2007.05.03 (第100話) 呼吸を使った究極のリード&フォローXXⅡ みぞおちから揺れて踊るルンバ
目次へ
「何か長いひも状のものはあるかしら?」
ジュンコ先生は尋ね、
みんなが戸惑っていると、
「あぁ、これで代用するわ」
自分の首にかけていたネックレスを取り外し、
そのちょうど真ん中を右手の指でつまみ上げた。
で、左手の手のひらを広げ、
そのブラーンとなった先を手のひらスレスレに触れさせた。
それから、
つまんでいる部分をそっと揺らすと、
当然、
ぶら下がっているネックレスも揺れた・・・
「この状態でルンバを踊るといいのよ」
と、ジュンコ先生は言うが
・・・みんなキョトーン???
「説明するわね。
手のひらが“床”
ネックレスは“大腰筋”
下に向かって、
途中からは“脚”になり、
さらに下に行って、
床と接しているところが“足”ね。
ネックレスをつまんでいる指の部分は
大腰筋と背骨の接点ね」
先生、また面白いことを言い出したな、
教室にそんな雰囲気が漂いはじめ
「足はこうやって、大腰筋によって吊られていて、
その大腰筋は背骨にくっついている。
カラダの前面で言うと、みぞおちあたりだったわね」
みんなはうなずき始めた。
ルンバもやっぱり
“みぞおちから足”で踊るんですね」(第23話)
カナちゃんが言った。
「そうよ!F氏の言う、謎の逆さV(ブイ)マークでね(第99話)
足がみぞおちから吊られているイメージは、こうかしら?」
ジュンコ先生は、
ネックレスを持った手を自分のみぞおちあたりに持っていった。
「このネックレスが
ズーッと長く、下までたれていると思ってね。
足元の操作をするには、
この手元、つまり大腰筋を操作すればいい」
先生はそう言って、手元を揺らしている・・・。
みんな真剣な表情で聞いている。
「大腰筋は背骨を通じて、横隔膜などの呼吸筋とつながっている
インナーマッスルの要だったわね。(第63話)
大腰筋を中心とした
インナーマッスル群のネットワークが良くなるにつれて、
ステップからステップの間は、
急いで飛び乗る必要はなくなってくるわ。
ステップからステップの間を切れずにずーっとつなぐことも可能。
細やかな表現もできるようになってくるわ。(第98話)
ちなみに、
あのカラダの中での無限大∞運動(第88話)
もその例の一つよ」
ジュンコ先生はそう言ってから
「ルンバは、大腰筋を使った実感がわかりやすい種目、
だから、よく練習しておくとスタンダードに活かせるわよ、
ただし・・・」
先生はみんなを見回しながら言葉を続けた。
「スタンダードは“スイング”って言葉があるから、
“足が吊られていて、振る感覚でステップするのよ”
といっても違和感がないかもしれないけれど、
ルンバなどラテン種目ではコノ感覚が難しいかもしれないわね」
と言いながら、手のひらにそっとネックレスの先を触れさせた。
「足と床の接触感覚が触れるか触れないかくらいの
ソフトタッチで、
しかも、足は吊りあげられてブランブラン、
全く力が抜けている状態よ・・・」
「あのぉ~混乱してきました。
うまい人のルンバって、
根っこが生えたような床へのプレス感があるように思うんですけど・・・。
今のお話だと、
フワフワ浮いた根なし草のルンバをイメージしてしまうのですが」
佐藤さんだった。
「僕もよくわかりません。
以前の先生には『もっと重く踊れ!』
とサンザン注意を受けてきたものですから」
森田さんも声を上げた。
「私は、足の力が抜けて
ブランブランという感覚のイメージがつかないのです」
ケイコさんもワケがわからなくなってきたようだ。
ジュンコ先生は、ニコニコして笑って聞いている。
予想通りの反応ね・・・といったところだ。
「そうね、理解は難しいでしょうね。
なぜって
“下半身が吊られて、足の力が全く抜けた状態の感じ”
なんて日頃なかなか味わえないからね。
いつも地面ってものが下にあるから」
ジュンコ先生はそう言って
「鉄棒にぶら下がって、
ダラーと下半身の力を思いっきり抜いた感覚が最も近いかな?」
「え~?あんなに抜いちゃうんですか?足の力?
ヘロヘロになって立っていられないんじゃないんですか?」
ケイコさんは驚きの声を上げた。
みんなも息をひそめて先生の次の言葉を待っている。
「まず、誤解を解かなきゃダメなんだけれど、
足に最初から力を入れてはダメということで、
床をプレスした結果、入るのはOK。
これは、無駄な力みとは言わないのよ。
作用と反作用の話を思い出してね。
ただし、覚えているかナ?強く床をプレスしたいんだったら、
足の力はかえって抜かなきゃダメだったわね」
「思い出しました。
足は床からのパワーやエネルギーを流す導線でしたね。
床を押した分の反作用で足に力が入るのはいいということですよね」
森田さんが言い、
周りのみんなも少しは納得を始めたようだ。
先生は、もう一度、
手のひらにそっとネックレスの先を触れさせながら
「このネックレスの先は床からパワーをもらい続けているのよ。
このパワーがある限りは
ちゃんと根っこのあるルンバが踊れるわ」
ジュンコ先生はそういったが、
まだみんな腑に落ちていない様子。
「OK、では試しに来週から、
できるだけ足の力を抜いて
インナーマッスル・ネットワークだけで踊ってみましょう。
そのほうが目指すリード&フォローのもたどり着けるわよ」
続く 第101話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
「何か長いひも状のものはあるかしら?」
ジュンコ先生は尋ね、
みんなが戸惑っていると、
「あぁ、これで代用するわ」
自分の首にかけていたネックレスを取り外し、
そのちょうど真ん中を右手の指でつまみ上げた。
で、左手の手のひらを広げ、
そのブラーンとなった先を手のひらスレスレに触れさせた。
それから、
つまんでいる部分をそっと揺らすと、
当然、
ぶら下がっているネックレスも揺れた・・・
「この状態でルンバを踊るといいのよ」
と、ジュンコ先生は言うが
・・・みんなキョトーン???
