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ちょっと話がさかのぼっちゃうんだけど、
確か夏合宿の前後、練習が活発化したあたりからだったかナァ、

1回男性部員の“練習着”に、オモシロイ変化が現れたんだな。
「コレを身につければ上手くなる!!」とばかりに全員がソレを装着し、
ソレを忘れた!とわかったときは、
その辺に脱ぎ捨てられた先輩の練習着から、
「ちょっと拝借」そのままイタダキ!で、
盗まれた先輩も、
「オイ、オマエかえせぇ~」と必死。

ねぇねぇ、
何でそんなに大切なの?と聞くや

「コレしたら、ダンスの調子ムッチャええネン」

んん?
サァ、ソレって何でしょう??

答えは、「吊りバンド」またの名をサスペンダー。

我ら1回生男性部員おススメの「吊りバンド効果」は、
・気持ちがビシッと引き締まる
・鏡に映ったとき、自分の足が長く見える

そして極めつけが、


なぜかはわからないが、ダンスの調子がムッチャ良くなる


で、具体的にはどう調子は良くなるの?
「腰ひけが目立たんようになるネン。
それに見た目だけと違って、実際の腰も落ちにくくなるし」
「ココ(みぞおち)から足って感じで振り込めるから、
大きい歩幅が出せるネン」


フーンそうなんだ・・・
「でもそんなものに頼ったって実際のカラダは変わらないわけで、
踊りやすくなるなんて言っても気休めにしか過ぎないのに」
って当時はウスーいリアクションだったんだけど。


でも ジュンコ先生突然こう切り出した。
「人間が本来持っている機能や構造を、補ったり、
増幅したりするために外部に作り出されたモノって実は多いんだけど、
あぁ、ソウ、コンピューターが“外部に作り出された頭脳”のように・・・。
この吊りバンドも実はそうなの」

ジュ「へぇー、じゃぁ吊りバンドに替わるものがカラダの中にもあるってこと?」

先生「そのとおり!それがまさしく、みぞおちから足の真意なの」

これはスゴイことが聞き出せそうだって予感がした、
ジュンコ、思わず身を乗り出して、「ワァォ面白そう!」

先生「人間のカラダの中にはね、
ちょうどその吊りバンドと同じような働きをする、
究極のダンサー筋肉が、実際にアルのよ」

ジュ「へぇー?じゃぁ、ダンスの調子がムッチャ良くなる筋肉が、
人間のカラダにあるってことですか?」

先生「そう。全ての人のカラダの中に、もとからある筋肉よ。
もちろんジュンコさんにも。
『今日はダンスの調子が良いなぁ』って時は、自然と使っているものなの」

ジュ「へぇー知りたい、知りたい!それって何?どこにあるの?」



さてご存知かな? 大腰筋(だいようきん) 
これが、カラダの中にある「吊りバンド筋」の正体。
背骨と両足の付け根(=大腿骨)を結んでいる筋肉だ。

でも“究極のダンサー筋肉”って割には、意外と知られていないんだよね。
なぜって、それはインナーマッスル深層筋
解剖図などを見ないと、
なかなかその存在を確認することはできないからなんだ。

注目すべきは、人間が2足歩行になって、
つまり、「立って歩くために発達した筋肉」だということ。
ならば、歩くことが基本・大前提のダンスのとっては、
もうなくてはならない存在の筋肉ってことは言うまでもない。



ジュ「先生、なぜその大腰筋が、吊りバンド筋なんですか?」

先生「吊りバンドは肩からズボンをつっているものよね。
で、この大腰筋は背骨から両足を吊っているの」

ジュ「背骨って?」

(ジュンコに触れながら)
先生「このあたりよ。
で、その吊っているところの一番上がカラダの前面で言えば、
ちょうど“みぞおち”の辺りに当たるの」

ジュ「あぁっ!K先輩に触られたところと一緒だ!
『ここから足だよ』って。
そうだったのかぁ。K先輩は大腰筋のこと知っていたんだ!」

先生「たぶん名前も知識もナイと思うけどね。
きっと体験的に知っていたんだと思うわ。
この大腰筋によって足が吊られている感覚で踊れているときは、
すごく調子が良いって」

