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アップ＆ダウンの垂直パワーを使って
ルンバの簡単なアマルガメーションを練習・・・
「何か質問はあるかしら？」
しばらくして、ジュンコ先生が声をかけるや否や
「ハイ！」
カナちゃんが手を上げ、
「ベーシック・ムーブメントからファンに開く所で、
坂田さんが邪魔になるんです」
邪魔と言われた坂田さん、
ちょっと顔を赤らめて申し訳なさそうにしているが
カナちゃんは止まらない。
「ファンに開くときって、
女性の左足は、
男性の両足の中に入るんですよね。
最初、やりにくいから外へ出たら
ファン・ポジションがものすごく遠くなったんで、
やっぱり中に入れようとしたら、ぶつかるんです・・・」
一生懸命、状況を説明する様子に、
「あ、うちと一緒。ね、カズ、そうよね」
和夫と真理も
“他人事ではない”様子で事態を見守っている。
ジュンコ先生から出された課題は
「ベーシック・ムーブメントは何回行ってもＯＫ。
ファンに開きたくなった時点でリード＆フォローを行うこと」
だったのだが・・・。
「さぁ、他の人はどうかしら？ うまく行ったカップルは？」
みんな苦笑している中、小さく手が上がった。
トシ子さんだった。
「平田さんは、
ちゃんとリードして下さったように思うんですけど…」
当の本人の平田さんは
「いやぁ、何もしていないような。
トシ子さんが気を利かして動いてくれたもので・・」
「では、
お二人にちょっと模範をやってみていただきましょう。
ベーシック・ムーブメントからファンです」
先生に言われ、二人は踊り始めた。
一応成功だ。
カナちゃんが問題にしていた、女性のファンの1歩目、左足前進も、
無事男性の両足の中に誘導されているようだ。
「どこか違うんだけどなぁ・・・。
私たちがやっていることと」
と、思ってカナちゃん・坂田さん・和夫・真理は、
目を凝らして見ていたが・・・。
「あ、向きが変わっている。
平田さん、最初にベーシックをしていたところから、
左に回転しているわ」
真理が小さく声を上げた。
ジュンコ先生は、ニコニコして見守っている。
「もう一回、
平田さん、トシ子さん、やって見せてね」
・・・二人が踊る。
確かに平田さんは、
スタートの向きから比べて、ファンに開いた時は、
左に90度ほど回転して終わっている。
でも、平田さん自身は、
「いやぁ、特に回転しようとは思っていないんですけど・・・」
と、不思議そうな顔だ。
「女性の左足を両足の中に入れて、
それから女性をファンに導こうってやっていたら、
勝手に回転したんですわ。
それに、さっき習った、呼吸を使ったアップ＆ダウンを
女性と合わせながらしたら、すごくやりやすくなりました」
ジュンコ先生はその言葉を聞いてから、
みんなのほうに向きなおり、
「この
ベーシック・ムーブメントからファンに開く
という、
もっとも基礎的アクションの中に
たくさんの学びが隠されているのよ。
本当にルンバが上手くなりたい人は、
これがスムーズにできるようになることをまず目指してほしいくらいね」
みんなびっくりしたような眼をしている。
「たった3歩のステップなのにね。
とっても深い内容があるのよ。
注意事項をまとめたプリントを渡しておくので
参考にして練習してみてね」
ジュンコ先生のプリント
ベーシック・ムーブメントからファンに開く時
① 男性、次にファンに女性を導こうと決める
② 男性、ベーシック・ムーブメントの
２歩目（タイミング３）から回転をかけ始め、
次の左足を横の開くときに1/8（45度）左へ回転する。（タイミング４）
女性、男性とともに左へ1/8回転する。
このときは吸った感じのアップ感覚。
③ 男性、開いた左足の上で
呼吸を吐いた感じのダウン感覚（タイミング＆１＆）
それと連動して左手が楽に下り始める。
これが女性の左足を男性の両足の間に導く感覚となる。
女性、横に開いた右足のダウン感覚に合わせ、
男性とともに右手が楽に下り始める。
④ 男性、右足を後退。（タイミング２＆）
女性、左足を男性の両足の中ほどに前進。
男性は前の足の左足、女性は右足の上で、
ちょうど良い今（第96話）を感じステップしないと、成功しない。
男性は、無理やり女性を引っ張り込むことに。
女性は、ステップの位置、歩幅が決まらない。
⑤ 男性、左足その場に体重を移す。（タイミング３＆）
女性、右足後ろ、少し横に体重を移す。
ここで お互いアップ＆ダウンをあわせることが必要。
また、男性、女性をファンに導くための左への回転が始まっていることと、
女性が左に1/8回転することもポイント。
結果、お互い向かい合っている。
⑥ 男性、左への回転を続け、結果、上記の⑤と合わせ左に1/8回転。
右足、横少し前へ。
女性は、左へ1/4（90度）回転している。
左足は、後退。
晴れてファンポジションへ。（タイミング４）
続く 第104話へ