「説明するわね。
手のひらが“床”
ネックレスは“大腰筋”
下に向かって、
途中からは“脚”になり、
さらに下に行って、
床と接しているところが“足”ね。
ネックレスをつまんでいる指の部分は
大腰筋と背骨の接点ね」
先生、また面白いことを言い出したな、
教室にそんな雰囲気が漂いはじめ
「足はこうやって、大腰筋によって吊られていて、
その大腰筋は背骨にくっついている。
カラダの前面で言うと、みぞおちあたりだったわね」
みんなはうなずき始めた。
ルンバもやっぱり
“みぞおちから足”で踊るんですね」(第23話)
カナちゃんが言った。
「そうよ!F氏の言う、謎の逆さV(ブイ)マークでね(第99話)
足がみぞおちから吊られているイメージは、こうかしら?」
ジュンコ先生は、
ネックレスを持った手を自分のみぞおちあたりに持っていった。
「このネックレスが
ズーッと長く、下までたれていると思ってね。
足元の操作をするには、
この手元、つまり大腰筋を操作すればいい」
先生はそう言って、手元を揺らしている・・・。
みんな真剣な表情で聞いている。
「大腰筋は背骨を通じて、横隔膜などの呼吸筋とつながっている
インナーマッスルの要だったわね。(第63話)
大腰筋を中心とした
インナーマッスル群のネットワークが良くなるにつれて、
ステップからステップの間は、
急いで飛び乗る必要はなくなってくるわ。
ステップからステップの間を切れずにずーっとつなぐことも可能。
細やかな表現もできるようになってくるわ。(第98話)
ちなみに、
あのカラダの中での無限大∞運動(第88話)
もその例の一つよ」
ジュンコ先生はそう言ってから
「ルンバは、大腰筋を使った実感がわかりやすい種目、
だから、よく練習しておくとスタンダードに活かせるわよ、
ただし・・・」
先生はみんなを見回しながら言葉を続けた。
「スタンダードは“スイング”って言葉があるから、
“足が吊られていて、振る感覚でステップするのよ”
といっても違和感がないかもしれないけれど、
ルンバなどラテン種目ではコノ感覚が難しいかもしれないわね」
と言いながら、手のひらにそっとネックレスの先を触れさせた。
「足と床の接触感覚が触れるか触れないかくらいの
ソフトタッチで、
しかも、足は吊りあげられてブランブラン、
全く力が抜けている状態よ・・・」
「あのぉ~混乱してきました。
うまい人のルンバって、
根っこが生えたような床へのプレス感があるように思うんですけど・・・。
今のお話だと、
フワフワ浮いた根なし草のルンバをイメージしてしまうのですが」
佐藤さんだった。
「僕もよくわかりません。
以前の先生には『もっと重く踊れ!』
とサンザン注意を受けてきたものですから」
森田さんも声を上げた。
「私は、足の力が抜けて
ブランブランという感覚のイメージがつかないのです」
ケイコさんもワケがわからなくなってきたようだ。
ジュンコ先生は、ニコニコして笑って聞いている。
予想通りの反応ね・・・といったところだ。
「そうね、理解は難しいでしょうね。
なぜって
“下半身が吊られて、足の力が全く抜けた状態の感じ”
なんて日頃なかなか味わえないからね。
いつも地面ってものが下にあるから」
ジュンコ先生はそう言って
「鉄棒にぶら下がって、
ダラーと下半身の力を思いっきり抜いた感覚が最も近いかな?」
「え~?あんなに抜いちゃうんですか?足の力?
ヘロヘロになって立っていられないんじゃないんですか?」
ケイコさんは驚きの声を上げた。
みんなも息をひそめて先生の次の言葉を待っている。
「まず、誤解を解かなきゃダメなんだけれど、
足に最初から力を入れてはダメということで、
床をプレスした結果、入るのはOK。
これは、無駄な力みとは言わないのよ。
作用と反作用の話を思い出してね。
ただし、覚えているかナ?強く床をプレスしたいんだったら、
足の力はかえって抜かなきゃダメだったわね」
「思い出しました。
足は床からのパワーやエネルギーを流す導線でしたね。
床を押した分の反作用で足に力が入るのはいいということですよね」
森田さんが言い、
周りのみんなも少しは納得を始めたようだ。
先生は、もう一度、
手のひらにそっとネックレスの先を触れさせながら
「このネックレスの先は床からパワーをもらい続けているのよ。
このパワーがある限りは
ちゃんと根っこのあるルンバが踊れるわ」
ジュンコ先生はそういったが、
まだみんな腑に落ちていない様子。
「OK、では試しに来週から、
できるだけ足の力を抜いて
インナーマッスル・ネットワークだけで踊ってみましょう。
そのほうが目指すリード&フォローのもたどり着けるわよ」
続く 第101話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
| Home |