2007.04.13 (第80話) 呼吸を使った究極のリード&フォローⅡ 呼吸感覚に気付く・伝える
目次へ
「呼吸を使う『リード&フォロー』のテクニック(第79話)は、
スゴク優れているんだけど、ひとつだけヤッカイな点があるわ」
ジュンコ先生はソウ切り出した。
「それはね、呼吸という行為が、
あまりにも当たり前になり過ぎているってことなの。
普段、自分の呼吸って意識する?
何かをするとき呼吸のコントロールを考える人はいるかしら?」
みんな「そんなことしないよなぁ」という感じで、
首を横に振っている。
「そうね。だから、ダンスの中で使いこなすには、
まず呼吸感覚に気付く練習からしないとダメなのよ。
でないとやり過ぎになったり、
呼吸ばっかりに気を取られたりして、ダンスを忘れちゃう・・・」
ハハハと笑いが起こった。
「まず、自分の呼吸に気付くこと。
それだけでも、カラダはものすごく変化するわよ。
日頃から呼吸の働きにチョットでも目を向けるようにしていると、
今まであまり使ってこなかったさまざまな感覚が研ぎ澄まされてきて、
それが、すべてリード&フォローに活かされるようになってくるわ」
みんなフンフンとうなずいてる。
「以前に練習した呼吸法(第63話)は各自で練習してもらうとして、
今からは、呼吸感覚を磨く練習をするわね。しかも相手と組んで。
人とカラダを触れ合って呼吸してみると共鳴し合って、面白いわよ。
やったことないでしょ?」
先生は、男女二人組みになって向かいあうように指示をした。
「男性の右手を女性の背中に回して軽くホールドをして見てね。
片手だけでOKよ」
みんながカップルでホールドをしたのを見計らって、
「では、そのままで静かに呼吸をしてみましょう」
部屋がだんだん静かになっていった
・・・しばらく後
「どうだったかしら?」
「自分の呼吸とともに、相手の呼吸も感じます」
「こんな風に呼吸を味わったことなんてなかったなぁって。
新鮮です」
みんな口々に言っている。
「じゃぁね、もっと感じてみましょうか。皆さん、目を閉じてね」
部屋に静けさが訪れた。
みんな目を閉じ、
ゆっくり呼吸を繰り返している。
「さぁ、どんな感じ?」
「心地いいもんですなぁ」
平田さんがうっとりした感じで言ったので、ファ~と笑いが・・・。
「他に何か感じた人、いるかしら?」
とジュンコ先生。
「あのぉ、面白いことに気がついたんですけど・・・」
と、手を上げたのは千恵子さん34歳、ダンス歴8年。
昔、声楽をやっていたという。
「別に合わそうとはしていないんですけど、
相手と合ってくるんですよね…呼吸が
それで自分の呼吸と一緒になって大きくなったり、
こっちが小さい呼吸に変えたら相手も小さくなったり・・・
私に合わせてくださっているのかしら?」
「森田さん、千恵子さんの呼吸に合わせてあげたの?」
千恵子さんと組んでいる、森田さんに先生は尋ねた。
森田さんは見るからに真面目そうな37歳。ダンス歴は4年。
彼ははっきりした口調でこう答えた。
「いえ、とんでもない。
千恵子さんが僕に合わせてくれているんだと思っていましたよ」
それを聞きながらジュンコ先生はニコニコしている。
「それが呼吸の素晴らしいところね。
無理やり相手と合わせなきゃって思わなくても、
自然と合ってくるのよ。
カラダがそれを欲するの、自動的に。
なぜって、
合わせたほうが気持ちいいからよ」
みんな静かに聞いている。
「たとえば、ちょっとやってみる?
さっきみたいにホールドして、
それぞれがわざと相手とちぐはぐな呼吸をしようとしてごらん?
相手が吸った時に自分が吐いて。
相手が吐いたときに自分が吸ってとか、わざとズラシたりとか・・・」
みんなトライしてみる。
結果は、
「できなーい」
「こっちのほうが難しいな」
「他に何か気付いた事はないかな?」
和夫が手を上げた。
「呼吸とともに女性の背中が変化するのがよくわかります。
目を閉じたときのほうが、より感じました」
「あぁ、いいところに気付いたわね。
そうなの。呼吸はカラダのあらゆるところに変化を与えるのよ。
一回の呼吸に、
カラダの全細胞が反応している
っていうんだからすごいでしょ。
繊細だけど、ダイナミックな話ね。
お互いソレを感じあって踊れるようになったら、
“あ・うんの呼吸”で踊れるようになるってわけなのよ」
ジュンコ先生は白板の前に立った。
「じゃぁね、今のカラダを触れ合った呼吸感覚の練習から
導きだせることをまとめるわね。
①触れ合っている者同士、呼吸は合いやすく、
また、自然に合わせたくなるもの
②呼吸の変化は全身の変化につながっている
どう?呼吸感覚が研ぎ澄まされていくと、
リード&フォローに活かされるって
これで何となく納得できるかしら?
