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ホールドを作る際、「伸筋」と「呼吸筋」が連動できるようになれば、
「ソフト・ワイド・安心・シッカリを兼ね備え、ビジュアル的にも美しい」


最上級ホールドへの道は開ける。


でも、ソレに向かって日々練習を積んできたはずの、
かなりのベテラン、自称“上級者”であっても、
屈筋」を使ってしまう人がとっても多いのが現実なんだな。
ゆえに、硬い・締める・つっぱるなどのホールドの問題は尽きることなく・・・


しかし、①なぜ「屈筋」を使ってしまうんだろう?
そして、②どうして「屈筋」使用は問題を生むんだ?


「その問いに答えていくために、
まず「屈筋と伸筋の特徴」から見ていくわね」


ホールドに限らず、カラダがある“動作”をする時、
屈筋を意識するとどうなるかと、伸筋を意識するとどうなるか

屈筋を意識すると・・・力感覚が分かりやすい。動きが固定停止する。
              カラダはジッとして、呼吸は止まる感じになる。
伸筋を意識すると・・・力感覚が分かりにくい。動きが生み出され続ける
              全身が動きだしたくなる感じで、呼吸が誘発される。


「これを見たら、

ホールドの時使う筋肉の

主導権を握るべきは伸筋だ


ってことは初級の人でも分かりそうなんだけど、
どうしてベテランや“上級者”の中に屈筋を使う人が多いんでしょう?」


「問題はソコなのよ。
一つには、
伸筋は屈筋に比べ、感覚が発達していない、
だから“感じる”練習をしなければ、アルけどナイのと同然、
になっちゃうのよ

一つの運動をするとき、屈筋も伸筋も同時に使っているわけなんだけど、
(第57話)
どうしても『使ったぁ!』
って実感が伴いやすい、屈筋使用を優先しがちになるものなのよね」


「屈筋使用を優先?」


「たとえば、コップをつかむ時もソウ。
手の甲側の筋肉を伸ばして…なんて意識している?」


「イイエ、ただ、つかむだけです」


「そんなときは、たいてい屈筋使用を優先にしているのね。
まぁ、コップを取るときは『落としちゃダメ』と思って、
筋肉を固定するものだから、特になんだけど」


「じゃぁ、伸筋使用を優先にしてコップをつかむと、
どんな感じがするんだろう?」


「実際やってみたら面白いわよ、ハイ(コップを差し出す)」


「手の甲の筋肉を伸ばしながら・・・と。
わぁ、力感覚がないから、
それを味わおうとして、何だか、ゆっくりで丁寧な動きになる!
それに、コップの重みを感じますね」


「そうね。ちょっとスペシャルな感覚でしょ?
実は、
伸筋って、不必要な屈筋が使われていない、
かなりリラックス状態でないと感じないし、使えない筋肉なのよ。

コップの重みを感じたのは、そのリラックスのおかげ。
それにもう一点。
今の動作(コップを取る)、とってもキレイだったわよ」


「エ、そうなんですか?
でもなぜ?キレイにしようとなんて思っていなかったのに」


「伸筋の特徴
“動きが生み出され続ける” “呼吸が誘発”されるのおかげね。
つまり、

動きが止まらない・空気感をはらむ

から動作がキレイに見えるのね」


「それじゃ、
日頃でも伸筋を無意識にでも使えるようになると、いいですよね。
手のしぐさがキレイに見えて」


「もちろんそうだけど、
さっきも言ったように伸筋はすごく意識しにくいし、
特に手は屈筋感覚が本能的に強いから、
意識的に、徹底して力みを抜く訓練をしないと、
とっさの場合の伸筋使用の優先はすごく難しいの。
それが、ほとんどの人がホールドで屈筋を使っちゃう大きな理由ね」


「あのぉ、本能的にってどういうことですか?」


「いい質問ね。
その昔人間が4つ足動物だった頃の名残だって言われているの」


「4つ足動物だった頃の名残?」


「そうよ。
4つ足動物は後肢でケリながら、前肢で引き寄せるじゃない?
つまり屈筋が発達していたってわけ。
その感覚が人間の手・腕にあるということよ」


「ふーん面白いなぁ」


「その証拠に、手・腕の力を抜いてブラーンと下に垂らしてみて。
ドウ?屈筋のほうに若干カーブを描いているでしょ?
つまり屈筋の方を使いやすくなっているの。
これもきっと大昔の名残・・・ね」


「じゃぁ、本能に打ち勝つためにも!(笑)伸筋を鍛えなきゃ」


「あ、そこがまた危ないところなの。
伸筋と屈筋はまさに表裏一体。
筋力トレーニングは伸筋だけじゃなく、
屈筋も一緒に増強させちゃうことが多いから、
まずはあせってやらないほうが賢明ね。
それより、

①不必要な屈筋のリラックス

②伸筋の感覚の養成


が、重要ね」


「①のためには具体的にどうしたら・・・?」


「ここで、呼吸の力を借りるのよ。
伸筋使用は呼吸を誘発しカラダをリラックスさせるし、
また、
呼吸することで、伸筋を使い続けカラダがリラックス・・・」


「そういえば、力んでる時って、
瞬間的に息を止めるか、浅い呼吸しかしていませんもんね」


「そう。で、具体的な呼吸法は次にね。
そのときに、ホールドを作る際に意識が必要な伸筋を紹介するわね」


「やったぁ!いよいよ次回、
最上級のホールドを手に入れるための実践ですね!」


「その前に・・・」


「え?まだ、あるんですか?」


「エエ、残念なんだけど。
いくら呼吸法を知って伸筋の勉強をつんでも、
実践では役立たない可能性があるの。
これからいうことを知らないと」


「エ、急に深刻に、何ですか?」


「たぶんここが、多くの人が陥っているワナね。
ホールドを作る時に屈筋を使っちゃう最大の原因かも・・・」

わぁ~ナニナニ?教えて!!

                        

      続く 第59話へ



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