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再び、
ジュンコ先生のホールド・レッスンシーンに戻ろう。

「プリント (第68話)の内容で他に質問のある人は?」



「あの、女性のホールドの作り方についてなんですけれども、
いいですか?」


声を上げたのは、最年長70歳のトシ子さん。
とてもそんな年齢を感じさせない若々しさだ。
スタンダーダードだけではなくラテンにも意欲的。
ダンス歴は30年。


「⑤の女性の操作というところの、
肩甲骨の使い方をやってみたのですか、やり方が間違っているのか、
イヤぁ、もうこの歳ですから無理なのかしらと思いまして…」


トシ子さんは、物腰柔らかな素敵な女性だ。
ダンスも非常に素直な感じで、
さぞや男性はリードがしやすいだろう、といったタイプ。
でも最近は、
「もっと自分からも積極的に踊りたい!」
そう思うようになってきているようだ。


「この歳なんて、何をおっしゃるのやら!
大丈夫、ダンスはどの年代の方にもちゃんと応えてくれるものよ」

ジュンコ先生はそう言ってから。

「自分のカラダとの友好関係を深めるために、
ダンスをもっと利用しましょう!
だから、“カラダの言い分”はよーく聞いてあげてね。
トシ子さんはどこが痛かったのかしら?」



「ハイ、あのプリントに書いてあった
右肩甲骨を背骨に向かって斜め下にコンプレッションし、
左肩甲骨を左やや前方にずらす

のところを鏡の前で一人でやってみたんです。
すると・・・」 



「すると?」



「カラダがキツクテ。
背中や首筋が痛いような・・・でも鏡を見ていたら、
それなりにできているようにも見えますし、
これでいいのかしらと思いまして…」

周りにいる女性からも、
「あ~そうよねぇ~。女性のホールドって難しいのよねぇ~」
という、空気がサァーッ。



「わかりました。
これはとても大切な話なのでよーく聞いてね」
というジュンコ先生の言葉に、みんな一斉に耳を澄まし始めた。


「私の渡したプリントに書いてあることも、
すべてほとんどがそうなんだけれど、
ダンスのテクニックで『コウしなさい、アアしなさい』っていうものは、
実は、結果が示されてあることが多いの。
“結果”ってことは、何かをやった“結果”であって、
大切なのは、その結果に至るまでのプロセス

つまりその結果に至るまでにやった何かのほうが重要なのね」


多くに人の「???」という反応の中で、
ベテラン平田さんは、
「さもありなん」という風にうなずいている。



「例えば・・・プリントの、⑤の女性の操作のところを見てね。
右肩甲骨を背骨に向かって斜め下にコンプレッションし、
左肩甲骨を左やや前方にずらす

ここなんかが、まさしくその問題な部分!(笑)
自分で書いておいて言うのもナンだけれども、
これは色んな体験をカラダが積んだ“結果”できることであって、
これをそのまま目指してやっても、あまり意味がなかったりするのね。
外側のカタチだけをマネてしまうの」

質問をしたトシ子さんを含め、みんな何となく納得し始めようだ。
でも、その解釈は「そりゃそうよね、そんなに簡単にはいかないわよね・・・」

ジュンコ先生はそのみんなの気持ちを見透かしたようにコウ続けた。



「だからって、この肩甲骨のテクニックを
『これはなかなかできない難しいものなのだ』なんて思わないでね。
ダンスのテクニックって、
以前も言ったように、特殊技能だと思ってはダメ。


もともとあるカラダ本来の機能を

すべて活かしきる
ものよ。


シンプルなの、ナチュラルなの・・・というと、
今度はシンプルや、ナチュラルだからこそ難しい!なんて言わないでね」


ファーと笑いが起こった。



「もともとあるカラダ本来の機能を、
すべて全開で使える人なんてソウソウいないんだから、
・・・私も含めて、ね。
だから、むずかしく感じるだけよ」

先生は、ソウ区切ってから、面白いことを言い出した。



「じゃぁ、私のほうから質問なんだけど、
どうして女性は、
こういう一見特殊なカタチのホールドをする必要があるのかしら?
何のタメ?」

何の意味があるの?



エ?そんなこといきなり聞かれても・・・って感じに、
みんなはシーンと静まってしまった。

そんな中、トシ子さんが恥ずかしそうに手を上げた。



「トシ子さん、わかった?」



「イエ、そうじゃなくて・・・。
私、今気がついたんですけど、
それが問題でカラダを痛めたんじゃないかと・・・」



「それがって?」



「さっき、先生がおっしゃったように、
私、プリントに書いてあることを、
何も考えずにただカタチだけマネしてたんです。
しかも、一生懸命(笑)
今のお話だと、

女性が肩甲骨あたりから

シェイプすることには何か意味がある


ってことですよね。
その、意味を押さえて、プロセスを勉強したら、
結果作るカッコウは同じでも、
たぶんカラダは痛めなかったんだろうな・・・とフト思いまして」



「すごい!良いことに気がついたわね。トシ子さん!」
ジュンコ先生はうれしそうだ。


「さぁ、今一度、みんなも考えてみて。
なぜ、こういうホールドを作る必要があるのか?
(ジュンコ先生、女性のホールドをやってみせる)
 特に女性にとってはワガ身の問題ね。
もちろん男性も一緒に組むわけだから重要な話よ」


続きは次回 女性のホールドに関してビックリ話が展開される・・・



      続く 第74話へ



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