持ちのテクニック”は“カラダのテクニック”とともに、
絶対身に付けていかなければならないものなの。
二人で踊るダンスの一挙手一投足
(いっきょしゅ・いっとうそく=細やかなひとつひとつの動き、行動)
はすべて、
お互いにとって何らかの関連性がある。
だから、
どんなささやかな運動であっても、
お互いの関連を見てとれる感受性を育てていって欲しいと思うのよ」
「あのぉ、感受性が育ったら、
“ベーシック・ムーブメントからファンに開く”を踊っただけで、
相手のことを大切に思って踊っている“愛のあるルンバ”なのか、
そうでない見せかけのテクニックの“愛のないルンバ”なのか、
感じられるようになってくるものなんでしょうか!?」
突然のキツーイ発言に、
あたりの空気が一瞬固まった感じ・・・。
またその声の主が、滅多に口を開かず、
いつも黙々と踊るタイプのハナコさんだったから、
みんな余計に驚いている様子だ。
ジュンコ先生は、落ち着いて
「“愛がない”のか
“愛があっても伝え方がわからないルンバ”なのかは、
何とも言いようがないけれどね。
また、ルンバに限らず、
二人で踊るダンスのそういう大切さに
まだ目覚めていない人も多いと思うのよ。
だから、まずはここにいる皆さんだけでも、
たった今から自覚を持って、
一緒に踊る人に、
素敵な時間を過ごしていただけるように、腕を磨いて欲しいわ」
と、答えてから
「同じ“ベーシック・ムーブメントからファンに開く”の動きでも、
気持ちを入れると印象はガラリと変わるわ。
やってみるとわかるけれど、
ちゃんとカラダも何かしらの反応をしてくるものなのよ」
気持ちのテクニック例
①
男性 ベーシック・ムーブメントで女性を後退させるとき、
そして、前進させるときそれぞれに気持ちを動かす。
たとえば、後退のとき「下がってね」前進のとき「来てね」
女性 それに気持ちで応えながら「次は何ですか?」と
一回いっかい優しく尋ねるのがミソ。
そうすることで、
男性が次のステップまでの間をうまく取れるようになってくる。
②
男性 ベーシック・ムーブメントから女性をファンに導くとき、
「さぁ、どうぞ」という気持ちを使う。
特に、女性の左足を自分の両足にいざなうときが大切!
下に降ろす左手にも配慮。優しくが基本。
女性 それを受け「ありがとう」
もっとしとやかな動きにするには「恐れ入ります」
③
男性・女性ともに、
ファンの2歩目で向かい合った時点で柔らかい・優しい気持ちになること。
そうすることで、接近してもお互いの威圧感を感じないですむ。
相手に居場所を与えてあげられる。
男性、背中にまわした右手を大切に
「ここにいて大丈夫ですよ」といった思いを込める。
ファンに離れていく間も、右手でずっとフォローしてあげる感じ。
女性 「ありがとう」と声をかけ、ファンに。
「これを、
できれば呼吸を使ったアップ&ダウン感覚とともに、試してみて欲しいの」
気持ちのテクニックなんて、果たして効果のあるものなの?
みんなは半信半疑だったが・・・。
続く 第106話へ
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「“ベーシック・ムーブメントからファンに開く”
たったそれだけのステップから、いろんなことが学べるのね」
真理は興味を持ち始めていた。
「こういう小さなところを大切に見ていくと、
自分がどれほど今まで大ざっぱに踊っていたかがよくわかるわ。
上手な人ってきっと、普通の人が見過ごしてしまうことまで、
ちゃんとつかまえて、一つひとつモノにしていってるんだろうなぁ。
その人たちが見ている世界を私ものぞいてみたい!」
次のジュンコ先生のレッスンは、
そんな真理の心を十分に満足させるものだった。
「次はね、気持ちのテクニックよ」
気持ちのテクニック
・・・みんな???な表情だ。
「気持ちのテクニックとは、
踊っているとき相手を意識することから生まれる、
いわば、
感情面でのリード&フォローね。
相手とカラダを通して会話することと言ったらいいのかしら」
ジュンコ先生はそう説明し、
「これは、呼吸のテクニックとともに使うと、効果倍増。
なぜって、呼吸は感情と密接な関わり合いがあるから・・・。
覚えているかしら?
