2007.03.17 (第53話) 刺激と反応の間にはスペースがある!?Ⅰ
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10カップルが一堂に会し、ルンバを踊る。
同じ音楽で、ステップも統一、
「ベーシック・ムーブメントから、ファンに開いてアレマーナ(用語集2)」
を、3回くらい繰り返すとパートナー・チェンジだ。
♪♪♪♪ ♪♪♪♪
しばらくすると、みんな気が付き始めるだろう。
誰一人として同じ踊りをする人はいない!
与えられた条件は全く同じなのに、である。
「そら、そーやろ。何も不思議なことあらへんわ。
別の人間が踊っとんヤから」
ダンス経験が長い人ほど、そんなの慣れっこになってきて、
大騒ぎするほどの新鮮味もないってもんだが、
もう一度、この辺りのことを、ジックリ考えて欲しいんだな。
「なぜ、同じ条件なのに、こうもダンスが違うのか? 」
って疑問を掘っていくことは、
「なぜ、同じ条件なのに、ダンスにジョウズとヘタが存在するのか?」
につながり、ひいては、
「なぜ、同じ人間なのに、こうもダンスが違うのか?」
という一大疑問に、
非常に大切な示唆を与えてくれるからなんだ。
もちろん、初心者~上級者、
ダンス経歴の差からくるベースの違いは確かにアル。
でも、それを差し引いても、だ。
ダンスってものの中には、
そういうテクニックでは埋められない歴然とした“差”があることは、
誰もがヨーク感じていることだろう。
それを証拠に、今回のこのシュミレーション、
「ダンス歴10年。サークル出身。競技経験少々・・」などと、
もう少し条件設定を限定した人たちを集めたとしても、
似たような結果になったハズ。
誰一人として同じ踊りをする人はいない!
違いは、どこから始まるって?
モウそれは、♪♪♪♪~の瞬間からだろう。
ある人は、「2・3・4・1・・」と口ずさみ始め、
また、
ある人は耳を澄ましてジックリ聴いて身体の中でリズムを刻み始める。
ベーシック・ムーブメントの際のアクションも千差万別。
腰をエラク器用に動かす人がいれば、もっと繊細な運動をする人も。
ファンに開いたときの位置もそうだ。
10人ともそれぞれ微妙に違う方向をとるため、
できあがってくるカタチも各カップルでバラバラだ。
アレマーナにいたっては、
その違いがもっとイヤなものとして見えてくる可能性アリ。
違いが、
「踊りやすい人と踊りにくい人」という生々しい体感を伴ってやってくるんだ。
「アレッ?変だなぁ」
「踊りやすいなぁ」
「何でそーナンネン?」
「あ、うまくいった」
うれしい気持ちにさせてくれる人あれば、すごくガッカリってことも・・・
アレヤコレヤと感じながらもタッタと踊り通し、
「ありがとうございました」
で、また次の人との旅が始まる・・・。
「同じ条件なのに、結果、ダンスが一人ひとり全く違う」ということは、
違う“原因”は、その人にあるということを意味している。
なぜなら“条件”は一緒だから・・・。
すなわち、
同じ条件でも、(この場合は同じ音楽、同じステップ)
本人の解釈によって見事に“違う”という状況を作り出す
というわけなのだ。
こんな風に想像してみると、もっと分かりやすいかもしれない。
ココに世界チャンピオンのカップルがいて、同じ条件で、踊るとする。
そりゃぁ、ものすごく上手いだろう。
「同じ音楽・同じステップに思えないわ!!メッチャ踊りやすい!!」
一緒に踊った人はモ~感激♥♥
ソコなのだ。
どーしてそうなるのか?ってことなのだ。
「世界チャンピオンだから、トーぜん。
そんなん、比べるとかえっておかしーなるわ」
アラアラ、そんなんですましてしもたら、アキマヘンで!
これって、実は比べられる話なんです!!
と、いうことは、
ソウ、彼ら、彼女たちは、
一体何をどーやっているのか?