ジュ「私も、K先輩と踊ってもらったときは、
ものすごくスムーズに踊れたもの。
後退するのが全く怖くなかったし、
運動がずーっとつながっていた感じがしたわ」

先生「足は左右離れてついているから、
踊っている間にバランスを壊しやすいの。
でも、この大腰筋で足の動きをリードすることができるようになれば、
その心配がなくなるわけ。
だって大腰筋はカラダの中にあるものでしょ。
バランスを壊しようがないわ」

ジュ「あ、わかった!マーカス君に言われた、
『1歩1歩しっかり立ちながらも動きを止ってめない』って意味が。
足の運動は1歩1歩乗り換えるたびに切れても、
大腰筋から両足を動かしている時は、
カラダの中の運動は途切れることはない
つまり、動き続けていられるってことだ、すごい!」

先生「よくできました!
『カラダの下に足を置く』ってこともわかりやすいでしょ」

ジュ「大腰筋を使っていたら、自然とそうなるよね、きっと」

先生「では、実際に大腰筋を使っている感覚をつかんでみましょうか?」

ジュンコ、先生の指示通り、
まずは、
壁に片手をついて、片足をブラブラ振ってみる。
すると、足はみぞおちの辺りから動いているのがわかる。
コレが「吊りバンド筋」感覚。

次に、味わってみよう。
みぞおち辺りの筋肉を意識的に動かしてみる。

グィッグィッって前後に引き裂くように・・・
歩くときなど前後のステップはこんな風に使っている。

グルグルって回してみる・・・
これは回転運動の時。

キュッキュッって絞ってみる・・・
ルンバのアイソレーションの時にはこう使っている。

ジュ「へぇー、スタンダードだけじゃなくて、ラテン種目にも有効なんだ!」

先生「もちろん!それにね、ダンスの時だけじゃなくて日頃だって、
みぞおち深部を感じながら歩いてごらん、
歩き姿がキレイになるし、お腹の中の筋肉を使うことになるから、
もちろんダイエット効果だってあるんだから」

ジュ「じゃぁ、歩くときにこの筋肉を意識すれば鍛えられますね」

先生「そうよ。あと、できるだけ階段を使うようにしてもいいわね」

ジュ「よーし!やってみよう。
だけど、一つ気になるのが、どうしてマーカス君との練習のとき、
なぜうまくいかなかったんだろう?
K先輩と踊った時は何にも知らなくても大腰筋がつかえていたんだろうに」

先生「いいところに気がついたわね。
ジュンコさん、『みぞおちから足』って言いながらも、
足の筋肉を一生懸命使っていたんじゃないの?」

ジュ「もちろん!膝を使ってしっかり足で送って・・・
えぇっ?それはがダメなの?」

先生「ふくらはぎや太ももなどに力を入れ、
足でガンバルことをやり続けていたら、
大腰筋は使いにくい状態になっちゃうのよ。」

ジュ「・・・?」

先生「それが、これからのジュンコさんの課題のようね。
足を勝手に踊らせてしまってはダメなのよ。
大腰筋部分からステップ操作が始まって、
そこで起こった運動を足で吸収していく感覚
をつかむことができれば、
解決!なんだけど、
これにはもっと、自分のカラダに対する感受力が必要ね」

最後のほうはちょっと難しかったけど、
大切な4つのことがわかったような気がしたんだな。
それは、
ダンスって、自然の理にかなっているものすごくナチュラルなもの。
だから、ただがむしゃらに頑張るだけじゃなく、正しい知識が必要なんだ!
でも、その知識はすでにカラダの中に詰まっている!
あとはいかに掘り出せるか?


さぁ、足だけで頑張って踊るダンスは終わった。 

これからは、インナーマッスルの時代だぁ!

でも、その当時はインナー・マッスルなんて言葉もなかったような頃、
一生懸命、頑張って練習するしかなく・・・


しかも、このスローフォックストロットはなかなか手ごわい種目で、もう大変!


          続く 第24話へ


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