呼吸を使うリード&フォローの優れた点の中に
“カラダとともに感情もリード&フォローすることができる”(第79話)
っていうのがあったでしょ?」
みんなは少しずつ思い出してきたようだ。
「それに、海外のコーチャーに
初めてベーシックルンバのレッスンを受けた時の話もしたわね(第84話)
すごくうまいリードを感じた時の・・・」
「知らない間に踊らされてしまったってお話ですよね。
良く覚えています。
先生がそのコーチャーに“愛”を感じたって聞いたから(笑)
私もうまいフォローができるようになったら、
一緒に踊った男性から愛される女性になれるかなぁ、
なりたいなぁって思いました」
カナちゃんの無邪気な発言に、
周りのみんなも触発されたのか、
「考えてみれば、ルンバって男女の愛の表現でしょ!?
素敵なリード&フォローで踊れたら最高に楽しいでしょうね。
で、相性の良い方とめぐり逢えたら幸せ~」
男性たちはちょっと苦笑しているが・・・。
まだ独身の千恵子さん
“ダンスによる出会い”
なるものにも十分興味を持っているようだ。
「社交ダンスが上手くなっていくには、
もちろん、競技ダンスもだけど・・・」
ジュンコ先生は真剣なまなざしだ。
「“気持ちのテクニック”は“カラダのテクニック”とともに、
絶対身に付けていかなければならないものなの。
二人で踊るダンスの一挙手一投足
(いっきょしゅ・いっとうそく=細やかなひとつひとつの動き、行動)
はすべて、
お互いにとって何らかの関連性がある。
だから、
どんなささやかな運動であっても、
お互いの関連を見てとれる感受性を育てていって欲しいと思うのよ」
「あのぉ、感受性が育ったら、
“ベーシック・ムーブメントからファンに開く”を踊っただけで、
相手のことを大切に思って踊っている“愛のあるルンバ”なのか、
そうでない見せかけのテクニックの“愛のないルンバ”なのか、
感じられるようになってくるものなんでしょうか!?」
突然のキツーイ発言に、
あたりの空気が一瞬固まった感じ・・・。
またその声の主が、滅多に口を開かず、
いつも黙々と踊るタイプのハナコさんだったから、
みんな余計に驚いている様子だ。
ジュンコ先生は、落ち着いて
「“愛がない”のか
“愛があっても伝え方がわからないルンバ”なのかは、
何とも言いようがないけれどね。
また、ルンバに限らず、
二人で踊るダンスのそういう大切さに
まだ目覚めていない人も多いと思うのよ。
だから、まずはここにいる皆さんだけでも、
たった今から自覚を持って、
一緒に踊る人に、
素敵な時間を過ごしていただけるように、腕を磨いて欲しいわ」
と、答えてから
「同じ“ベーシック・ムーブメントからファンに開く”の動きでも、
気持ちを入れると印象はガラリと変わるわ。
やってみるとわかるけれど、
ちゃんとカラダも何かしらの反応をしてくるものなのよ」
気持ちのテクニック例
①
男性 ベーシック・ムーブメントで女性を後退させるとき、
そして、前進させるときそれぞれに気持ちを動かす。
たとえば、後退のとき「下がってね」前進のとき「来てね」
女性 それに気持ちで応えながら「次は何ですか?」と
一回いっかい優しく尋ねるのがミソ。
そうすることで、
男性が次のステップまでの間をうまく取れるようになってくる。
②
男性 ベーシック・ムーブメントから女性をファンに導くとき、
「さぁ、どうぞ」という気持ちを使う。
特に、女性の左足を自分の両足にいざなうときが大切!
下に降ろす左手にも配慮。優しくが基本。
女性 それを受け「ありがとう」
もっとしとやかな動きにするには「恐れ入ります」
③
男性・女性ともに、
ファンの2歩目で向かい合った時点で柔らかい・優しい気持ちになること。
そうすることで、接近してもお互いの威圧感を感じないですむ。
相手に居場所を与えてあげられる。
男性、背中にまわした右手を大切に
「ここにいて大丈夫ですよ」といった思いを込める。
ファンに離れていく間も、右手でずっとフォローしてあげる感じ。
女性 「ありがとう」と声をかけ、ファンに。
「これを、
できれば呼吸を使ったアップ&ダウン感覚とともに、試してみて欲しいの」
気持ちのテクニックなんて、果たして効果のあるものなの?
みんなは半信半疑だったが・・・。
続く 第106話へ
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