を知れば、
十分マネできるってことなんだ。
それなら、知りたい?でしょ・・・
先「踊っている時って、言うなれば、
いろいろな外部刺激にさらされているワケなのよね」
Q「外部刺激?」
先「エエ、音楽が耳に入ってくることも、相手と接触することも“外部刺激”。
上の模擬実験では、ステップの順番は決められていたけど、
それもなかったら、
『次は、このステップをしましょう』
と仕掛けられることも、“外部刺激”になるわね」
Q「刺激って考えると、なんか面白いですね。
リードっていうよりプリミティブ(原始的・素朴)な感じ」
先「そうね。ダンスは、
様々な“外部刺激”に、
どう“反応”していくか
これによって、差が出るの。
『誰一人として同じ踊りをする人はいない』現象は、
ここから生まれるってわけ」
Q「へぇ~。アッ、わかった!
例の『基本的にはステップを仕掛けるのは男性で、女性ではない。
でも、正しい知識を持った女性は、
ステップを仕掛けられた時の対応が普通とは違っている』
というのは、
刺激に対する反応の良さを指しているんですよね」
先「その通り!良くつながったわね。
では、聞くけど、正しい知識を持った上級者の女性は、
どんな反応をしているのかしら?」
Q「聞いたことがあるんですけど、うまい女性は反応がいいって。
だから、男性の仕掛けたステップをサッと理解して、
スバヤイ対応をしているんじゃないかな?」
先「それだと、ステップはすべて男性任せってことね?
反射のように、ただただ対応するだけだったら、
女性はステップの知識なんていらないんじゃない?
あったら、かえって邪魔をしそうでしょ?」
Q「あ~、そうかぇ。うーん、わかんなくなってきたぞ」
先「あのね、よーく聞いてね。
刺激と反応の間にはスペースがある
Q「へ?スペースって何・・・“間”みたいなものですか?」
先「そうね、間と置き換えてもらっても良いわ。
とにかくそのスペースってね、
言い変えれば「刺激」を受けたときの、
心の作用と、そこから行われるカラダの活動全般を指すの。
まぁ、ほとんどの人が無意識でやっちゃってる部分なんだけど、
ここでの過ごし方、活かし方が、とっても重要なキーになってくるの」
Q「ワワ、無意識で過ごしているスペースですか?すごい話になってきたな」
先「ほとんどの人は、
ここでの過ごし方に焦点を当てていないんだけど、
刺激を受けてから、反応する間の、
この「スペース」での過ごし方、活かし方の違いが、
世界チャンピオンと一般の人たちの違いだ
って知ったら、どうかしら?」
Q「エー、そうなんですか?
もっと詳しく、聞かせてください!!」
続く 第54話へ
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10カップルが一堂に会し、ルンバを踊る。
同じ音楽で、ステップも統一、
「ベーシック・ムーブメントから、ファンに開いてアレマーナ(用語集2)」
を、3回くらい繰り返すとパートナー・チェンジだ。
♪♪♪♪ ♪♪♪♪
しばらくすると、みんな気が付き始めるだろう。
誰一人として同じ踊りをする人はいない!
与えられた条件は全く同じなのに、である。
「そら、そーやろ。何も不思議なことあらへんわ。
別の人間が踊っとんヤから」
ダンス経験が長い人ほど、そんなの慣れっこになってきて、
大騒ぎするほどの新鮮味もないってもんだが、
もう一度、この辺りのことを、ジックリ考えて欲しいんだな。
「なぜ、同じ条件なのに、こうもダンスが違うのか? 」
って疑問を掘っていくことは、
「なぜ、同じ条件なのに、ダンスにジョウズとヘタが存在するのか?」
につながり、ひいては、
「なぜ、同じ人間なのに、こうもダンスが違うのか?」
という一大疑問に、
非常に大切な示唆を与えてくれるからなんだ。
もちろん、初心者~上級者、
ダンス経歴の差からくるベースの違いは確かにアル。
でも、それを差し引いても、だ。
ダンスってものの中には、
そういうテクニックでは埋められない歴然とした“差”があることは、
誰もがヨーク感じていることだろう。
それを証拠に、今回のこのシュミレーション、
「ダンス歴10年。サークル出身。競技経験少々・・」などと、
もう少し条件設定を限定した人たちを集めたとしても、
似たような結果になったハズ。
誰一人として同じ踊りをする人はいない!
違いは、どこから始まるって?