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ルンバの簡単なアマルガメーションを練習・・・
「何か質問はあるかしら？」
しばらくして、ジュンコ先生が声をかけるや否や
「ハイ！」
カナちゃんが手を上げ、
「ベーシック・ムーブメントからファンに開く所で、
坂田さんが邪魔になるんです」
邪魔と言われた坂田さん、
ちょっと顔を赤らめて申し訳なさそうにしているが
カナちゃんは止まらない。
「ファンに開くときって、
女性の左足は、
男性の両足の中に入るんですよね。
最初、やりにくいから外へ出たら
ファン・ポジションがものすごく遠くなったんで、
やっぱり中に入れようとしたら、ぶつかるんです・・・」
一生懸命、状況を説明する様子に、
「あ、うちと一緒。ね、カズ、そうよね」
和夫と真理も
“他人事ではない”様子で事態を見守っている。
ジュンコ先生から出された課題は
「ベーシック・ムーブメントは何回行ってもＯＫ。
ファンに開きたくなった時点でリード＆フォローを行うこと」
だったのだが・・・。
「さぁ、他の人はどうかしら？ うまく行ったカップルは？」
みんな苦笑している中、小さく手が上がった。
トシ子さんだった。
「平田さんは、
ちゃんとリードして下さったように思うんですけど…」
当の本人の平田さんは
「いやぁ、何もしていないような。
トシ子さんが気を利かして動いてくれたもので・・」
「では、
お二人にちょっと模範をやってみていただきましょう。
ベーシック・ムーブメントからファンです」
先生に言われ、二人は踊り始めた。
一応成功だ。
カナちゃんが問題にしていた、女性のファンの1歩目、左足前進も、
無事男性の両足の中に誘導されているようだ。
「どこか違うんだけどなぁ・・・。
私たちがやっていることと」
と、思ってカナちゃん・坂田さん・和夫・真理は、
目を凝らして見ていたが・・・。
「あ、向きが変わっている。
平田さん、最初にベーシックをしていたところから、
左に回転しているわ」
真理が小さく声を上げた。
ジュンコ先生は、ニコニコして見守っている。
「もう一回、
平田さん、トシ子さん、やって見せてね」
・・・二人が踊る。
確かに平田さんは、
スタートの向きから比べて、ファンに開いた時は、
左に90度ほど回転して終わっている。
でも、平田さん自身は、
「いやぁ、特に回転しようとは思っていないんですけど・・・」
と、不思議そうな顔だ。
「女性の左足を両足の中に入れて、
それから女性をファンに導こうってやっていたら、
勝手に回転したんですわ。
それに、さっき習った、呼吸を使ったアップ＆ダウンを
女性と合わせながらしたら、すごくやりやすくなりました」
ジュンコ先生はその言葉を聞いてから、
みんなのほうに向きなおり、
「この
ベーシック・ムーブメントからファンに開く
という、
もっとも基礎的アクションの中に
たくさんの学びが隠されているのよ。
本当にルンバが上手くなりたい人は、
これがスムーズにできるようになることをまず目指してほしいくらいね」
みんなびっくりしたような眼をしている。
「たった3歩のステップなのにね。
とっても深い内容があるのよ。
注意事項をまとめたプリントを渡しておくので
参考にして練習してみてね」
ジュンコ先生のプリント
ベーシック・ムーブメントからファンに開く時
① 男性、次にファンに女性を導こうと決める
② 男性、ベーシック・ムーブメントの
２歩目（タイミング３）から回転をかけ始め、
次の左足を横の開くときに1/8（45度）左へ回転する。（タイミング４）
女性、男性とともに左へ1/8回転する。
このときは吸った感じのアップ感覚。
③ 男性、開いた左足の上で
呼吸を吐いた感じのダウン感覚（タイミング＆１＆）
それと連動して左手が楽に下り始める。
これが女性の左足を男性の両足の間に導く感覚となる。
女性、横に開いた右足のダウン感覚に合わせ、
男性とともに右手が楽に下り始める。
④ 男性、右足を後退。（タイミング２＆）
女性、左足を男性の両足の中ほどに前進。
男性は前の足の左足、女性は右足の上で、
ちょうど良い今（第96話）を感じステップしないと、成功しない。
男性は、無理やり女性を引っ張り込むことに。
女性は、ステップの位置、歩幅が決まらない。
⑤ 男性、左足その場に体重を移す。（タイミング３＆）
女性、右足後ろ、少し横に体重を移す。
ここで お互いアップ＆ダウンをあわせることが必要。
また、男性、女性をファンに導くための左への回転が始まっていることと、
女性が左に1/8回転することもポイント。
結果、お互い向かい合っている。
⑥ 男性、左への回転を続け、結果、上記の⑤と合わせ左に1/8回転。
右足、横少し前へ。
女性は、左へ1/4（90度）回転している。
左足は、後退。
晴れてファンポジションへ。（タイミング４）
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