2007.04.27 (第94話) 呼吸を使った究極のリード&フォローXVI “床をプレス”の真意
目次へ
「では、前に渡した
ルンバの『床へのプレス感覚』練習用プリント(第92話)
についての質問があれば受け付けるわ」
そのジュンコ先生の声に、
待ってましたとばかり
「ハイ!」
同時に3人が手を挙げた。
「お、いっぱいあるみたいね。
じゃ、レディ・ファーストで紀子さん」
「お先に質問させていただきます。
プリントの通りやってみたのですが、
息をゆっくり吐きながら
手もゆっくりと下してくる
これで、
『床へのプレスが完了している』ということですが、
意味がよくわかりません。
ひょっとしたら、プリントに書かれている
『床へのプレス感覚』と、
私の求めていた
『床へのプレス感覚』自体が、
違うのかもしれないのですが・・・」
「僕も、一緒です」
和夫だった。
「あのぉ、僕も全く同じです。
それと
息を吸いながら
体重の乗っている側の手をズーッと上にあげる
手のひらが最も高くなるまで
を、するのはなぜかな?
と思いまして…。
何か深い意味があるんでしょうか?」
ルンバの上達に意欲を持ち始めた、坂田さんだ。
「OK。説明するわね・・・の前に、
プリントの通りやって
『床へのプレス感覚』がわかりましたって方はいるかしら?」
手をあげたのは、平田さん。
おぉ~
とみんなから声があがった。
当の本人は困惑気味だ。
「あれ?自分だけ?」
という感じで周りを見回している。
「すごいわね!
平田さんにレッスン、代わってもらいましょう(笑)・・・」
ジュンコ先生はまんざら冗談でもなさそうに
「では、平田さんが味わった感覚を
みなさんに披露していただきましょうか」
え~っと、言いながらも、
そこはアマチュアながら
自分のサークルでたくさんの人たちの指導にあたっている貫録で、
平田さんはしっかりと説明し始めた。
「上に上げた手を下ろしてくるときに
下降のエネルギーと、
床から上がってくる
上昇のエネルギーがちょうどウエストあたりで出会う。
で、ここからは推測なんですが、
ドッキングして逃げ場を失ったエネルギーによって、
ボディアクションが始まり、ヒップのアクションに至る。
これが『床へのプレス』感覚・・・まぁ、そんな感じですわ」
みんなちょっと圧倒されている様子だ。
「非常に高度な理解をされているので、びっくりしたわ。
その、推測も正解よ。
試してみるとき、何か気をつけた点があったのかしら?」
ジュンコ先生も本気で驚いている。
なぜ、そこまでわかったのか知りたいようだ。
「いやぁ、以前
ホールドのときに習ったことを
そのまま応用してみたんですよ」
平田さんは少し照れながらも、はっきりと説明し始めた。
「3つの点に気をつけました。
① 手を上にあげる前に、
床からの反作用を受けてお腹にパワーが上がってきたのを確認しました。
この『床からのパワー』は踊る時の必須条件って習いましたから。
② それから、
呼吸をすることで、
床からもらったエネルギーを手に届かせる操作をしながら、
手を上げていきました。(第72話)
③ 手を下ろしてくるときも、
やはり床からのパワーを意識しましたな。
そうしたら、いったん上にまであげて、下ろしてきたエネルギーと、
新たに床からもらったエネルギーが出会うことを感じました」
平田さんの説明をじっくり聞いていた真理は
「私、何気なく手をあげていたわ。
床からのパワーのことも、
呼吸の操作でエネルギーを手に届けることもスッカリ忘れていた」
和夫も思い当ることがあった。
「そうか!わかったぞ。
手を下ろすとき、下降してくるエネルギーばかりに気をとられ
新たに床からエネルギーをもらう
イメージがなかったからできなかったんだ」
「平田さんの今のお話は非常に重要ね。
どんなアクションも床からのパワーと
エネルギー操作で行う
ことを忘れないで、ということよ。
これはただのイメージトレーニングじゃない。
ここで習っているイメージは、
はっきりとした実感を伴うものにやがて変化していくものなの。