モウそれは、♪♪♪♪~の瞬間からだろう。
ある人は、「2・3・4・1・・」と口ずさみ始め、
また、
ある人は耳を澄ましてジックリ聴いて身体の中でリズムを刻み始める。
ベーシック・ムーブメントの際のアクションも千差万別。
腰をエラク器用に動かす人がいれば、もっと繊細な運動をする人も。
ファンに開いたときの位置もそうだ。
10人ともそれぞれ微妙に違う方向をとるため、
できあがってくるカタチも各カップルでバラバラだ。
アレマーナにいたっては、
その違いがもっとイヤなものとして見えてくる可能性アリ。
違いが、
「踊りやすい人と踊りにくい人」という生々しい体感を伴ってやってくるんだ。
「アレッ?変だなぁ」
「踊りやすいなぁ」
「何でそーナンネン?」
「あ、うまくいった」
うれしい気持ちにさせてくれる人あれば、すごくガッカリってことも・・・
アレヤコレヤと感じながらもタッタと踊り通し、
「ありがとうございました」
で、また次の人との旅が始まる・・・。
「同じ条件なのに、結果、ダンスが一人ひとり全く違う」ということは、
違う“原因”は、その人にあるということを意味している。
なぜなら“条件”は一緒だから・・・。
すなわち、
同じ条件でも、(この場合は同じ音楽、同じステップ)
本人の解釈によって見事に“違う”という状況を作り出す
というわけなのだ。
こんな風に想像してみると、もっと分かりやすいかもしれない。
ココに世界チャンピオンのカップルがいて、同じ条件で、踊るとする。
そりゃぁ、ものすごく上手いだろう。
「同じ音楽・同じステップに思えないわ!!メッチャ踊りやすい!!」
一緒に踊った人はモ~感激♥♥
ソコなのだ。
どーしてそうなるのか?ってことなのだ。
「世界チャンピオンだから、トーぜん。
そんなん、比べるとかえっておかしーなるわ」
アラアラ、そんなんですましてしもたら、アキマヘンで!
これって、実は比べられる話なんです!!
と、いうことは、
ソウ、彼ら、彼女たちは、
一体何をどーやっているのか?
を知れば、
十分マネできるってことなんだ。
それなら、知りたい?でしょ・・・
先「踊っている時って、言うなれば、
いろいろな外部刺激にさらされているワケなのよね」
Q「外部刺激?」
先「エエ、音楽が耳に入ってくることも、相手と接触することも“外部刺激”。
上の模擬実験では、ステップの順番は決められていたけど、
それもなかったら、
『次は、このステップをしましょう』
と仕掛けられることも、“外部刺激”になるわね」
Q「刺激って考えると、なんか面白いですね。
リードっていうよりプリミティブ(原始的・素朴)な感じ」
先「そうね。ダンスは、
様々な“外部刺激”に、
どう“反応”していくか
これによって、差が出るの。
『誰一人として同じ踊りをする人はいない』現象は、
ここから生まれるってわけ」
Q「へぇ~。アッ、わかった!
例の『基本的にはステップを仕掛けるのは男性で、女性ではない。
でも、正しい知識を持った女性は、
ステップを仕掛けられた時の対応が普通とは違っている』
というのは、
刺激に対する反応の良さを指しているんですよね」
先「その通り!良くつながったわね。
では、聞くけど、正しい知識を持った上級者の女性は、
どんな反応をしているのかしら?」
Q「聞いたことがあるんですけど、うまい女性は反応がいいって。
だから、男性の仕掛けたステップをサッと理解して、
スバヤイ対応をしているんじゃないかな?」
先「それだと、ステップはすべて男性任せってことね?
反射のように、ただただ対応するだけだったら、
女性はステップの知識なんていらないんじゃない?
あったら、かえって邪魔をしそうでしょ?」
Q「あ~、そうかぇ。うーん、わかんなくなってきたぞ」
先「あのね、よーく聞いてね。
刺激と反応の間にはスペースがある
Q「へ?スペースって何・・・“間”みたいなものですか?」
先「そうね、間と置き換えてもらっても良いわ。
とにかくそのスペースってね、
言い変えれば「刺激」を受けたときの、
心の作用と、そこから行われるカラダの活動全般を指すの。
まぁ、ほとんどの人が無意識でやっちゃってる部分なんだけど、
ここでの過ごし方、活かし方が、とっても重要なキーになってくるの」
Q「ワワ、無意識で過ごしているスペースですか?すごい話になってきたな」
先「ほとんどの人は、
ここでの過ごし方に焦点を当てていないんだけど、
刺激を受けてから、反応する間の、
この「スペース」での過ごし方、活かし方の違いが、
世界チャンピオンと一般の人たちの違いだ
って知ったら、どうかしら?」
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