2007.02.13 (第21話) 楽しい練習、歓喜の勝利!
目次へ
社交・競技ダンスのステップっていっぱい!
ホント限りなくある。
競技スタイルのダンスだけでも、
スタンダード・ラテン各5種目の計10種目。
それぞれに基礎のステップがたくさんあって、
そのうえシコタマバリェーションが存在し、
おまけに流行のステップまで、毎年のように出てくるんだから。
もうステップだけでアップアップ
なかなか本題の“踊り”に至らないなんていう、
本末転倒だって、そりゃぁ起こってくるわけね。
なんでも、
世界中の民族芸能的な踊りやら、
社交のために踊られていたダンスの中から、
「ヤヤっ!これはおもしろい!!」と、
英国のダンス教師協会の偉いさんたちのお眼鏡にかなったものがかき集められ、
「せっかくやから、これで、競わせたらどないやねん!?」
と作り直したのが、
競技ダンス=イングリッシュ・スタイルという話。
競技→勝ち負けを競う→色んな意味で難しくしないと差が出ない、
ということで、原型のダンスよりかなり難易度は高くなっているし、
モチ、ビジュアル重視。
きれいにカタチが整えられ過ぎて、現地の人から見れば、
「もうあれはベツもんだぁ!」
って感じじゃないの?
さてさて、京大部内戦の種目は、
ワルツ・タンゴ・ルンバ
うーん、なかなか個性的で、おもしろい組み合わせだ。
ワルツはウインナワルツの発祥までさかのぼれば、「オーストリア」生まれ
タンゴはおなじみ「アルゼンチン」発
ルンバはフロム「キューバ」
すごい、グローバル!!
なんてインテリジェンスな感動は当時全然なかったものの、
“ノーテク・パワーのみ”
(テクニックはないがパワーだけで踊る)
のダンスから、
フィーリング重視のダンスにシフト中だったせいもあり、
(キューバンルンバで味をしめてから…詳しくは2月10日の記事)
成り切り・ダンサーのジュンコチャン。
それぞれの種目の「~らしさ」
=雰囲気だけはうまく捕まえて表現していたと思うわね。
例えば、
ワルツはあくまで優雅に。
イメージは貴婦人。
ベルばら、“マリーアントワネット”。
常にほほえみを忘れない。
口角をきュっと上げ、目線は高く、夢見るように。
タンゴは、情熱的に、つんと澄ましたフラメンコ風。
プロムナードに開いたときの挑むような鋭い視線も大事。
ただし私的には、ときにはふてぶてしい笑いもOK!
ルンバは健全な愛情&官能表現。
女豹のようにしなやかなボディ&ヒップアクション。
目ん玉から出す“愛の光線”コレ重要。
指の先までピンク色のオーラを発し続ける。
どーうこれ!?
成り切りダンサー・ジュンコ爆裂状態!!
3種目の総合で優勝が決定するからにゃ、絶対、苦手種目は作れない!
とばかりそりゃぁ頑張ったんだから。
でも、そんな「怖いもの知らず」で「過激派」の私と組んでも、
男性としてのパワフルさで圧倒し、
常にリーダーで居続けた時のリーダー、マーカス君もタダ者ではなかったな。
(なぜ、マーカスかって?かつての世界チャンピオン
「マーカス・ヒルトン」を思わせるルックスの良さ…なんて言い過ぎかぁ?)
彼はその頃ちょうど“転機”を迎えていた。
暮れの秋季関西戦で、あるメチャンコ上手い女性と組む機会を得たことで、
彼のダンス観が変ってしまったのだ。
その女性Y子さんは、当時4回生。
それが最後の競技会だった。
優勝経験多数。
華々しい活躍を終えての最後の晴れ舞台。
しかし、リーダーの就職活動と競技会が重なってしまいアウト!!
かと思いきや、ピンチヒッター、マーカス君登場となったわけだ。
身長が合うこと・ルックスの良さ・・才能めいたものを買われての大役だった。
なにしろその頃の4回生は、1回部員にとっては神様のような存在。
マーカス君、期待に応えようとそりゃぁものすごく頑張ったよ。
ホールドのやり過ぎからくる腕のシビレをなだめながら、
連日の特訓にも耐え続けた。
で、結果、優勝はさすがに逃したものの、見事決勝進出!!
