2007.02.20 (第28話) 姿勢のイイ人って?「カラダの芯・軸」・・の謎
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今日はうれしい、木曜日ィ~♪
夜8時から「夙川の担当ォ~」♪
夙川とは夙川女子短期大学のこと。
関大舞研のパートナー校だ。
「夙川の担当」とは、
木曜日の夜に関大ボックスで行われていた「合同練習会」。
私はこれを楽しみにしていたのだ。
踊ろうと思えば何時でも部室がそばにあり、
リーダーとも時間が合いさえすれば好きなだけ練習ができる、
そんな恵まれた環境の私たち関大生よりも、
はるかにハンディがあった夙川の人たち。
みんなそれぞれハングリー精神&ど根性の持ち主だったなぁ。
上手になって良いリーダーを射止めたい…
って気持ちも、もちろんあったろうが、
それ以上に、心底ダンスが好き、
だから頑張る…そんな純粋さにあふれていた。
そんな彼女たちのフィ-リング・パワーを間近で感じることができる、
夙川担当・・・
私はとても好きだった。
でも、私が心待ちにしていた理由はそれだけではない。
それは、“彼女”に会えるから・・・
彼女の名はローズ先輩。
一年上のひときわ目立つ存在だった。
(ローズはバラ。その気高さ・艶やかさを大輪の赤いバラにたとえて)
顔がキュッと小さくて、首もヒュヒュヒュっと長い。
ボディはグッと締まっていて、手足もスラー。
見るからに、
「ア、この人、きっとうまいんやろうな」って感じ。
口角がクィッと上がった口元や、意志の強そうな切れ長の瞳。
そんな、いかにもダンスメイク映えしそうな顔立ちと言い、
うーん、カッコイイ
こういう人がダンスせえへんかったら、一体誰がすんネン!
でも、私がローズ先輩に憧れたのは、
そのような見た目のことだけではなく、
彼女のダンスというか、踊っている時の所作(身のこなし)全般。
すごくキレイなんだよなぁ。
そう、いつも、何かしら
スーッと一本抜けているような感じがするんだよな。
単なる「姿勢がイイ人」とは、決定的に何かが違う。
特にそれを感じるのは、ターンとかスピンをする時だった。
クルックルックルッ・・・
ローズ先輩のスピンは美しく、キレがあった。
それに彼女自身の口からも、よくこんな言葉が。
「女性は、スピンができやなアカンで。スピンは花形、大ワザやねんから」
ハぁー、
かくいう私は、ターンやらスピンやらの技アリものは大の苦手。
しかもこの手のもの関しては超敏感体質に変貌するためか、
すぐに目が回り気分がワル―くなってしまうのだ。
小さい頃から、自分の意思に関係ないところで揺れたり、
回ったりといった外部刺激にめっぽう弱く、
公園のブランコからジェットコースターまでいわゆる“遊戯もの”は必ず酔う。
デパートの屋上にあったコーヒーカップや、
100円入れてゆっさゆっさ揺れるお馬さんみたいなものもダメ。
他には、
・運転の下手なタクシー
・皮のシートの高級車
・天候の悪いときの飛行機・・。
うわぁ、想像するだけで気分悪くなりそー!ってなくらい。
まぁ、大きくなってずいぶんマシになったけど。
そんな私が、ターンやらスピンやらって、
いくら自分の意思でやるのもだからと言っても目が回らないはずないでしょ!
って、実は・・・
とっても憧れていたんだな、あの、クルックルックルッに。
そんな切れのある、ターン・スピンはもちろんだけど
もうこれはダンスをする、しないに関係なく、
全人類の憧れなんじゃない!?ってぐらい、
「良いなぁ♥」って思っていたのが、
何かしらスーッと一本抜けているような感じのボディから放たれる、
あの独特の、
透明感・存在感
あれって何だろう?
「ダンスすれば姿勢が良くなりますよねぇ」って程度のモンじゃない。
絶対的な摂理からのみ生まれるような、
圧倒的なまでの美しさ
ちょっと大げさにいえば“神々しさ”さえ感じてしまうほどの・・・
「スーッと」感覚が手に入ると、
ターンやらスピンがカッコよくできるようになるんだろうな。
いや、ダンスのすべての運動がきっとやりやすくなるだろうし、
それに、
別にダンスとは関係のない日常の身のこなしだって、
断然美しくなるだろうし・・・。
「スーッと」の正体、知りたいなぁ!