では、次に実践へとうつるわね。
そうすればさらに理解できるでしょうから・・」
続く 第81話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
「呼吸を使う『リード&フォロー』のテクニック(第79話)は、
スゴク優れているんだけど、ひとつだけヤッカイな点があるわ」
ジュンコ先生はソウ切り出した。
「それはね、呼吸という行為が、
あまりにも当たり前になり過ぎているってことなの。
普段、自分の呼吸って意識する?
何かをするとき呼吸のコントロールを考える人はいるかしら?」
みんな「そんなことしないよなぁ」という感じで、
首を横に振っている。
「そうね。だから、ダンスの中で使いこなすには、
まず呼吸感覚に気付く練習からしないとダメなのよ。
でないとやり過ぎになったり、
呼吸ばっかりに気を取られたりして、ダンスを忘れちゃう・・・」
ハハハと笑いが起こった。
「まず、自分の呼吸に気付くこと。
それだけでも、カラダはものすごく変化するわよ。
日頃から呼吸の働きにチョットでも目を向けるようにしていると、
今まであまり使ってこなかったさまざまな感覚が研ぎ澄まされてきて、
それが、すべてリード&フォローに活かされるようになってくるわ」
みんなフンフンとうなずいてる。
「以前に練習した呼吸法(第63話)は各自で練習してもらうとして、
今からは、呼吸感覚を磨く練習をするわね。しかも相手と組んで。
人とカラダを触れ合って呼吸してみると共鳴し合って、面白いわよ。
やったことないでしょ?」
先生は、男女二人組みになって向かいあうように指示をした。
「男性の右手を女性の背中に回して軽くホールドをして見てね。
片手だけでOKよ」
みんながカップルでホールドをしたのを見計らって、
「では、そのままで静かに呼吸をしてみましょう」
部屋がだんだん静かになっていった
・・・しばらく後
「どうだったかしら?」
「自分の呼吸とともに、相手の呼吸も感じます」
「こんな風に呼吸を味わったことなんてなかったなぁって。
新鮮です」
みんな口々に言っている。
「じゃぁね、もっと感じてみましょうか。皆さん、目を閉じてね」
部屋に静けさが訪れた。
みんな目を閉じ、
ゆっくり呼吸を繰り返している。
「さぁ、どんな感じ?」
「心地いいもんですなぁ」
平田さんがうっとりした感じで言ったので、ファ~と笑いが・・・。
「他に何か感じた人、いるかしら?」
とジュンコ先生。
「あのぉ、面白いことに気がついたんですけど・・・」
と、手を上げたのは千恵子さん34歳、ダンス歴8年。
昔、声楽をやっていたという。
「別に合わそうとはしていないんですけど、
相手と合ってくるんですよね…呼吸が
それで自分の呼吸と一緒になって大きくなったり、
こっちが小さい呼吸に変えたら相手も小さくなったり・・・
私に合わせてくださっているのかしら?」
「森田さん、千恵子さんの呼吸に合わせてあげたの?」
千恵子さんと組んでいる、森田さんに先生は尋ねた。
森田さんは見るからに真面目そうな37歳。ダンス歴は4年。
彼ははっきりした口調でこう答えた。
「いえ、とんでもない。
千恵子さんが僕に合わせてくれているんだと思っていましたよ」
それを聞きながらジュンコ先生はニコニコしている。
「それが呼吸の素晴らしいところね。
無理やり相手と合わせなきゃって思わなくても、
自然と合ってくるのよ。
カラダがそれを欲するの、自動的に。
なぜって、
合わせたほうが気持ちいいからよ」
みんな静かに聞いている。
「たとえば、ちょっとやってみる?
さっきみたいにホールドして、
それぞれがわざと相手とちぐはぐな呼吸をしようとしてごらん?
相手が吸った時に自分が吐いて。
相手が吐いたときに自分が吸ってとか、わざとズラシたりとか・・・」
みんなトライしてみる。
結果は、
「できなーい」
「こっちのほうが難しいな」
「他に何か気付いた事はないかな?」
和夫が手を上げた。
「呼吸とともに女性の背中が変化するのがよくわかります。
目を閉じたときのほうが、より感じました」
「あぁ、いいところに気付いたわね。
そうなの。呼吸はカラダのあらゆるところに変化を与えるのよ。
一回の呼吸に、
カラダの全細胞が反応している
っていうんだからすごいでしょ。
繊細だけど、ダイナミックな話ね。
お互いソレを感じあって踊れるようになったら、
“あ・うんの呼吸”で踊れるようになるってわけなのよ」
ジュンコ先生は白板の前に立った。
「じゃぁね、今のカラダを触れ合った呼吸感覚の練習から
導きだせることをまとめるわね。
①触れ合っている者同士、呼吸は合いやすく、
また、自然に合わせたくなるもの
②呼吸の変化は全身の変化につながっている
どう?呼吸感覚が研ぎ澄まされていくと、
リード&フォローに活かされるって
これで何となく納得できるかしら?
では、次に実践へとうつるわね。
そうすればさらに理解できるでしょうから・・」
続く 第81話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
↓ ↓ ↓

とても励みになっています。(ジュンコ)
| Home |