2007.05.02 (第99話) 呼吸を使った究極のリード&フォローXXI ルンバは足で踏ん張っちゃダメ!?
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「ココが、右足、ココが、左足・・デスネ」
ルンバのレッスン中
その英国人コーチャーF氏は、
カタコト日本語を言いながら私のカラダに触れてきた。
「え?なんでココが足なの?」
ココの場所とは・・・ちょうど、みぞおち辺り。
あばら骨ってカラダの前面で左右にパカッて開いているでしょ?
その開いたところの右側が、右足。
左側が左足。
「▲☆○◎◆△・・」
F氏、どうやら詳しい説明に入り始めたようだ。
アーン、何言っているのかわからない。
「今はあばらの骨に触れましたが、
現実はそれよりも奥、カラダの中にある筋肉です」
そばにいる、通訳の女性の言葉だ。
「その部分を踏み替えることで、
実際の足を踏み替えることになるのです」
ん???
「足は2本に分かれてついていますが、
その部分ではくっついています」
くっついている?
F氏は白板に大きく ∧ と書いた。
逆さV・・・謎のマーク・・・
今、思い出すと噴き出しちゃうなぁ。
だって、当時まだプロになって駆け出しの頃。
どんなにすごいコーチャーの貴重なレクチャーを受けても、
その値打ちがわかんない!
猫に小判
ブタに真珠
とは、よくいったものね。
それでも、その頃はその頃で真剣だった。
メモ用紙に「∧」とシッカリ書いたもの。
それが、今をときめく
大腰筋のことだなんて知らない、シラナイ!
アノ頃からずーっと、
私のカラダの中にあったんだろうに・・・。
“ジュンコ先生にも、そんな時代があったんだなぁ”
みんなは興味深く話を聞いている。
「F氏は私の両手を握り
『これからいくつかの注意を与える。
そこが変われば、ジュンコのルンバは驚くほどに良くなるだろう』
そう言ったの。
その眼はやさしそうに笑っていた」
先生は、当時を懐かしむように言いだした。
「F氏は通訳を通し、私に言ったのよ。
① ジュンコは、
足を踏んばることでカラダを支えようとしている。
それは良くない
それから、立て続けに
② 今から言う部分の力を抜きなさい・・・
太ももの前面、ふくらはぎ、足の指。
それらがスティッフ(stiff)硬いと、良いルンバは踊れない。
③ ステップからステップがつながっておらず、
時折バランスを壊すのも足のリキみのせいだ。
・・・そのようなことをダダダダと注意されたわ。
当時の私にしたら???なモノばかりだった。
英語だから質問しようにもできなくて。
まぁ、通訳の方にお願いしても良かったんだけれども、
正直、何をどう聞いて良いのかわからないくらいだったの。
今まで自分がルンバを踊る際、
正しいと思ってやってきたことが全部覆されたようにも思ったし」
ジュンコ先生は笑いながらそう言い
「みんなの参考になるかもしれないから、
F氏のレクチャーに対して当時の私がどう思ったか、
ちょっと整理しておくわね。
①について
足元という土台をしっかりさせるため、
踏ん張るのが当然だと思っていた。
だから、なぜダメなのかがわからない。
②について
美しいレッグ・ライン(脚のライン)を出すためにも、
足に力を入れて踊っていた。
足指で床を捕まえることも・・・それってNGなの?
③について
ステップからステップがつながっていないのは気が付いていたけど、
それは一歩いっぽ立てていないせいだと思っていた。
足の力を抜いたら立てなくなるんじゃないの?」
「F氏からのメッセージを紐解いていくのには、
かなりの時間がかかったわ。
でも、最終的には、
ルンバはしっかり足でプレスして…という呪縛から解放されたの。
あのまま足の力を頼って踊っていたら、
謎のマーク∧は、それこそ一生謎で終わっていたでしょうね」
ジュンコ先生はそう言ってから
「ステップからステップがどうして切れるのか、
つながっても硬い直線運動になってしまうのか・・・
みんなもわかってきたかしら?」
大腰筋を使わず、
実際の足で頑張って踊っているから
和夫が即座に答えた。
「そう!大腰筋に代表されるインナーマッスル、
呼吸筋の連動によるサポート・ネットワーク・システムが
ここでも重要になってくるのよ」
「先生、ホールドのときに習いましたね。
スタンダードもラテンもその点は同じなのですか?」
トシ子さんが尋ね、
「そうよ。特に、ルンバなどはもっとそのシステムがわかると、
脚部の負担が減って、
そっちに使っていたエネルギーを他のほうへまわせるようになってくるわ」
他のほうへ?
