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最後は、

ケース3 表現はどちらに合わせるのか?
例えば、女性がものすごくエネルギッシュに踊りたい人で、
男性は静かなダンスが好きだとする。
さて、どうしよう?


お互い、合わせる必要はない


「女性はエネルギッシュに、男性は静かなダンスを踊れば良いの。
相手の表現に興味を持って、
『合わせてみよう』とか『合わせたい』だったらOKよ。
どちらかが我慢をして、相手に合わせる必要はないってことね。
それに、無理やり自分に合わさせようと強制する、これはNG。
ダンスの表現は自由だから」


「そんなことをしたら、
ダンスが合わなくなってしまわないでしょうか?」


「もともと目指すダンスが合っていないのだから、問題ないわ(笑)
それより各自が、
自分の楽しみのために踊るよう観点を変えたら良いのね」


「それぞれが音楽に乗って、
好きなように踊ればいいってことですか?」


「そうよ! 言い換えれば、本当に相手と楽しむためには、

それぞれが自分を楽しませるのが先決

自分の踊りたいタイミング・パワフルさ・ラインの作り方・・
それを見つけて、
ダンスの中で実現させていくことが、ダンスの面白みってもんでしょ」


「でも、なんか変な表現したら笑われるだろうし、
間違ったことはしたくないし、
相手がキャリアのあるような人だったらなおさら、
生意気に思われるのもなぁ・・・」


「ダンスは何の表現だったかしら?」


「音楽・・ですね」


「そうね。


どういう風に音楽を聞いて、

表現するかは、

基本的に、その人の自由



そこに『間違いだから、やめなさい!』
なんてヤボな世界を持ち込んだら、
その人の創造力の芽を摘んでしまうことになるからね。
ただし、いきなり音楽をかけて、
『ハーイ、自由に表現していいのよぉ』っていわれても、
ワッカんない!!でしょ?」


「そうですね。不安だし…」


「だから、表現のアイデアがあるの。
先人が作った型・ステップを習うことの重要性はそこにあるのよ。
それはやってみる価値があると思うのよ。

言うなれば文化の伝承だからね。
それを習うことで多くの知恵が学べる・・・
それが基礎・ベーシック
いわゆるダンスでいうなら教科書に書いてあることなの」


「ふーん、なるほど」


「ただ“文化の伝承”と言えど、
受け取り方も人によって、いろいろさまざまだから、
ステップの解釈、表現方法・・
みんなソノ人にとって、やり易いように変えてしまうことが多いわ。
また、受け取る側のレベルによっても大きな差が出てしまう。
だから、
『あぁ、これはコウやって踊るものなんだ』
って決めつけないほうがいいわよ。
どんなにキャリアを積んだ人、すごく上手な人であっても、
その人たちが自分なりに解釈した表現方法なの。
“あなた”に絶対的に合うとは限らないからね」


「そういえば、同じステップでも、人によって教え方が違いますもんね。
それじゃ、どうしたらいいんですか?
人のマネをしたり、人から習ったりしないほうが良いと?」


「いいえ。全くそんなことはないわ。
かえって、いいなと思うものはどんどんマネするべきだし、
いろいろな意見を幅広く聞くのも大切。
自分の思い込み・こだわりをなくしていくためにもね。
ただし、
もっと大切なのはそうすることによって審美眼も養うことね。
それは、
モノの本質を見抜く目。
本当の自分が目指しているのは、どの表現だろうか?

とか
自然の理にかなっているものは、どれだろうか?
…みたいな」


「そんなのわかるのかなぁ?」


「洋服を買いに行ってもそうしているでしょ?
お店の人のアドバイスは聞くけど、一番自分で納得のいくものを買うじゃない?
経験を積めば、自分に似合うものもわかってきて、
上質で、使い回しができて、見た目も大切だけど着心地がいいもので・・・
自分にとって今、本当に必要なものを手に入れるようになってくるでしょ。
まぁ、それと似たようなものね。
そして、服としての本質、カラダの保護・活動のしやすさ・保温・吸湿・・
っていうことを知ると、また、選択も変わってくるでしょ?
氾濫する情報の中でも、惑わされることなく、
イイものを選び出せるようになってくる

それが審美眼ね。
ダンスも一緒。
だからこそ「ダンスの原理・原則に合わせる」って勉強が、
すごく大切になってくるのよね。

音楽をしっかり聴いて、
床の上で自分の重みを利用し、
まっすぐを感じて踊る


という、普遍的なテクニックを目指しながら、
それを知るために型・ステップを学んでいこうという心構えでいていたら、
どの情報を取り入れたらいいかがわかってくるようになるわ」


「服選びも人任せにしている感じだから、問題だなぁ(笑)
自分に似合う表現を探していくのが、
ダンスの楽しみなんて思ったこともなかったです。
そのために基礎だけはしっかりと押さえておく、
その基礎が、
ダンスの原理・原則に則ったものなら、なおさらヨシってことですよね」


「ソノとおり!やってみたらわかることなんだけど、
『音楽を楽しむ・床に立つ・まっすぐを感じる』
を目標において勉強しているもの同士だと、

踊りたい表現方法は違っても、

かえってその差を楽しめるものなのよ。

同じ音楽、同じステップでも表現はホント人さまざま。
その人となりが表れるから面白いんじゃない!」


「わー、それは、ものすごくレベルの高い楽しみ方ですね。
でも、ということは、同じ目標を持ち同じ勉強を積んだ者同士でないと、
やっぱりバラバラになる?」


「もちろん、そうなる場合もあるわ。
つまり、相手は自分とは“違う”し、
基本的に“どうにもならない”ものでもあるってことをわかっておかなきゃね。
だからこそ、


自分の踊る楽しみを放棄することなく

相手と踊るテクニックがいる



そのために何度も言うようだけど、
『音楽を楽しむ・床に立つ・まっすぐを感じる』テクニックが必要なの。
これは普遍的なものだから、
人によって合う、合わないがあるものではないからね。
相手に嫌がられずに、迷惑をかけずに、自分が思う存分表現するためにも、
少しづつでいいから手に入れていってほしいわ」

                

      続く 第51話へ



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