Y子さんの、
「マーカス君、いい思い出になったよ、ありがとう」
の言葉に思わず、
男泣きしそうになっていた姿には、周りのみんなもグッときたものだ。
今回のエースナンバーはきっとそのご褒美。
そうやってチャンスをモノにできると、人間って変わるんだな。
スンごく自信がつくんだろうな。
その頃のマーカス君は輝いていたなぁ・・・。
でも、根は大阪弁バリンバリンのおもろいやつ。
「おーい、ジュンコぉ、練習すんぞぉ」ってそんなノリ。
結構、
「パートナーとはこうあるべき」みたいな自己主張もアリで、
「人の言うことは聞かんタチ・上からモノを言われるとむっちゃ反発する性格」
の私とは、本来相性は悪いハズ?
だのになぜかミョーに気が合ったんだな。
彼のいうことだったら、素直に聞けた。
なぜ?
まずは、「褒めてくれた」から。
彼はさりげなくホメ上手だったんだ。
「そうや!今のでエエねん。ジュンコ、お前なかなかヤルなぁ」って感じ。
褒めてもらってうれしいなんて、なんだか幼子みたいなんだけど、
これって結構ウエイト高いのよね。
それに「コンプレックスを感じないですむ」
ニヒル君のような天才ダンサータイプではないから、
基本的には対等関係で練習できる、これもうれしかった。
そして・・・
一番は「自分なりの哲学・美学を持っていた」こと。
当然ニヒル君も持っていたんだけど、
マーカス君のほうが、わかりやすいというか、夢があるというか、
私と何となく方向が合っていたというか・・・
その彼のポリシー見たいなものを強烈に感じ取ったのは、
確か競技会が間近に迫ったある日のこと。
ひと練習が終わり、一緒に窓際に並んで風に打たれながら、
汗をひかしていた時、急に“真声”になって、こう彼は言ったんだな。
「オレ、絶対天下取りたいんや」
うへぇ~! あんたは“信長”か!?
でも、いいなぁその発想。
やっちゃいましょうよ、今度の部内戦で。
「マーカス君、天下取ろうぜ!!」
京大部内戦はその名の通り、京大主催の練習試合。
京大のエースナンバーが毎回優勝とアイ決まっている、
その“恒例”をくつがえすべく戦いに挑んだというわけだ!!
ブオォォ~~(ホラ貝の音)
戦いの火ぶたは切って落とされたぁ。
マーカス&ジュンコは1次予選からもうイケイケムード。
敵をバッタバッタと切り落とし・・・って感じでまず、
ワルツを1位!!
タンゴはニヒル君組に軍配が上がったものの、
お昼を迎えた時点で、
「今日は京大部内戦やのうて、関大部内戦や!!」
と先輩・OBを歓喜乱舞させる結果となり、いよいよルンバで決着だぁ!!
決勝のフロアー
「380番、マーカス、ジュンコ組 関大」ものすごい拍手、大声援。
「381番、ニヒル、りか組 関大」これまた負けず劣らずの応援だ。
音楽スタート
♪♪♪♪ ♪♪♪♪
アーいい曲だ。
カラダの中にズンズン入ってくる。
最高!
ボディがいつものようにざわめき始め、ヒップもキュッキュッ。
スパっと切れるターン、ダイナミックなファンポジション。
愛のビームで見つめ合う。
「ジュンコ、その調子!ええぞ」
マーカス君も好調だ。
これでもかのごとくのボディアクション。
おもっきり、しなやかな、女豹のように・・・
もうこれ以上はないほどに目いっぱい踊り切ったぁ~!!
結果を静かに待つ・・・。
「ジュンコちゃん、これはイッタで」
「マーカス、これ勝ってたらすごいぞぉ」
周囲の期待は、どうやら私たちに・・・
「優勝は・・380番・・」
わぁぁぁぁ~大声援でアナウンスがかき消されたほど。
やったぁぁ~
夢にまで見たオナーダンスは、ワルツだった。
「もし、天下取れた暁にはこれやろう・・・」
とひそかに練習していた
ピクチャーポーズ「スロー・アーウエイ・オーバースエイ」
決まった!
打ち上げの席上、
大きな優勝カップになみなみと注がれたビールを一気に飲み干す、
マーカス君。
関大始まって以来の、1位・2位独占の快挙にみんな酔いしれた一夜だった。
ニヒル君?
彼の気持など感じてあげられる余裕もないほどに、忙しくって・・・
息つく間もないほどに、
次の競技会に向けての新たな挑戦が始まる。
続く 第22話へ
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社交・競技ダンスのステップっていっぱい!