・・・そのうち
担当や練習の時、先輩たちの口から飛び出す言葉の中に、
「スーッと」への様々なヒント、
手がかりめいた言葉を見つけることができるようになってきた。
ソレを始めて耳にしたのは、まだ1回生の初期、
そう、
ワルツのナチュラルターンのボックスを習い始めたぐらいの頃だったと思う。
「ジュンコちゃん、もっと頭を高く、
そう、“天井から吊られているような感じ”で・・・」
「天井から吊るって頭を?」
「そう、頭のてっぺんよ」
私は、
天井からピアノ線みたいな透明で目に見えない糸のようなものが降りてきて、
それに頭のてっぺんがひっかけられて、
ずーっと吊り上っていくようなイメージを持ってみた。
あ、なんかいい感じ。
首がシューって伸びたみたい。
「ジュンコちゃん、目ん玉は上に行かなくていいのよ」って。
恥ずかしー。
また、ある時はこんなふうにも、
「耳の後ろと肩の間をグーッと引き離すような感じで、
頭を高くしていってごらん」
で、猫のように首の後ろ根っこをつかまえられて、グーッと伸ばされた。
わわわ!
デコルテあたりが引っ張られて、
首もスジばってるんやないの?息苦しいん違うん?
って感じでちょっと大変だったけど、
鏡で見ると、
「アラ、バレリーナのネックラインみたい!」
伸ばしてマスッて実感もあるし、
このくらいのしんどさを通りこして、
みんなきれいになっていくんだろうから、
我慢、ガマン・・・、
訓練、クンレン・・・でも、きついなぁ。
他にも、ルンバのシャドウ練習をしている時に、ある女の先輩が
「ジュンコちゃん、もっとカラダの中にシンを通さんと・・・」
シン?芯?って鉛筆の芯みたいなもん?
「“軸”を通すことよ」
その先輩は、私の頭のてっぺんに触れてきた。
「ここから、股間あたりを貫く感じで」
「つらぬく?」
「そう、鮎のくし刺しみたいに・・・」
へぇ~?
整理してみよう。
「何かしらスーッと一本抜けているような感じ」になるためのアイデア
①天井から吊られているような感じに
②耳の後ろと肩の間をグーッと引き離すような感じで、頭を高く
③カラダの中にシンを通す
④“軸”を通す
どれをやっても、一応見た目には、キレイに見えるようになるんだけど、
でも、それぞれに難しさというか、問題点があるんだよな。
②以外は実感がわきにくい。
だからすぐに忘れちゃうし、なくなっちゃう。
その点、②は一番わかりやすいけど、肩がこってきてキツイ。
特に、イカリ肩、短い首の私には、ツライ・・・。
それに、一番の問題点というか、疑問は、
ターンやスピンも、それほどやりやすくはならないってことなんだなぁ。
というより、むしろ、やりにくい時さえある。
①だと、フワフワして、バランスが悪い
②は力が入ってしまって、バランスを壊す
③④は感覚がつかみにくい
ウ~ン、
う~ん、
な~んか違うんだよなぁ。
あ、ジュンコ先生!
先生「今、ジュンコさんが行き詰っているところは、
ものすごーく大切な部分なのよ」
ジュ「そうなんですか?」
先生「エエ。ジュンコさんの憧れる、 スーっとは、実は深い話なの。
たとえば②のような、突貫工事ではできないわ。
似たようなものはできるけど、それはホンモノではない」
ジュ「やっぱりねぇ、だってハンパじゃない感じだもんな。
あのスーっとは」
先生「そうね。でも手に入れることができれば、
また、本気で手に入れるプロセスを歩むに従って、
間違いなくダンスは上達していけるでしょうね」
ジュ「先生、教えてください、スーっとの正体、
そして、どうやったらできるようになるのかを」
先生「もちろんいいけど、知ることでかえって迷わないかな?」
へ?どういう意味?
