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初心者にルンバを教える時、気をつけるべき点(第34話参照)を、
ジュンコ先生が話している。

ここまでの話をまとめると、

テクニックを与え過ぎないことが重要

であるとし、

フットワーク・体重を乗せたほうの足の膝を伸ばすなどの、
足に関するテクニックは、
力みにつながるため 
インナーマッスルを使えるようになれば
自然にできるようになってくるため、ビギナーには教えない  
…とのことだった。


「他にも、あえて与えないテクニックってあるのでしょうか?」


「エエ、ありますよ、たくさん(笑)
その中でも、極めつけ、将来的には非常に大切になってくるからこそ、
絶対与えないほうがイイ、テクニックがあるわ」


「へぇ~、それはいったい・・・?」


「いわゆるコネクション
コネクションって押したり、引いたり、絡めたり、ひっかけたり、
といった人為的、物理的力を手に加えて相手と関わるものなんだけど、
コレはそうね、ビギナーの頃だけではなく、
中級クラスになってもあえて勧めないことが多いわね。
腕・手は、できるだけ力を抜いてクタァー、フニャァーと、
ゆるめておくほうがいい
からね」


「そうなんですか?それで相手とのリード&フォローは成り立つのですか?」


「リード&フォローは腕や手といった、

“部分”でするものではなく、もっともっと全体的なものよ

腕・手の役割は、
リード&フォローのエネルギーや、
お互いのカラダの中の様子
距離感などの必要な情報を伝え合っている“導管”みたいなものね。
だからそれ自体に無駄な力みがあったら、正しく伝わらないわ。
コネクションも、やはり、カラダの中から発せられるべきもの。
指の跡型がつくぐらい、強く握ったり、突き指しそうになるほどに、
キツク関わったり・・で、
『コネクションを気にしていたら踊れない』
ナンテおかしなことにもならないだろうし」
 

「コネクションも、インナーマッスルが大切なのですか?」


「エエ、腹部深層部の筋肉とか呼吸筋とか・・
安全で有意義なコネクションのためには、まずこちらを育てるほうが先決ね。
これに関してはオイオイまたね」


「ジュンコ先生の話を聞いていると、

テクニックを使うことで、

カラダがリキミそうなものは、

すべて廃したほうが良い


という感じですね」


「その通り!初心の頃は、身体感覚、
つまりカラダの感受能力が低いので、
その運動をするに“ちょうどいい”力加減がわからないのよね。
それがパワーなのか、リキミなのかの区別もつかない。
だから、まずは力のようなものは一切抜く!
これをやっておくと、純度の高いカラダになるから、
後々、テクニックが習得しやすくなるわよ。
もちろんここでいう初心者に当たらない人の中でも、
さらに上手くなりたい人は、
今持ってる癖・リキミをいったんリセットするためにも、
『力を抜くこと』を目指す
ほうがいいんだけどね」



・・・ボックスでは、ニヒル君とジュンコとの練習が続いていた。



「どうして、腰と足がそんなチグハグな動きになるのかなぁ。
普通はこうなるでしょ」


彼は、私の目の前で、スポットターンを踊ってみせる。
流れるように奇麗な動きだ。
しかも、1歩1歩しっかりと体重も乗せている。

「もう少し、カラダをこう使って・・・」

彼の口調は柔らかく、指導は、あくまで冷静だ。
その態度が余計に私をイラつかせる。


ハァ~、ソリャあなたはできるかもしれないけれど・・・


それからねぇ「普通は・・・」って言い方、
すごく引っかかるんだけどなぁ。
あなたが正しい基準をやれている人で、


私はエッライ外れたことやってる人みたいやん!


ダメだ・・・
なんでこんな風になっちゃうんだろう?
きっと彼は、私のタメになることを教えてくれているんだろうし、
素直に言うことを聞いて練習すれば、
それなりにうまくもなるんだろうに。
聞く気持ちになれないんだな、
それどころか、“踊る気”さえ湧いてこない。

彼だってとっくに気が付いているはずだ、
ズーっと、さっきからフテクサレたまんまの私のこと。
でも、そこにわざと触れてこない、ニヒル流。


く―っイライラするぜ。


なんで、触れてこないんだよ、もっと。
「なぁなぁ、どうしたん?」
そう、一言、優しく言ってくれるだけも、事態は変わるんだよ!
まぁ、すぐには、仲良しモードに戻れないかも知れないけど、
すくなくとも、気持を切り換えるきっかけには絶対なるのに・・・。

あ~腹立っているだろうな、本当は。
いっそ「おい、甘えるなぁ~」と、どやしつけてくれたら、
この空気、壊しちゃうことできるのになぁ。


アッ、ソウか私、甘えてんだ、きっとそうだ・・・


そんな、自分の内面の声ばかりが気になって、
肝心のニヒル君の声は遠くなってしまい、
時折、すっごく気に障ることを言われた時にだけ、
瞬間的に反応して、結果、
どんどんふさぎこんでゆく自分をどうすることもできない。


こんなん、ムッチャ性格悪なりそうや!!


そのうちニヒル君も語気が荒立ってきて、
「・・・回りゃイイってもんでもないでしょ!」

オー、だんだんってきたぞぉ。
「あんなぁ、人の話、聞いてる?」
そろそろ堪忍袋の緒が切れかかり?かと思いきや、

「いけん、いけん(なぜか九州弁)このくらいで男がキレたら・・・」

サぁーっと自らを制する彼。


あ~ぁ、これからの練習、ずーっとコンナンなかぁ?


と、ニヒル君、気分を変えるためか、種目をチャチャチャに変更。
デッキのところまで音楽をかけに行く。
楽しくもなんともないのに、
ひょうきんな明るい音楽が鳴ってきて・・・。

♪♪♪♪


チャチャチャって気分やないねん!


わざとゆっくり組みに行く。
で、ニヒル君と気持ちが合わないまま、スタート。

オープン・ヒップ・ツイスト ホッキースティック・・

チャチャチャは西部日本戦で初登場の種目だった。
つまり、ダンス的にはビギナーってこと。
実は男性と組んで踊るのもこれが初めてだったのだ。
で、運の悪いことに、
私はこの種目に最初から苦手意識を持ってしまうことになっちゃうんだな。

私はまだ、ロックとかシャッセとか、いわゆるステップを覚えたばかり。
意味もテクニックもよくわからないまま、
一生懸命音楽に合わせて踊るしかなかったのだ。

それなのに・・・。
おそらく私は非常にバタバタ踊っていたんだろう。
ニヒル君にしたら、
「こんなガツガツした動きはとてもチャチャチャやない!」
そう言いたかったんだろうな。
でも、そこまでは言えない。

だから、(苦)笑った・・・。

「もう、どーしようもないなぁ」

子供のオイタに苦笑するような、
温度差のある笑いに、かえってエラク傷ついちゃったのだ・・・。


でも、今から思えば、ジュンコのチャチャチャ、
それはそれでよかったような・・・。


ソウ、チャチャチャにも、成長の段階があるんです!
ジュンコ先生は言った。

「それは留学した欧米のとあるダンス先進国の、
チャチャチャ初級コースのレッスン風景。
もうびっくりしたわよー。
でも、だから上手になるんだ!って最後にはわかったけどね」



ってことで、次回はチャチャチャ・ビギナーへの提言だ!


      続く 第36話へ


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