ホント限りなくある。
競技スタイルのダンスだけでも、
スタンダード・ラテン各5種目の計10種目。
それぞれに基礎のステップがたくさんあって、
そのうえシコタマバリェーションが存在し、
おまけに流行のステップまで、毎年のように出てくるんだから。
もうステップだけでアップアップ
なかなか本題の“踊り”に至らないなんていう、
本末転倒だって、そりゃぁ起こってくるわけね。
なんでも、
世界中の民族芸能的な踊りやら、
社交のために踊られていたダンスの中から、
「ヤヤっ!これはおもしろい!!」と、
英国のダンス教師協会の偉いさんたちのお眼鏡にかなったものがかき集められ、
「せっかくやから、これで、競わせたらどないやねん!?」
と作り直したのが、
競技ダンス=イングリッシュ・スタイルという話。
競技→勝ち負けを競う→色んな意味で難しくしないと差が出ない、
ということで、原型のダンスよりかなり難易度は高くなっているし、
モチ、ビジュアル重視。
きれいにカタチが整えられ過ぎて、現地の人から見れば、
「もうあれはベツもんだぁ!」
って感じじゃないの?
さてさて、京大部内戦の種目は、
ワルツ・タンゴ・ルンバ
うーん、なかなか個性的で、おもしろい組み合わせだ。
ワルツはウインナワルツの発祥までさかのぼれば、「オーストリア」生まれ
タンゴはおなじみ「アルゼンチン」発
ルンバはフロム「キューバ」
すごい、グローバル!!
なんてインテリジェンスな感動は当時全然なかったものの、
“ノーテク・パワーのみ”
(テクニックはないがパワーだけで踊る)
のダンスから、
フィーリング重視のダンスにシフト中だったせいもあり、
(キューバンルンバで味をしめてから…詳しくは2月10日の記事)
成り切り・ダンサーのジュンコチャン。
それぞれの種目の「~らしさ」
=雰囲気だけはうまく捕まえて表現していたと思うわね。
例えば、
ワルツはあくまで優雅に。
イメージは貴婦人。
ベルばら、“マリーアントワネット”。
常にほほえみを忘れない。
口角をきュっと上げ、目線は高く、夢見るように。
タンゴは、情熱的に、つんと澄ましたフラメンコ風。
プロムナードに開いたときの挑むような鋭い視線も大事。
ただし私的には、ときにはふてぶてしい笑いもOK!
ルンバは健全な愛情&官能表現。
女豹のようにしなやかなボディ&ヒップアクション。
目ん玉から出す“愛の光線”コレ重要。
指の先までピンク色のオーラを発し続ける。
どーうこれ!?
成り切りダンサー・ジュンコ爆裂状態!!
3種目の総合で優勝が決定するからにゃ、絶対、苦手種目は作れない!
とばかりそりゃぁ頑張ったんだから。
でも、そんな「怖いもの知らず」で「過激派」の私と組んでも、
男性としてのパワフルさで圧倒し、
常にリーダーで居続けた時のリーダー、マーカス君もタダ者ではなかったな。
(なぜ、マーカスかって?かつての世界チャンピオン
「マーカス・ヒルトン」を思わせるルックスの良さ…なんて言い過ぎかぁ?)
彼はその頃ちょうど“転機”を迎えていた。
暮れの秋季関西戦で、あるメチャンコ上手い女性と組む機会を得たことで、
彼のダンス観が変ってしまったのだ。
その女性Y子さんは、当時4回生。
それが最後の競技会だった。
優勝経験多数。
華々しい活躍を終えての最後の晴れ舞台。
しかし、リーダーの就職活動と競技会が重なってしまいアウト!!
かと思いきや、ピンチヒッター、マーカス君登場となったわけだ。
身長が合うこと・ルックスの良さ・・才能めいたものを買われての大役だった。
なにしろその頃の4回生は、1回部員にとっては神様のような存在。
マーカス君、期待に応えようとそりゃぁものすごく頑張ったよ。
ホールドのやり過ぎからくる腕のシビレをなだめながら、
連日の特訓にも耐え続けた。
で、結果、優勝はさすがに逃したものの、見事決勝進出!!
