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ダンス用語の中で頻繁に出てくるものに
「ピーピー」って言葉があるんだけど、
何の意味かご存知・・・だよね。
「もちろん!知っていますとも」というあなたに尋ねてみよう。

「ピーピーとは、

プロムナード・ポジション(用語集12)のことです」

ホウホウ、その通り!
では、プロムナード・ポジションって何?

「男女、お互いの位置関係がVの字型に開いたものをいいます。
結果、男性の右サイドと女性の左サイドが向き合い、
進行方向に対して女性の左ヒップ(腰骨)は、
男性の右ヒップ(腰骨)の後ろに位置することになります」

ご名答!
じゃ、ピーピーってどうやって作るのかな?
クローズド・ポジションっていう、向かい合ったところから・・・

「おおざっぱに説明すれば、
男性は、右足の上で右回りのパワーを使って、
ボディコントロールを行い、女性を導きます。
対する女性は左足の上で左回りのパワーを使って、
ボディコントロールを行って、それを受け、PPになります。
基本的に男性は開かず女性が開きます」

アララ、よくご存じね。
でも、ピーピーって、結構トラブルポジションなのよね。
V の字型にとらわれて開きすぎてしまったり、
逆に閉じすぎてしまったり、
あなたが今言ったパワーを使う感覚も難しい・・・。
クローズ・ポジションからPPポジションに誘導する方法も
(種目やフィガーによって)
いろいろあるんだけど
男性の右肩が上がったり、手だけで女性を開こうとしたり

いろいろ問題、多いんだわ・・・。

で、これらの解決に一役買うんじゃないかなって
呼吸のテクニックが。
その時にキーになるのが、アレですよ、



相対時間感覚のコントロール



「クローズド・ポジションからPPへ、
そしてまたクローズドポジョンへと変化するあいだの
相対時間感覚に焦点をあててみるわね。
さぁ、カラダのどんな状況の変化や感覚を感じ取り、
コントロールしていくと良いのか?実際やってみましょう」


ジュンコ先生は、男女二人組になるように指示した。

「まずはクローズドホールドをします。
カラダの変化がわかりやすいように、リラックスホールドでね」


みんな楽にホールドをして向かい合って立っている。 


「では、PPに変化していくわけだけど、
『ゆっくりと速く』この2種類の相対時間感覚を体験するわよ。
ゆっくりはワルツの感じ、
速くはタンゴのネックアクションに
代表されるような感じでやってみましょう。

では、まずユックリから」

ジュンコ先生は、こんな指示を出した。


「では、息を吸いましょう、
それに伴って、男性は、女性を開いてゆきます、
女性もそれに応じます・・・どう、できたかな?」




「先生、一生懸命に吸っているんですけど女性が開きません」
森田さんだ。


パートナー役の千恵子さん、前でケラケラ笑っている。
「森田さん、もっと味わって呼吸してほしい・・・。
そしたら私も感じますから」




「そうね、森田さん、落ち着いて。
相手を開くことを急ぐ必要はないのよ。
自分のカラダの変化をゆっくりじっくり味わうのよ、観察するの、
そうしながら、女性をPPに誘っている時間を体感するのよ」



「あぁ、わかってきました」
森田さんはそう言い、
千恵子さんもうなずいている。



「うまくいけば、いろんな感覚が味わえるはずよ。
肋骨がファ~と広がっていくような(第69話)
床からのパワーがムクムクと上がってきて、
それをお互いが与えあい、その結果押し開くような




「とっても気持ちいいわ」
とトシ子さん。

リーダー役の平田さんも満足げだ。

「これだとワルツの音楽に合いそうですね、
音楽を表現できる感じです」




「いいことに気付いたわね。そのとおりよ。
こういういろんなカラダ感覚を感じ取る時間がダンスの時間なの。
これを、カラダの変化感覚なんて無視して
1・2・3のタイミングにあわせてのみ動いてごらん?
どれだけ味気ないかがわかるわよ」


平田さん、悪い例をマネしてわざとやってみている。


「あぁ、これだと、右肩も上がりやすいし、
てっとり早く、手で女性を開こうとしてしまうなぁ。
その点、
呼吸を使ったPPは右肩があがりにくいし、
開き過ぎず閉じすぎず、ちょうどいい加減に開きます
な」




「そうね。呼吸を使えば
カラダの中から丁寧に、
しかもPPなるために必要な筋肉を
順番どおりに動かすことができる
のよ。
『どこの筋肉をどうやって』って知らなくても、
カラダが勝手にある程度コントロールしてやってくれるのよ」


「へぇ~すごいなぁ」というふうな空気が流れた。


「では、次に、息を吐きながら、
もとのクローズドポジションに戻ってみるわよ。
できたらまた吸って、PPへ。
そうやっていると
『PPのときは呼吸筋を動かす』という習慣ができるから、
実際の吸ったり吐いたりの呼吸はしなくても、できるようになるわ」


みんな、自分の様々なカラダの中での変化に気付きながら、
開いたり閉じたり練習している。

「では、次に速いPPうつるわね」



      続く 第83話へ



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