みんなが同時にそう思ったのを察して
「どこへまわすかって…
リード&フォローと音楽に向けてよ」
またしても登場の大腰筋。
ルンバにおける重要テクニックが次回明かされる・・・。
続く 第100話へ
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「ココが、右足、ココが、左足・・デスネ」
ルンバのレッスン中
その英国人コーチャーF氏は、
カタコト日本語を言いながら私のカラダに触れてきた。
「え?なんでココが足なの?」
ココの場所とは・・・ちょうど、みぞおち辺り。
あばら骨ってカラダの前面で左右にパカッて開いているでしょ?
その開いたところの右側が、右足。
左側が左足。
「▲☆○◎◆△・・」
F氏、どうやら詳しい説明に入り始めたようだ。
アーン、何言っているのかわからない。
「今はあばらの骨に触れましたが、
現実はそれよりも奥、カラダの中にある筋肉です」
そばにいる、通訳の女性の言葉だ。
「その部分を踏み替えることで、
実際の足を踏み替えることになるのです」
ん???
「足は2本に分かれてついていますが、
その部分ではくっついています」
くっついている?
F氏は白板に大きく ∧ と書いた。
逆さV・・・謎のマーク・・・
今、思い出すと噴き出しちゃうなぁ。
だって、当時まだプロになって駆け出しの頃。
どんなにすごいコーチャーの貴重なレクチャーを受けても、
その値打ちがわかんない!
猫に小判
ブタに真珠
とは、よくいったものね。
それでも、その頃はその頃で真剣だった。
メモ用紙に「∧」とシッカリ書いたもの。
それが、今をときめく
大腰筋のことだなんて知らない、シラナイ!
アノ頃からずーっと、
私のカラダの中にあったんだろうに・・・。
“ジュンコ先生にも、そんな時代があったんだなぁ”
みんなは興味深く話を聞いている。
「F氏は私の両手を握り
『これからいくつかの注意を与える。
そこが変われば、ジュンコのルンバは驚くほどに良くなるだろう』
そう言ったの。
その眼はやさしそうに笑っていた」
先生は、当時を懐かしむように言いだした。
「F氏は通訳を通し、私に言ったのよ。
① ジュンコは、
足を踏んばることでカラダを支えようとしている。
それは良くない
それから、立て続けに
② 今から言う部分の力を抜きなさい・・・
太ももの前面、ふくらはぎ、足の指。
それらがスティッフ(stiff)硬いと、良いルンバは踊れない。
③ ステップからステップがつながっておらず、
時折バランスを壊すのも足のリキみのせいだ。
・・・そのようなことをダダダダと注意されたわ。
当時の私にしたら???なモノばかりだった。
英語だから質問しようにもできなくて。
まぁ、通訳の方にお願いしても良かったんだけれども、
正直、何をどう聞いて良いのかわからないくらいだったの。
今まで自分がルンバを踊る際、
正しいと思ってやってきたことが全部覆されたようにも思ったし」
ジュンコ先生は笑いながらそう言い
「みんなの参考になるかもしれないから、
F氏のレクチャーに対して当時の私がどう思ったか、
ちょっと整理しておくわね。
①について
足元という土台をしっかりさせるため、
踏ん張るのが当然だと思っていた。
だから、なぜダメなのかがわからない。
②について
美しいレッグ・ライン(脚のライン)を出すためにも、
足に力を入れて踊っていた。
足指で床を捕まえることも・・・それってNGなの?
③について
ステップからステップがつながっていないのは気が付いていたけど、
それは一歩いっぽ立てていないせいだと思っていた。
足の力を抜いたら立てなくなるんじゃないの?」
「F氏からのメッセージを紐解いていくのには、
かなりの時間がかかったわ。
でも、最終的には、
ルンバはしっかり足でプレスして…という呪縛から解放されたの。
あのまま足の力を頼って踊っていたら、
謎のマーク∧は、それこそ一生謎で終わっていたでしょうね」
ジュンコ先生はそう言ってから
「ステップからステップがどうして切れるのか、
つながっても硬い直線運動になってしまうのか・・・
みんなもわかってきたかしら?」
大腰筋を使わず、
実際の足で頑張って踊っているから
和夫が即座に答えた。
「そう!大腰筋に代表されるインナーマッスル、
呼吸筋の連動によるサポート・ネットワーク・システムが
ここでも重要になってくるのよ」
「先生、ホールドのときに習いましたね。
スタンダードもラテンもその点は同じなのですか?」
トシ子さんが尋ね、
「そうよ。特に、ルンバなどはもっとそのシステムがわかると、
脚部の負担が減って、
そっちに使っていたエネルギーを他のほうへまわせるようになってくるわ」
他のほうへ?
みんなが同時にそう思ったのを察して
「どこへまわすかって…
リード&フォローと音楽に向けてよ」
またしても登場の大腰筋。
ルンバにおける重要テクニックが次回明かされる・・・。
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