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「今日からダンスを習う超初心者に、
ホールドを教えるときの話を始めるわね」

ジュンコ先生はそう切り出した。


「男性と女性が、
初めてホールドを体験する瞬間って大切なのよね。
なぜって、

カラダに新たな記憶が刻まれるんですもの」


「第一声、何から教えるんですか?」


「手での組み方から教えるわ。
『男性は女性の右手を優しくとって、
右手は肩甲骨の辺りにソッと置きましょう。
女性の左手は男性の右肩の上に、
これもソッと置きましょう』

で、終わり。
後は何も教えないわ」


「ええ?それで終わりですか?」


「ホールドに関しては、もう何も言わないの。
しばらくの間ズッーとね」


「しばらくの間って、
ブルースではなくワルツを教えるようになってもですか?」


「そうよ、タンゴもしばらくは同じ、
この組み方で踊ってもらう・・・」


「エぇっ?それはなぜ?」


「まぁ、簡単に言えば、
リキミを生むような運動は一切させないってコトね」


「じゃ、ボディ・コンタクトもナシのまま・・・?
それでいいんですか?」


「もちろん、
いきなりカラダをくっつけたりしたら緊張してリキむでしょ?」


「でも・・・」


「大丈夫。各自が正しく運動できるようになってきたら、
接近してもOKな時がやってくるわ。
自分が自分の体重を感じて操作しやすいように、
カラダが勝手に距離を測るから、
まずは、それに任せる方がいい
のよ」


「そうなんですか・・・じゃぁ、次に顔の位置は?
下を向いていても治さないんですか?」


「もちろんよ。今のその人にとっては、
下を向く方がバランスが良いわけだからそのままでいいわ。
無理に顔を上げてリキンじゃダメだから」


「男性の右手が、下に落ちてきたら?」


「まぁ女性のヒップのところまで落ちなかったらヨシ(笑)
しばらくは様子を見ながら、
『女性の肩甲骨あたりに置くのよ』
とは言うけれど、それも強制はしないわ。
ただ、照れくさいからって、
お互いあまりにワキ見ヨソ見をしてしまう人には、
カラダをねじる癖がつくので、
これもさりげなく、
『相手を感じてあげましょうね』
もちろん強制はナシ!」


「スゴイなぁ。徹底してリキミを排除するんですね」


「そう!それに尽きるって言ってもいいくらいね。

そうすれば、自然と伸筋使用が優位になっているわ。
で、使っている主な伸筋は、
①上腕三頭筋(腕のヒジ側の筋肉)
②手の甲の筋肉
③背中


「超初級者のホールドでは、
呼吸はまだ意識しなくて良いんですよね?」


「いいえ、訓練するわ」


「訓練・・・?」


「訓練といってもむずかしいことではなく、
組んでいる人とお話できるように促すの。
声が出るってことは呼吸している証拠だからね。
で、呼吸ができるってことは、
リラックス状態での伸筋が使いやすくなるからね」


リラックス・力を抜く・・・
超初級者のホールドにおいては、どうもこれが要(かなめ)のようで。
でも、ちょっと待てよ。
手・腕が完全にリキミのない状態ってどんな感じなんだろう?
ってことで、ジュンコ先生おすすめのプラクティスで
「完全にリキみのない手・腕感覚」を味わってみよう。


プラクティス

①楽にまっすぐ立つ。足幅は肩幅。

②カラダの重みを右足に移し、カラダを楽に右に傾ける。
右肩からぶら下がったが重力にひっぱられ、
まっすぐ下に降りるのを感じるまで。

③ここでチェック!右の肋骨脇腹当たりがグチャってつぶれて、
反対の左体側が伸びた感じになっているか。

④もう少し傾けよう。すると、ヒザもゆるんでくるだろう。
最後に首も右側にカクンとゆるませよう。

⑤このときの右腕手の感触を味わってみよう。
ぶらぶらゆらゆらしているか?
わずかに上腕二頭筋側(ちからコブができる方)にカーブしているか?
手は、指の一本いっぽんにスキマがあり、
内側に卵をつかんだようにまぁるいフォルムになっているか?


コレが究極、力が抜けた「完全にリキみのない手・腕感覚」だ。
実際、

ホールドをしている時に、

目指す感覚もコレと一緒なのだ

(ソウ、こんなにも力がぬけているもんなんだ!!)


特に手の
「ものを柔らかくつかむような形状に自然となっている」ことに、注目!
ホールドの時、相手と手を握りあうときもこんな感じでOKだ。

さて明日は、やや発展して
ホールドを作るときに必要な体幹部の筋肉の話に進もう。



      続く 第62話へ



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