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さてさて今度は、
もーっと簡単な「手合わせ遊び」をやってみましょう。
手合わせ遊びといっても、相手と手を合わせるんじゃなくて、
自分の手を「トン」と打つだけ・・・つまり拍手。
1メートルくらい離れて向かい合った相手と、同時に拍手する。
その「トン」を合わせるんだ。


じゃ、行くよ、せーの「トン」


コレコレ、せーのって口に出したらダメ。


おおっと、ちょっと難しくなったぞ。


じゃ、行くよ、・・・・・・・「トン」


アハ!うまくいったねぇ。 


「じゃ、行くよ」から、
手を「トン」と合わせるまでの“間”

この“間”って独特な時間だよね。
どちらがどちらに合わせるとか、というものではなく、
いうなれば、互いに先導し合い
「せーの=さぁ、行きますよぉ」
と相手と気持ちをあわしつつ、
全神経を集中させ・・・「トン」に至る。


では、
「せーの」のときのカラダの様子、見てみましょうか。

リキみがないな。

程よく力が抜けている。

で、お互いがベストなタイミングで「トン」と合わせるために
手を広げ「手を合わせようという意思表示」をカラダで示しているぞ。

呼吸は?
あ、静かに吸っているな。


すごい!「トン」を合わせるために、

カラダは自動的にたくさんのことをしていたんだ。


じゃぁ「トン」を何回か繰り返してみよう。
だんだんタイミングがつかめてきて
「トン」は合いやすくなってくるだろう?
それは、カラダで示す「せーの」がお互いうまくなってきて、
次、いつ相手の「トン」が来るかが予測できるようになったから。
二人の「せーの」の波ができ上がったんだね!


でも、ここでどっちかがイジワルして
カラダを直立不動って感じで、力ませて、呼吸も止めて
「トン」から「トン」を、ブツ切れにしたり、
間を不規則にしたりしたら・・・
わぁ、いっぺんに合わなくなったよ。




「某ダンス先進国では、さっきのセッセッセも含めた(第97話)
『手合わせ遊び』に似たものを
リード&フォロー感を養うための訓練として
レッスンでも取り入れている
のよ」




へぇ~みんなは驚いた様子だ。



「まぁ言うなれば、

“間”の取り方・伝え方の訓練ね」
 
と、ジュンコ先生は言いながら、



白板に●    ●2点を書いた。



「“手合わせ遊び”で言うなら、
この点は『トン』と手を打つところ。
『トン』から次の『トン』の白い部分が『間』。
二人の『トン』がピッタリあうためには、

点●と点●の“間”が大切なのね」



「点●を手ではなく、足、
つまりステップに置き換えてみると、
ダンスのレッスンに早変わり!
ダンスの場合は“せーの”の替わりに音楽があるし、
ステップのタイミング だってちゃんとあるわけだから
相手と合わせるのは簡単なようなんだけれども、
手合わせ遊びの悪い例のように、
どちらか一方の人だけでも、
ステップからステップの間がブツ切れになったり、
不規則になってしまったら、とたんに相手と合わなくなっちゃう」

それに点●と点●の間がうまくつながっていないと、
リード&フォローも難しくなっちゃうのよね。

なぜなら

リード&フォローは、

主に点●と点●の間に存在する


ものだから」


先生はそう言ってから 
「良いフィーリングで手合わせ遊びをやっているときのように、

力まず、しっかりと意思表示をし合い、

お互いの動きを予測できる
“間”が持てるようになったら、

だんだんと相手と合ってくるし、
緻密なリード&フォローも可能になってくるわ」



「先生、今まで習ったことから考えてみれば、
お互いが音楽をしっかり聴けるようになったら、
そんな間が持てるように思うんですけど」

ケイコさんだ。




「その通りよ。
音楽は点●と点●の間をつなぐ
大いなるベースになる
からね。
でもまだ音楽を「聞く」段階の人が多いからね・・・」(第90話)


ジュンコ先生は少し困ったような顔をして


「音楽を「聞く」段階の人は「1・2・3・4」とブツ切れになりやすい。
つまり、
点●から点●にいきなり飛び乗っていくようなものだから難しいわね」



「じゃぁ、点●から点●、
ステップからステップが線でつながれば良い
んですね」

坂田さんがつぶやいた。



「そうなのよ!
ではどんな線がいいと思う?」



「どんな線・・・?」
と首をひねりながらも、みんな口ぐちに言いだした。



「お互いが感じやすいように、キレギレでない、つながった線」
とトシ子さん



「ハッキリだけど、柔らかい線でしょうな」
と平田さん



「音楽を『聴く』段階の人なら、
音楽を感じた通りの線でつなぐんだろうな」

と千恵子さん



細やかな点の集まりの線・・・

最後に言ったのは和夫だった。



「まぁ、すごい!全部正解よ。
特に『細やかな点の集まり』というのはいい表現だわ」


ジュンコ先生はそう嬉しそうに言ってから


「●から●の「間」は上級者ほど、
切れずにずーっとつながっていて

ケシつぶのように細やかで繊細な

粒が集まって生み出されたになり、

それが音楽を感じることで、曲線になり

相手と絡まることで、を巻き、

より立体的になっていく・・・」



「オーなんだか詩的な表現ですな」
平田さんが感心したように言った。



「ありがとう(笑)
ルンバのすべてのアクションに

そう言う“間”を作り出していきたいんだけれど、
なかなかうまくいかないのよね。
セイゼイ直線どまりの人が多いわ。
これは音楽の聴き方のせい以外に、他にも大きな原因があるの・・・」

次回、絶妙な“間”を作り出すために、
見直さなければいけないあるテクニックについて
解き明かされる・・・。



      続く 第99話へ



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