さぁ、ジュンコは先生の話を理解できるのか?
続く 第29話へ
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夙川とは夙川女子短期大学のこと。
関大舞研のパートナー校だ。
「夙川の担当」とは、
木曜日の夜に関大ボックスで行われていた「合同練習会」。
私はこれを楽しみにしていたのだ。
踊ろうと思えば何時でも部室がそばにあり、
リーダーとも時間が合いさえすれば好きなだけ練習ができる、
そんな恵まれた環境の私たち関大生よりも、
はるかにハンディがあった夙川の人たち。
みんなそれぞれハングリー精神&ど根性の持ち主だったなぁ。
上手になって良いリーダーを射止めたい…
って気持ちも、もちろんあったろうが、
それ以上に、心底ダンスが好き、
だから頑張る…そんな純粋さにあふれていた。
そんな彼女たちのフィ-リング・パワーを間近で感じることができる、
夙川担当・・・
私はとても好きだった。
でも、私が心待ちにしていた理由はそれだけではない。
それは、“彼女”に会えるから・・・
彼女の名はローズ先輩。
一年上のひときわ目立つ存在だった。
(ローズはバラ。その気高さ・艶やかさを大輪の赤いバラにたとえて)
顔がキュッと小さくて、首もヒュヒュヒュっと長い。
ボディはグッと締まっていて、手足もスラー。
見るからに、
「ア、この人、きっとうまいんやろうな」って感じ。
口角がクィッと上がった口元や、意志の強そうな切れ長の瞳。
そんな、いかにもダンスメイク映えしそうな顔立ちと言い、
うーん、カッコイイ
こういう人がダンスせえへんかったら、一体誰がすんネン!
でも、私がローズ先輩に憧れたのは、
そのような見た目のことだけではなく、
彼女のダンスというか、踊っている時の所作(身のこなし)全般。
すごくキレイなんだよなぁ。
そう、いつも、何かしら
スーッと一本抜けているような感じがするんだよな。
単なる「姿勢がイイ人」とは、決定的に何かが違う。
特にそれを感じるのは、ターンとかスピンをする時だった。
クルックルックルッ・・・
ローズ先輩のスピンは美しく、キレがあった。
それに彼女自身の口からも、よくこんな言葉が。
「女性は、スピンができやなアカンで。スピンは花形、大ワザやねんから」
ハぁー、
かくいう私は、ターンやらスピンやらの技アリものは大の苦手。
しかもこの手のもの関しては超敏感体質に変貌するためか、
すぐに目が回り気分がワル―くなってしまうのだ。
小さい頃から、自分の意思に関係ないところで揺れたり、
回ったりといった外部刺激にめっぽう弱く、
公園のブランコからジェットコースターまでいわゆる“遊戯もの”は必ず酔う。
デパートの屋上にあったコーヒーカップや、
100円入れてゆっさゆっさ揺れるお馬さんみたいなものもダメ。
他には、
・運転の下手なタクシー
・皮のシートの高級車
・天候の悪いときの飛行機・・。
うわぁ、想像するだけで気分悪くなりそー!ってなくらい。
まぁ、大きくなってずいぶんマシになったけど。
そんな私が、ターンやらスピンやらって、
いくら自分の意思でやるのもだからと言っても目が回らないはずないでしょ!
って、実は・・・
とっても憧れていたんだな、あの、クルックルックルッに。
そんな切れのある、ターン・スピンはもちろんだけど
もうこれはダンスをする、しないに関係なく、
全人類の憧れなんじゃない!?ってぐらい、
「良いなぁ♥」って思っていたのが、
何かしらスーッと一本抜けているような感じのボディから放たれる、
あの独特の、
透明感・存在感
あれって何だろう?
「ダンスすれば姿勢が良くなりますよねぇ」って程度のモンじゃない。
絶対的な摂理からのみ生まれるような、
圧倒的なまでの美しさ
ちょっと大げさにいえば“神々しさ”さえ感じてしまうほどの・・・
「スーッと」感覚が手に入ると、
ターンやらスピンがカッコよくできるようになるんだろうな。
いや、ダンスのすべての運動がきっとやりやすくなるだろうし、
それに、
別にダンスとは関係のない日常の身のこなしだって、
断然美しくなるだろうし・・・。
「スーッと」の正体、知りたいなぁ!