最初は、
『あ、今、エネルギーが腕にきた!』
なんて感じられないかもしれないけれど、
カラダの感受力が優れてくると
微弱なエネルギーでもとらえられるようになってくるし、
身体操作能力があがると、
カラダの中で
自分の思うようにエネルギーを動かすことも可能になってくるの。
また、そうなっていくことこそが上級者への道だから・・・」
それを聞いていた、紀子さん
「よくわかりました。
前の学習が全然活かされていなかったですわ」
「OK。では、平田さんがちゃんと説明してくれましたが(笑)
少しつけ加えていくわね。
ルンバの床へのプレス感覚の練習のときに必要な、
身体操作と、ボディチェック・ポイントをまとめるわよ」
① 男性は左足、女性は右足に体重を乗せる。
体重の乗っていない足は横へ軽く置いておく。
② 床からの反作用でお腹にパワーが来るのを感じる
③ 体重の乗っている側の手を上にあげていく。
その際、床からもらったエネルギーを
呼吸・インナーマッスル群(第72話)の操作で、
手まで送り続けながら、
これ以上、上がらない高さまでゆっくりあげていくこと
④ ここで、体重の乗っている側のボディを、
空いているほうの手で触れてチェック
・上げた手の下の、あばらの骨のあたり全体が膨らんで、
骨の1本いっぽんの間が開かれている感じ
・あばらの骨と腰骨の間の、
骨のないウエスト部分の間がぐーっと開いている
・あばらの骨は上に、腰骨は下に向かっている
・お腹は薄くなっている
・また、背筋もまっすぐに伸びている、
頭の位置はまっすぐ
・・・以上の感じを確認
⑤ 手をゆっくり降ろしてくる。
と同時に、床からのエネルギーも上昇させる。
下降エネルギーと上昇エネルギーがウエストあたりでぶつかり、
お腹の中に、ぐっとパワーが来るまで、
両エネルギーをドッキングさせていく
⑥ ここでのボディチェック
上に向かっていたあばらの骨も一緒に下降、
骨の間もフシャーと閉じていく。
あばらの骨がカラダの中にやや沈んだ感じになる。
両エネルギーが出会うにつれ、
骨盤がやや前に押し出される感じになる。
お尻の付け根もやや締まった感じ。
これにより、ヒップも前に向かう。
そのまま、ドッキングを続けると、やがて、横へ、
最後にヒップは横少し後ろにローテーションする(回る)
これにて完了!
「最後に、坂田さんの質問、
なぜ手を上にあげるかってことなんだけれど。
ちょっと時間をあげるから、みんなも考えてみてほしいの。
これ、実はとっても大切なことなのよ」
続く 第95話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
「では、前に渡した
ルンバの『床へのプレス感覚』練習用プリント(第92話)
についての質問があれば受け付けるわ」
そのジュンコ先生の声に、
待ってましたとばかり
「ハイ!」
同時に3人が手を挙げた。
「お、いっぱいあるみたいね。
じゃ、レディ・ファーストで紀子さん」
「お先に質問させていただきます。
プリントの通りやってみたのですが、
息をゆっくり吐きながら
手もゆっくりと下してくる
これで、
『床へのプレスが完了している』ということですが、
意味がよくわかりません。
ひょっとしたら、プリントに書かれている
『床へのプレス感覚』と、
私の求めていた
『床へのプレス感覚』自体が、
違うのかもしれないのですが・・・」
「僕も、一緒です」
和夫だった。
「あのぉ、僕も全く同じです。
それと
息を吸いながら
体重の乗っている側の手をズーッと上にあげる
手のひらが最も高くなるまで
を、するのはなぜかな?
と思いまして…。
何か深い意味があるんでしょうか?」
ルンバの上達に意欲を持ち始めた、坂田さんだ。
「OK。説明するわね・・・の前に、
プリントの通りやって
『床へのプレス感覚』がわかりましたって方はいるかしら?」
手をあげたのは、平田さん。
おぉ~
とみんなから声があがった。
当の本人は困惑気味だ。
「あれ?自分だけ?」
という感じで周りを見回している。
「すごいわね!
