2007.05.01 (第98話) 呼吸を使った究極のリード&フォローXX 点から線へそして渦へ
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さてさて今度は、
もーっと簡単な「手合わせ遊び」をやってみましょう。
手合わせ遊びといっても、相手と手を合わせるんじゃなくて、
自分の手を「トン」と打つだけ・・・つまり拍手。
1メートルくらい離れて向かい合った相手と、同時に拍手する。
その「トン」を合わせるんだ。
じゃ、行くよ、せーの「トン」
コレコレ、せーのって口に出したらダメ。
おおっと、ちょっと難しくなったぞ。
じゃ、行くよ、・・・・・・・「トン」
アハ!うまくいったねぇ。
「じゃ、行くよ」から、
手を「トン」と合わせるまでの“間”
この“間”って独特な時間だよね。
どちらがどちらに合わせるとか、というものではなく、
いうなれば、互いに先導し合い
「せーの=さぁ、行きますよぉ」
と相手と気持ちをあわしつつ、
全神経を集中させ・・・「トン」に至る。
では、
「せーの」のときのカラダの様子、見てみましょうか。
リキみがないな。
程よく力が抜けている。
で、お互いがベストなタイミングで「トン」と合わせるために
手を広げ「手を合わせようという意思表示」をカラダで示しているぞ。
呼吸は?
あ、静かに吸っているな。
すごい!「トン」を合わせるために、
カラダは自動的にたくさんのことをしていたんだ。
じゃぁ「トン」を何回か繰り返してみよう。
だんだんタイミングがつかめてきて
「トン」は合いやすくなってくるだろう?
それは、カラダで示す「せーの」がお互いうまくなってきて、
次、いつ相手の「トン」が来るかが予測できるようになったから。
二人の「せーの」の波ができ上がったんだね!
でも、ここでどっちかがイジワルして
カラダを直立不動って感じで、力ませて、呼吸も止めて
「トン」から「トン」を、ブツ切れにしたり、
間を不規則にしたりしたら・・・
わぁ、いっぺんに合わなくなったよ。
「某ダンス先進国では、さっきのセッセッセも含めた(第97話)
『手合わせ遊び』に似たものを
リード&フォロー感を養うための訓練として
レッスンでも取り入れているのよ」
へぇ~みんなは驚いた様子だ。
「まぁ言うなれば、
“間”の取り方・伝え方の訓練ね」
と、ジュンコ先生は言いながら、
白板に● ●2点を書いた。
「“手合わせ遊び”で言うなら、
この点は『トン』と手を打つところ。
『トン』から次の『トン』の白い部分が『間』。
二人の『トン』がピッタリあうためには、
点●と点●の“間”が大切なのね」
「点●を手ではなく、足、
つまりステップに置き換えてみると、
ダンスのレッスンに早変わり!
ダンスの場合は“せーの”の替わりに音楽があるし、
ステップのタイミング だってちゃんとあるわけだから
相手と合わせるのは簡単なようなんだけれども、
手合わせ遊びの悪い例のように、
どちらか一方の人だけでも、
ステップからステップの間がブツ切れになったり、
不規則になってしまったら、とたんに相手と合わなくなっちゃう」
それに点●と点●の間がうまくつながっていないと、
リード&フォローも難しくなっちゃうのよね。
なぜなら
リード&フォローは、
主に点●と点●の間に存在する
ものだから」
先生はそう言ってから
「良いフィーリングで手合わせ遊びをやっているときのように、
力まず、しっかりと意思表示をし合い、
お互いの動きを予測できる“間”が持てるようになったら、
だんだんと相手と合ってくるし、
緻密なリード&フォローも可能になってくるわ」
「先生、今まで習ったことから考えてみれば、
お互いが音楽をしっかり聴けるようになったら、
そんな間が持てるように思うんですけど」
ケイコさんだ。
「その通りよ。
音楽は点●と点●の間をつなぐ
大いなるベースになるからね。
でもまだ音楽を「聞く」段階の人が多いからね・・・」(第90話)
ジュンコ先生は少し困ったような顔をして
「音楽を「聞く」段階の人は「1・2・3・4」とブツ切れになりやすい。
つまり、
点●から点●にいきなり飛び乗っていくようなものだから難しいわね」
「じゃぁ、点●から点●、
ステップからステップが線でつながれば良いんですね」
坂田さんがつぶやいた。
「そうなのよ!
ではどんな線がいいと思う?」
「どんな線・・・?」
と首をひねりながらも、みんな口ぐちに言いだした。
「お互いが感じやすいように、キレギレでない、つながった線」
とトシ子さん
「ハッキリだけど、柔らかい線でしょうな」
と平田さん
「音楽を『聴く』段階の人なら、
音楽を感じた通りの線でつなぐんだろうな」
と千恵子さん
細やかな点の集まりの線・・・
最後に言ったのは和夫だった。
「まぁ、すごい!全部正解よ。
特に『細やかな点の集まり』というのはいい表現だわ」
ジュンコ先生はそう嬉しそうに言ってから
「●から●の「間」は上級者ほど、
切れずにずーっとつながっていて、
ケシつぶのように細やかで繊細な
粒が集まって生み出された線になり、
それが音楽を感じることで、曲線になり
相手と絡まることで、渦を巻き、
より立体的になっていく・・・」
「オーなんだか詩的な表現ですな」
平田さんが感心したように言った。
「ありがとう(笑)
ルンバのすべてのアクションに
そう言う“間”を作り出していきたいんだけれど、
なかなかうまくいかないのよね。
セイゼイ直線どまりの人が多いわ。
これは音楽の聴き方のせい以外に、他にも大きな原因があるの・・・」
次回、絶妙な“間”を作り出すために、
見直さなければいけないあるテクニックについて
解き明かされる・・・。
続く 第99話へ
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とても励みになっています。(ジュンコ)
さてさて今度は、
もーっと簡単な「手合わせ遊び」をやってみましょう。
手合わせ遊びといっても、相手と手を合わせるんじゃなくて、
自分の手を「トン」と打つだけ・・・つまり拍手。
1メートルくらい離れて向かい合った相手と、同時に拍手する。
その「トン」を合わせるんだ。
じゃ、行くよ、せーの「トン」
コレコレ、せーのって口に出したらダメ。
おおっと、ちょっと難しくなったぞ。
じゃ、行くよ、・・・・・・・「トン」
アハ!うまくいったねぇ。
「じゃ、行くよ」から、
手を「トン」と合わせるまでの“間”
この“間”って独特な時間だよね。
どちらがどちらに合わせるとか、というものではなく、
いうなれば、互いに先導し合い
「せーの=さぁ、行きますよぉ」
と相手と気持ちをあわしつつ、
全神経を集中させ・・・「トン」に至る。
では、
「せーの」のときのカラダの様子、見てみましょうか。
リキみがないな。
程よく力が抜けている。
で、お互いがベストなタイミングで「トン」と合わせるために
手を広げ「手を合わせようという意思表示」をカラダで示しているぞ。
呼吸は?
