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ここは、ダンスパーティ会場。
次はどの種目の音楽がかかるのかな?


♪♪♪♪ ♪♪♪♪


あ、ルンバだ。①
あの女性を誘ってみよう。
よろしくお願いしまーす。

「1・2・3・4・1・2・3・4・・・」②
よし、ちゃんとスタートを切れたぞ。

音楽、外しちゃダメだから、
ずっと音楽に耳を澄ましておこう。③


♪♪♪♪ ♪♪♪♪


あ、終わった、ありがとうございました。
音楽、外さなくって良かったな・・・。 



「これは音楽を“聞く”ことができたって段階のお話なの」
ジュンコ先生はそう切り出した。


「“聞く”は入ってくる情報を判別、整理すること。
①で、ルンバという種目を判別し、
②で、その音楽構成が整理でき、
③で、その情報をキャッチし続けながら踊り通すことができた」


ジュンコ先生はそう言って、
「実は、この“聞く”段階はあなどれないわよ。
意外とここまでが、ちゃんとできていない人が多いんだから・・・」


そして、みんなを見まわしながら


「種目の判別①についてはまぁ大丈夫にしても、問題は②と③ね。

②1・2・3・4がきちんととれる 
③ずっと正しく音楽を取り続けていられる
 

良いリード&フォローを目指すには、
まず徹底的に以上の2点ができるようになってほしいの。
言いかえれば、この2点がきっちりできる人は、
それなりの良いリード&フォローをしているともいえるのよ」



みんなは、へーっという感じだ。



「なぜって、音楽を外すってことは、

一緒に組んで踊る相手の音楽表現の邪魔をしちゃうことでしょ? 
相手に嫌な緊張感を与えず、
正しくスタートができて、
相手の音楽の表現を邪魔しないように踊ることができたら、
実は、良いリード&フォローができている
とみているのよ」



相手を邪魔しないで踊ることが、
良いリード&フォロー・・・?

みんなはちょっと引いている。



「もちろん音楽を外さなくなっても、
まだ「聞く」段階では、
「1234」という
数に合わせて各自がおおざっぱな感覚で踊っているわけだから、
このままで素晴らしいリード&フォローを求めても、難しいわ。
たぶん、無意識のうちにお互いが邪魔し合っていることも多いでしょうね」



そのとき、トシ子さんの手があがった。



「それ、よくわかりますわ。
男性の方って、
何かしてあげようと一生懸命リードしてくださるのですが、
まだ、もっとこう踊りたいのに・・・と思うことはよくあります。
たとえば、アレマーナのときでも、
音楽を感じて回りたいのに、
早すぎるタイミングでしかもキツイリードをなさる・・・。
その瞬間、音楽が聞こえなくなります」




それを聞いて、平田さんも口を開いた。
「それは男も一緒ですわ。
せっかく、音楽に乗って気持ち良く踊りたいって思っていても、
女性に勝手にドンドン踊られたら・・・。
スタンダードだったら、
まだ捕まえてますから何とかなるんですけど、ラテンは手に負えません。
うちの奥さんでも、水を得た魚の如く踊ってますわ(笑)」




みんな、言いたいことがいろいろありそうだ。



「先生、そういう問題の解決と、

音楽を“聞く”“聴く”ことって、関わり合いがあるんですよね」
と、トシ子さん。



「もちろん!大アリよ。
まぁ、簡単にいえば、まだ『聞く』の段階では、
そうなってしまうこともある意味仕方ないわね。
この段階では、自分を表現しようとすればするほど、
相手とは合わなくなって、たぶんお互い邪魔しあう・・・。
でも、これは言わばお互いさまね。
大切なのは『相手に迷惑がかかるから』という理由で、
自分の表現を引っ込めてしまわないってこと。
ダンスは、あくまで自分の表現。
その楽しみを放棄しちゃもったいないわ」


先生はそう言って


「それに、自分のことを放っておいて相手のことばかり気遣っていたら、
緊張して自分に音楽が入ってこない・・・

人が聞いている音楽で踊る

ことになっちゃって、
自分の「聞く」がおろそかになる、それはダメ。
特に、女性の方、
音楽を男性任せにして、それがフォローだなんて大きな誤解よ。
音楽はそれぞれが、自分でしっかりとらなきゃいけないの」


「相手を邪魔せず、自分の踊る楽しみも放棄せずに、
お互いに楽しむためには、
次の勉強段階にそれぞれが進むことが大切なのよ。
それが「聴く」。
各自が音楽を「聴く」段階に進めば、
リード&フォローに関する様々な問題も解決できるようになってくるわ」
最後に先生はこういった。


音楽を聴く世界は、まさに呼吸の世界なのよ。

ということで、話を次に進めるわね」



      続く 第91話へ



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