平田さんにレッスン、代わってもらいましょう(笑)・・・」
ジュンコ先生はまんざら冗談でもなさそうに
「では、平田さんが味わった感覚を
みなさんに披露していただきましょうか」
え~っと、言いながらも、
そこはアマチュアながら
自分のサークルでたくさんの人たちの指導にあたっている貫録で、
平田さんはしっかりと説明し始めた。
「上に上げた手を下ろしてくるときに
下降のエネルギーと、
床から上がってくる
上昇のエネルギーがちょうどウエストあたりで出会う。
で、ここからは推測なんですが、
ドッキングして逃げ場を失ったエネルギーによって、
ボディアクションが始まり、ヒップのアクションに至る。
これが『床へのプレス』感覚・・・まぁ、そんな感じですわ」
みんなちょっと圧倒されている様子だ。
「非常に高度な理解をされているので、びっくりしたわ。
その、推測も正解よ。
試してみるとき、何か気をつけた点があったのかしら?」
ジュンコ先生も本気で驚いている。
なぜ、そこまでわかったのか知りたいようだ。
「いやぁ、以前
ホールドのときに習ったことを
そのまま応用してみたんですよ」
平田さんは少し照れながらも、はっきりと説明し始めた。
「3つの点に気をつけました。
① 手を上にあげる前に、
床からの反作用を受けてお腹にパワーが上がってきたのを確認しました。
この『床からのパワー』は踊る時の必須条件って習いましたから。
② それから、
呼吸をすることで、
床からもらったエネルギーを手に届かせる操作をしながら、
手を上げていきました。(第72話)
③ 手を下ろしてくるときも、
やはり床からのパワーを意識しましたな。
そうしたら、いったん上にまであげて、下ろしてきたエネルギーと、
新たに床からもらったエネルギーが出会うことを感じました」
平田さんの説明をじっくり聞いていた真理は
「私、何気なく手をあげていたわ。
床からのパワーのことも、
呼吸の操作でエネルギーを手に届けることもスッカリ忘れていた」
和夫も思い当ることがあった。
「そうか!わかったぞ。
手を下ろすとき、下降してくるエネルギーばかりに気をとられ
新たに床からエネルギーをもらう
イメージがなかったからできなかったんだ」
「平田さんの今のお話は非常に重要ね。
どんなアクションも床からのパワーと
エネルギー操作で行う
ことを忘れないで、ということよ。
これはただのイメージトレーニングじゃない。
ここで習っているイメージは、
はっきりとした実感を伴うものにやがて変化していくものなの。
最初は、
『あ、今、エネルギーが腕にきた!』
なんて感じられないかもしれないけれど、
カラダの感受力が優れてくると
微弱なエネルギーでもとらえられるようになってくるし、
身体操作能力があがると、
カラダの中で
自分の思うようにエネルギーを動かすことも可能になってくるの。
また、そうなっていくことこそが上級者への道だから・・・」
それを聞いていた、紀子さん
「よくわかりました。
前の学習が全然活かされていなかったですわ」
「OK。では、平田さんがちゃんと説明してくれましたが(笑)
少しつけ加えていくわね。
ルンバの床へのプレス感覚の練習のときに必要な、
身体操作と、ボディチェック・ポイントをまとめるわよ」
① 男性は左足、女性は右足に体重を乗せる。
体重の乗っていない足は横へ軽く置いておく。
② 床からの反作用でお腹にパワーが来るのを感じる
③ 体重の乗っている側の手を上にあげていく。
その際、床からもらったエネルギーを
呼吸・インナーマッスル群(第72話)の操作で、
手まで送り続けながら、
これ以上、上がらない高さまでゆっくりあげていくこと
④ ここで、体重の乗っている側のボディを、
空いているほうの手で触れてチェック
・上げた手の下の、あばらの骨のあたり全体が膨らんで、
骨の1本いっぽんの間が開かれている感じ
・あばらの骨と腰骨の間の、
骨のないウエスト部分の間がぐーっと開いている
・あばらの骨は上に、腰骨は下に向かっている
・お腹は薄くなっている
・また、背筋もまっすぐに伸びている、
頭の位置はまっすぐ
・・・以上の感じを確認
⑤ 手をゆっくり降ろしてくる。
と同時に、床からのエネルギーも上昇させる。
下降エネルギーと上昇エネルギーがウエストあたりでぶつかり、
お腹の中に、ぐっとパワーが来るまで、
両エネルギーをドッキングさせていく
⑥ ここでのボディチェック
上に向かっていたあばらの骨も一緒に下降、
骨の間もフシャーと閉じていく。
あばらの骨がカラダの中にやや沈んだ感じになる。
両エネルギーが出会うにつれ、
骨盤がやや前に押し出される感じになる。
お尻の付け根もやや締まった感じ。
これにより、ヒップも前に向かう。
そのまま、ドッキングを続けると、やがて、横へ、
最後にヒップは横少し後ろにローテーションする(回る)
これにて完了!
「最後に、坂田さんの質問、
なぜ手を上にあげるかってことなんだけれど。
ちょっと時間をあげるから、みんなも考えてみてほしいの。
これ、実はとっても大切なことなのよ」
続く 第95話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
| Home |