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(クローズ・ホールドで始める)
予備歩 3&4&1&
ベーシック・ムーブメント 2&3&4&1& 2&3&4&1&
ベーシック・ムーブメント 前半の3歩 2&3&4&1&
ファン 2&3&4&1&
アレマーナ 2&3&4&1& 2&3&4&1&
(クローズ・ホールドで終わる)
「大ざっぱに言うなら、
タイミングの1と&は、
上昇エネルギーと下降エネルギーが出会い、
床へのプレス方向に向うので
ダウン(低い)感覚
その他 2・3・4は、
その“出会いのエネルギー”が
“動くエネルギー”に転換されている
ときなのでだんだん高くなり
アップ(高い)感覚へ移行
この
アップ&ダウンの垂直エネルギー
をうまく使いながら、
踊る・・・ということなんだけれど、
言っていることわかるかしら?」
アップ?ダウン?
イメージがつかみきれないでいる人が大半のようだ。
「少し説明が必要なようね」
ジュンコ先生はみんなの様子を感じてそう言いながら、
なにかをポケットから取り出した。
ピンポン球だ。
ソレを持ったまま、頭高くに手を上げ、手を離す。
ピンポン玉は床へ落下し、
その後、何度か跳ね、床にずーっと転がって行った・・・。
「地球上どこに行っても、この力は働いているわ。
物体を下に引っ張る力」
重力・・・
みんな口々につぶやいている。
「地球上でダンスをする限り、
絶対に視野にいれておかなければいけない力ね。
無視して踊ると、
とんでもなく難しいダンスを
自分のカラダに強いることになる
ジュンコ先生は真剣なまなざしだ。
「まぁ本当は無視しようにも、できないんだけれどね。
私たちに“体重”というものがある限り。
床へ自分の重みを預けて、
床がその重みを受けてくれるから、立っていられる。
言うなれば、地球が引っ張ってくれる力で
立たしてもらっているようなものね」
「無重力状態の世界に行ったら浮いちゃいますものね」
紀子さんが言った。
「そう!で、いうなれば、今立っていることそれ自体、
床へのプレス状態であるわけよ。
自分の体重で床を押して、
床はそれと同じ分の力で押し返してくれている・・・
これは何度かお話した通り。
でも当たり前すぎて日頃自覚がない分、ホント、忘れやすい。
ダンスは、この絶対的な事実を
もう一回感じ始めることから始まるの」
フンフンと、
みんなうなずいている。
「さて、この立った状態から
フツーに歩き出すだけだったら、
床へプレスした“出会いのエネルギー”を
どうやって“動きのエネルギー”に転換させていこうか・・・?
なんて改めて考えなくても、もうずいぶん練習してきたでしょう!?
平田さんでもう60年くらいはされている・・・」
「イヤ正確には、68年ですわ」
みんなから、笑いが起こった。
「では、ここでちょっとイジワルな質問。
みなさん、
『床へプレスした“出会いのエネルギー”を純粋に無理なく
“歩くというエネルギー”に転換できていますか?』
つまり、上手に歩けていますか?」
みんなは、
いや~自信がないなぁという雰囲気だ。
「今“歩き方教室”があるくらいでしょ?
街を見ても奇麗に歩いている方ってお目にかからないわ」
ケイコさんが言いだした。
「そうね。
地球が引っ張ってくれる力を最大限に利用して合理的に、
美しく歩いている人は、ソウソウいないわね。
なぜって、学校で習わないし、特に日常に支障もないのに
『もっといい歩き方ができるように勉強しなおそう!』
なんて人もいないわ。
つまり、歩くだけでも難しいわけ。
それなのに日常の様々な運動について
『すべて、重力を視野にいれた
ナチュラルな身体操作で行っていますか?』
問われると・・・NO!よね」
うなずくみんなの様子を確かめながら、
次に、先生は元気よくこう言った。
「日常の運動でさえそうだから、
ダンスになったら余計に難しい・・・。
日頃感じているよりも、ずっと細やかで、
圧倒的に広い範囲の、
身体感覚を必要とされるからね。
でもそれだけに、
真にナチュラルな動きができる人に目覚めるチャンスなのよ!」
ジュンコ先生は、そう言って、
「ダンスはどの種目でも、
身体能力を鍛えるものであるけれど、
特にルンバは、
床へプレスした“出会いのエネルギー”を
どうやって“動きのエネルギー”に転換させていくか
という感覚を磨くのに最適なの。
スタンダード種目よりもわかりやすいわ」
え、なぜ?