Y子さんの、
「マーカス君、いい思い出になったよ、ありがとう」
の言葉に思わず、
男泣きしそうになっていた姿には、周りのみんなもグッときたものだ。
今回のエースナンバーはきっとそのご褒美。
そうやってチャンスをモノにできると、人間って変わるんだな。
スンごく自信がつくんだろうな。
その頃のマーカス君は輝いていたなぁ・・・。
でも、根は大阪弁バリンバリンのおもろいやつ。
「おーい、ジュンコぉ、練習すんぞぉ」ってそんなノリ。
結構、
「パートナーとはこうあるべき」みたいな自己主張もアリで、
「人の言うことは聞かんタチ・上からモノを言われるとむっちゃ反発する性格」
の私とは、本来相性は悪いハズ?
だのになぜかミョーに気が合ったんだな。
彼のいうことだったら、素直に聞けた。
なぜ?
まずは、「褒めてくれた」から。
彼はさりげなくホメ上手だったんだ。
「そうや!今のでエエねん。ジュンコ、お前なかなかヤルなぁ」って感じ。
褒めてもらってうれしいなんて、なんだか幼子みたいなんだけど、
これって結構ウエイト高いのよね。
それに「コンプレックスを感じないですむ」
ニヒル君のような天才ダンサータイプではないから、
基本的には対等関係で練習できる、これもうれしかった。
そして・・・
一番は「自分なりの哲学・美学を持っていた」こと。
当然ニヒル君も持っていたんだけど、
マーカス君のほうが、わかりやすいというか、夢があるというか、
私と何となく方向が合っていたというか・・・
その彼のポリシー見たいなものを強烈に感じ取ったのは、
確か競技会が間近に迫ったある日のこと。
ひと練習が終わり、一緒に窓際に並んで風に打たれながら、
汗をひかしていた時、急に“真声”になって、こう彼は言ったんだな。
「オレ、絶対天下取りたいんや」
うへぇ~! あんたは“信長”か!?
でも、いいなぁその発想。
やっちゃいましょうよ、今度の部内戦で。
「マーカス君、天下取ろうぜ!!」
京大部内戦はその名の通り、京大主催の練習試合。
京大のエースナンバーが毎回優勝とアイ決まっている、
その“恒例”をくつがえすべく戦いに挑んだというわけだ!!
ブオォォ~~(ホラ貝の音)
戦いの火ぶたは切って落とされたぁ。
マーカス&ジュンコは1次予選からもうイケイケムード。
敵をバッタバッタと切り落とし・・・って感じでまず、
ワルツを1位!!
タンゴはニヒル君組に軍配が上がったものの、
お昼を迎えた時点で、
「今日は京大部内戦やのうて、関大部内戦や!!」
と先輩・OBを歓喜乱舞させる結果となり、いよいよルンバで決着だぁ!!
決勝のフロアー
「380番、マーカス、ジュンコ組 関大」ものすごい拍手、大声援。
「381番、ニヒル、りか組 関大」これまた負けず劣らずの応援だ。
音楽スタート
♪♪♪♪ ♪♪♪♪
アーいい曲だ。
カラダの中にズンズン入ってくる。
最高!
ボディがいつものようにざわめき始め、ヒップもキュッキュッ。
スパっと切れるターン、ダイナミックなファンポジション。
愛のビームで見つめ合う。
「ジュンコ、その調子!ええぞ」
マーカス君も好調だ。
これでもかのごとくのボディアクション。
おもっきり、しなやかな、女豹のように・・・
もうこれ以上はないほどに目いっぱい踊り切ったぁ~!!
結果を静かに待つ・・・。
「ジュンコちゃん、これはイッタで」
「マーカス、これ勝ってたらすごいぞぉ」
周囲の期待は、どうやら私たちに・・・
「優勝は・・380番・・」
わぁぁぁぁ~大声援でアナウンスがかき消されたほど。
やったぁぁ~
夢にまで見たオナーダンスは、ワルツだった。
「もし、天下取れた暁にはこれやろう・・・」
とひそかに練習していた
ピクチャーポーズ「スロー・アーウエイ・オーバースエイ」
決まった!
打ち上げの席上、
大きな優勝カップになみなみと注がれたビールを一気に飲み干す、
マーカス君。
関大始まって以来の、1位・2位独占の快挙にみんな酔いしれた一夜だった。
ニヒル君?
彼の気持など感じてあげられる余裕もないほどに、忙しくって・・・
息つく間もないほどに、
次の競技会に向けての新たな挑戦が始まる。
続く 第22話へ
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