・・・そのうち
担当や練習の時、先輩たちの口から飛び出す言葉の中に、
「スーッと」への様々なヒント、
手がかりめいた言葉を見つけることができるようになってきた。
ソレを始めて耳にしたのは、まだ1回生の初期、
そう、
ワルツのナチュラルターンのボックスを習い始めたぐらいの頃だったと思う。
「ジュンコちゃん、もっと頭を高く、
そう、“天井から吊られているような感じ”で・・・」
「天井から吊るって頭を?」
「そう、頭のてっぺんよ」
私は、
天井からピアノ線みたいな透明で目に見えない糸のようなものが降りてきて、
それに頭のてっぺんがひっかけられて、
ずーっと吊り上っていくようなイメージを持ってみた。
あ、なんかいい感じ。
首がシューって伸びたみたい。
「ジュンコちゃん、目ん玉は上に行かなくていいのよ」って。
恥ずかしー。
また、ある時はこんなふうにも、
「耳の後ろと肩の間をグーッと引き離すような感じで、
頭を高くしていってごらん」
で、猫のように首の後ろ根っこをつかまえられて、グーッと伸ばされた。
わわわ!
デコルテあたりが引っ張られて、
首もスジばってるんやないの?息苦しいん違うん?
って感じでちょっと大変だったけど、
鏡で見ると、
「アラ、バレリーナのネックラインみたい!」
伸ばしてマスッて実感もあるし、
このくらいのしんどさを通りこして、
みんなきれいになっていくんだろうから、
我慢、ガマン・・・、
訓練、クンレン・・・でも、きついなぁ。
他にも、ルンバのシャドウ練習をしている時に、ある女の先輩が
「ジュンコちゃん、もっとカラダの中にシンを通さんと・・・」
シン?芯?って鉛筆の芯みたいなもん?
「“軸”を通すことよ」
その先輩は、私の頭のてっぺんに触れてきた。
「ここから、股間あたりを貫く感じで」
「つらぬく?」
「そう、鮎のくし刺しみたいに・・・」
へぇ~?
整理してみよう。
「何かしらスーッと一本抜けているような感じ」になるためのアイデア
①天井から吊られているような感じに
②耳の後ろと肩の間をグーッと引き離すような感じで、頭を高く
③カラダの中にシンを通す
④“軸”を通す
どれをやっても、一応見た目には、キレイに見えるようになるんだけど、
でも、それぞれに難しさというか、問題点があるんだよな。
②以外は実感がわきにくい。
だからすぐに忘れちゃうし、なくなっちゃう。
その点、②は一番わかりやすいけど、肩がこってきてキツイ。
特に、イカリ肩、短い首の私には、ツライ・・・。
それに、一番の問題点というか、疑問は、
ターンやスピンも、それほどやりやすくはならないってことなんだなぁ。
というより、むしろ、やりにくい時さえある。
①だと、フワフワして、バランスが悪い
②は力が入ってしまって、バランスを壊す
③④は感覚がつかみにくい
ウ~ン、
う~ん、
な~んか違うんだよなぁ。
あ、ジュンコ先生!
先生「今、ジュンコさんが行き詰っているところは、
ものすごーく大切な部分なのよ」
ジュ「そうなんですか?」
先生「エエ。ジュンコさんの憧れる、 スーっとは、実は深い話なの。
たとえば②のような、突貫工事ではできないわ。
似たようなものはできるけど、それはホンモノではない」
ジュ「やっぱりねぇ、だってハンパじゃない感じだもんな。
あのスーっとは」
先生「そうね。でも手に入れることができれば、
また、本気で手に入れるプロセスを歩むに従って、
間違いなくダンスは上達していけるでしょうね」
ジュ「先生、教えてください、スーっとの正体、
そして、どうやったらできるようになるのかを」
先生「もちろんいいけど、知ることでかえって迷わないかな?」
へ?どういう意味?
さぁ、ジュンコは先生の話を理解できるのか?
続く 第29話へ
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