みんなは驚いているようすだ。
「ルンバのほうが、
スタンダード種目よりお互い距離感を持って踊れるから、
相手の悪い影響を受けずに、
自分エネルギーを動かしやすいという、
物理的理由が一点。
それから、
垂直パワー=“出会いのエネルギー”を使った結果を、
ボディアイソレーションなり
ヒップムーブメントなりに
そのまま表現して良いから、
感覚的にも視覚的にもわかりやすい、
コレが大きいわね。
ルンバはテンポがゆっくりだから、自覚を持って練習しやすいし」
ジュンコ先生はそう言ってから
「スタンダード種目は、
“出会いのエネルギー”の多くが
“ホールド=組む行為”と
“移動するエネルギー”に転換されてしまうから、
ちょっとわかりにくいのね。
上手になればなるほどにナーンにもしていないかのようにも見えちゃう。
外観はスーッと背筋を伸ばして
ホールドという枠を作って二人がピッタリくっついて…って感じに見えるから、
カラダの中はルンバのボディアイソレーションや
ヒップムーブメントみたいに動いてるのよ、
なんて言われてもピンとこないものね」
ジュンコ先生は笑いながら、そう言ってから
「さて、話を元に戻すわね。
ルンバのこのアマルガメーションを利用して、
アップ
・・・呼吸で言うなら吸う
あばら骨と骨盤が最大限に開いた状態
ダウン
・・・呼吸で言うなら吐く
あばら骨がクシャッと縮まり、
骨盤との位置も最も近い閉じた状態
ヒップムーブメントが起こる (第94話)
を試してみてね。
正しくできれば、そのアップ&ダウン感覚の中にリード&フォローが
上手く組み込まれているのがわかるはずよ」
続く 第103話へ
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床へのプレス方向に向うので
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その“出会いのエネルギー”が
“動くエネルギー”に転換されている
ときなのでだんだん高くなり
アップ(高い)感覚へ移行
この
アップ&ダウンの垂直エネルギー
をうまく使いながら、
踊る・・・ということなんだけれど、
言っていることわかるかしら?」
アップ?ダウン?
イメージがつかみきれないでいる人が大半のようだ。
「少し説明が必要なようね」
ジュンコ先生はみんなの様子を感じてそう言いながら、
なにかをポケットから取り出した。
ピンポン球だ。
ソレを持ったまま、頭高くに手を上げ、手を離す。
ピンポン玉は床へ落下し、
その後、何度か跳ね、床にずーっと転がって行った・・・。
「地球上どこに行っても、この力は働いているわ。
物体を下に引っ張る力」
重力・・・
みんな口々につぶやいている。
「地球上でダンスをする限り、
絶対に視野にいれておかなければいけない力ね。
無視して踊ると、
とんでもなく難しいダンスを
自分のカラダに強いることになる
ジュンコ先生は真剣なまなざしだ。
「まぁ本当は無視しようにも、できないんだけれどね。
私たちに“体重”というものがある限り。
床へ自分の重みを預けて、
床がその重みを受けてくれるから、立っていられる。
言うなれば、地球が引っ張ってくれる力で
立たしてもらっているようなものね」
「無重力状態の世界に行ったら浮いちゃいますものね」
紀子さんが言った。
「そう!で、いうなれば、今立っていることそれ自体、
床へのプレス状態であるわけよ。
自分の体重で床を押して、
床はそれと同じ分の力で押し返してくれている・・・
これは何度かお話した通り。
でも当たり前すぎて日頃自覚がない分、ホント、忘れやすい。
ダンスは、この絶対的な事実を
もう一回感じ始めることから始まるの」
フンフンと、
みんなうなずいている。
「さて、この立った状態から
フツーに歩き出すだけだったら、
床へプレスした“出会いのエネルギー”を
どうやって“動きのエネルギー”に転換させていこうか・・・?