あ、静かに吸っているな。
すごい!「トン」を合わせるために、
カラダは自動的にたくさんのことをしていたんだ。
じゃぁ「トン」を何回か繰り返してみよう。
だんだんタイミングがつかめてきて
「トン」は合いやすくなってくるだろう?
それは、カラダで示す「せーの」がお互いうまくなってきて、
次、いつ相手の「トン」が来るかが予測できるようになったから。
二人の「せーの」の波ができ上がったんだね!
でも、ここでどっちかがイジワルして
カラダを直立不動って感じで、力ませて、呼吸も止めて
「トン」から「トン」を、ブツ切れにしたり、
間を不規則にしたりしたら・・・
わぁ、いっぺんに合わなくなったよ。
「某ダンス先進国では、さっきのセッセッセも含めた(第97話)
『手合わせ遊び』に似たものを
リード&フォロー感を養うための訓練として
レッスンでも取り入れているのよ」
へぇ~みんなは驚いた様子だ。
「まぁ言うなれば、
“間”の取り方・伝え方の訓練ね」
と、ジュンコ先生は言いながら、
白板に● ●2点を書いた。
「“手合わせ遊び”で言うなら、
この点は『トン』と手を打つところ。
『トン』から次の『トン』の白い部分が『間』。
二人の『トン』がピッタリあうためには、
点●と点●の“間”が大切なのね」
「点●を手ではなく、足、
つまりステップに置き換えてみると、
ダンスのレッスンに早変わり!
ダンスの場合は“せーの”の替わりに音楽があるし、
ステップのタイミング だってちゃんとあるわけだから
相手と合わせるのは簡単なようなんだけれども、
手合わせ遊びの悪い例のように、
どちらか一方の人だけでも、
ステップからステップの間がブツ切れになったり、
不規則になってしまったら、とたんに相手と合わなくなっちゃう」
それに点●と点●の間がうまくつながっていないと、
リード&フォローも難しくなっちゃうのよね。
なぜなら
リード&フォローは、
主に点●と点●の間に存在する
ものだから」
先生はそう言ってから
「良いフィーリングで手合わせ遊びをやっているときのように、
力まず、しっかりと意思表示をし合い、
お互いの動きを予測できる“間”が持てるようになったら、
だんだんと相手と合ってくるし、
緻密なリード&フォローも可能になってくるわ」
「先生、今まで習ったことから考えてみれば、
お互いが音楽をしっかり聴けるようになったら、
そんな間が持てるように思うんですけど」
ケイコさんだ。
「その通りよ。
音楽は点●と点●の間をつなぐ
大いなるベースになるからね。
でもまだ音楽を「聞く」段階の人が多いからね・・・」(第90話)
ジュンコ先生は少し困ったような顔をして
「音楽を「聞く」段階の人は「1・2・3・4」とブツ切れになりやすい。
つまり、
点●から点●にいきなり飛び乗っていくようなものだから難しいわね」
「じゃぁ、点●から点●、
ステップからステップが線でつながれば良いんですね」
坂田さんがつぶやいた。
「そうなのよ!
ではどんな線がいいと思う?」
「どんな線・・・?」
と首をひねりながらも、みんな口ぐちに言いだした。
「お互いが感じやすいように、キレギレでない、つながった線」
とトシ子さん
「ハッキリだけど、柔らかい線でしょうな」
と平田さん
「音楽を『聴く』段階の人なら、
音楽を感じた通りの線でつなぐんだろうな」
と千恵子さん
細やかな点の集まりの線・・・
最後に言ったのは和夫だった。
「まぁ、すごい!全部正解よ。
特に『細やかな点の集まり』というのはいい表現だわ」
ジュンコ先生はそう嬉しそうに言ってから
「●から●の「間」は上級者ほど、
切れずにずーっとつながっていて、
ケシつぶのように細やかで繊細な
粒が集まって生み出された線になり、
それが音楽を感じることで、曲線になり
相手と絡まることで、渦を巻き、
より立体的になっていく・・・」
「オーなんだか詩的な表現ですな」
平田さんが感心したように言った。
「ありがとう(笑)
ルンバのすべてのアクションに
そう言う“間”を作り出していきたいんだけれど、
なかなかうまくいかないのよね。
セイゼイ直線どまりの人が多いわ。
これは音楽の聴き方のせい以外に、他にも大きな原因があるの・・・」
次回、絶妙な“間”を作り出すために、
見直さなければいけないあるテクニックについて
解き明かされる・・・。
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