なんて改めて考えなくても、もうずいぶん練習してきたでしょう!?
平田さんでもう60年くらいはされている・・・」
「イヤ正確には、68年ですわ」
みんなから、笑いが起こった。
「では、ここでちょっとイジワルな質問。
みなさん、
『床へプレスした“出会いのエネルギー”を純粋に無理なく
“歩くというエネルギー”に転換できていますか?』
つまり、上手に歩けていますか?」
みんなは、
いや~自信がないなぁという雰囲気だ。
「今“歩き方教室”があるくらいでしょ?
街を見ても奇麗に歩いている方ってお目にかからないわ」
ケイコさんが言いだした。
「そうね。
地球が引っ張ってくれる力を最大限に利用して合理的に、
美しく歩いている人は、ソウソウいないわね。
なぜって、学校で習わないし、特に日常に支障もないのに
『もっといい歩き方ができるように勉強しなおそう!』
なんて人もいないわ。
つまり、歩くだけでも難しいわけ。
それなのに日常の様々な運動について
『すべて、重力を視野にいれた
ナチュラルな身体操作で行っていますか?』
問われると・・・NO!よね」
うなずくみんなの様子を確かめながら、
次に、先生は元気よくこう言った。
「日常の運動でさえそうだから、
ダンスになったら余計に難しい・・・。
日頃感じているよりも、ずっと細やかで、
圧倒的に広い範囲の、
身体感覚を必要とされるからね。
でもそれだけに、
真にナチュラルな動きができる人に目覚めるチャンスなのよ!」
ジュンコ先生は、そう言って、
「ダンスはどの種目でも、
身体能力を鍛えるものであるけれど、
特にルンバは、
床へプレスした“出会いのエネルギー”を
どうやって“動きのエネルギー”に転換させていくか
という感覚を磨くのに最適なの。
スタンダード種目よりもわかりやすいわ」
え、なぜ?
みんなは驚いているようすだ。
「ルンバのほうが、
スタンダード種目よりお互い距離感を持って踊れるから、
相手の悪い影響を受けずに、
自分エネルギーを動かしやすいという、
物理的理由が一点。
それから、
垂直パワー=“出会いのエネルギー”を使った結果を、
ボディアイソレーションなり
ヒップムーブメントなりに
そのまま表現して良いから、
感覚的にも視覚的にもわかりやすい、
コレが大きいわね。
ルンバはテンポがゆっくりだから、自覚を持って練習しやすいし」
ジュンコ先生はそう言ってから
「スタンダード種目は、
“出会いのエネルギー”の多くが
“ホールド=組む行為”と
“移動するエネルギー”に転換されてしまうから、
ちょっとわかりにくいのね。
上手になればなるほどにナーンにもしていないかのようにも見えちゃう。
外観はスーッと背筋を伸ばして
ホールドという枠を作って二人がピッタリくっついて…って感じに見えるから、
カラダの中はルンバのボディアイソレーションや
ヒップムーブメントみたいに動いてるのよ、
なんて言われてもピンとこないものね」
ジュンコ先生は笑いながら、そう言ってから
「さて、話を元に戻すわね。
ルンバのこのアマルガメーションを利用して、
アップ
・・・呼吸で言うなら吸う
あばら骨と骨盤が最大限に開いた状態
ダウン
・・・呼吸で言うなら吐く
あばら骨がクシャッと縮まり、
骨盤との位置も最も近い閉じた状態
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