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そう言えばあの頃、ものすごくやったなぁ、
“シャドウ” (一人で踊る練習のこと)

リーダーと組んで練習するよりも、圧倒的に多かった。
なぜって、ズーッと部室に入りびたり。
カップル練習の合間ってのがよくあって、
そのほとんどをシャドウに当てていたんだもの、
ソリャぁ“シャドウの鬼”になるわね。

まだ、ワルツのベーシックと、
クイックステップのシャッセ&ロックしか知らなかった頃だが、

しっかりホールドをして、左ヒジをしっかり張って、左上をむいて、
 時折そこにニッコリ笑顔なんてつけちゃって。

足を使って、フットワークに気をつけて。
 ワルツのスピンターンでの“ブラッシュ”コレは絶対忘れちゃだめ。
 で、クイックステップのバックロックのとき“しっかりヒールで送る”も、キモ。

音楽にあわせて順番どおり間違えずに踊る、コレは最低条件。

習ったことを1つ1つ思い出しながら・・・。

「オウ、ジュンコちゃん、がんばるなぁ。
ジュンコちゃんのリーダーは幸せや、よう練習するパートナーで」

なんて先輩に褒められると結構うれしくって、
ますます“シャドウ”に磨きをかけようとがんばる日々・・・。


しかぁーし!!


1回生の間は先輩から教えてもらう、
主にステップなど外側のテクニックを特に自分で考え直すこともなく、
「そんなもんだ」と受け取るのみ。

2回生になってプロの教習所に行って、
(今でいうスタジオ。2回生よりプロの元へ習いに行くことが許された)
初めてワルツのレッスンを受けたときに、


ガビビィーンな指摘を受けまくり、
私は大混乱に陥ってしまうことになるのである。


(ちょっと話は先へと飛ぶが、そのときのレッスン風景をここで再現しよう)

指摘その
「コラッ!ホンマによう勝手に動く女子やなぁ。
床に男性より足を早くついたらアカンがな!!」


指摘その
「自分のホールドは、ちっとも男性にそぐワンなぁ。
もっとシットリとでけへんのか」


指摘その
「足に力入れ過ぎ!何一人でがんばって立ってんねん」

タダでさえ緊張するプロレッスンなのに、
突然意味不明なことばっかり注意を受けて大パニック。
“アッシにはいわれのネェこと”で怒られているような、肌触りの悪-い感覚だ。

ニッコリ笑顔なんて吹っ飛んで、
冷やコーい汗をタラリとしつつ、顔もきっと蒼ざめていたと思う。

ただ、
「さすがにプロ。目の付け所が違うわぁ」
なんてノンキな話じゃないッテことくらいは、
そんな状況でも何となく感じ取ることはできたわね。

かといって、
「あのぉー、意味が分からないんですけど、質問していいですか?」
なんていう余裕もふてぶてしさも持てないままに、
ただ、言われることに、
「ハイ、ハイ・・・」



つらかったなぁ・・・。



そのときの私の言い分はこうだ。

そのに対し
「男性の足より早くついたらアカンって言われても、
目で見れないのにどうして分かるんですか?」

そのに対し
「そぐわないっていわれても、
ひじはしっかり張らなきゃダメなんでしょう!?」

そのに対し
「一人で立って踊るのがダンスやないんですか? 
頼ったらアカンって思っていたんですけど」


今だから思うこと・・・。
当時の私がコレを質問して、
たとえ先生が誠実に丁寧に答えてくれていたとしても、
余計に「???」となってしまっていただろう・・・

薄っぺらい解釈にとどまっていることに気がつかずに、
単なる知識の“差し替え”をするにとどまっていたか、

意味は理解できても、
自分のかなり深いところから改善していかないと、
とてもじゃないけどできないってことに気付き、非常に苦しんだか、

・・・のいずれかだろう。


それくらい私は“ダンス”を知らなかった。
だから、注意されたことの共通点が、「男性をもっと感じて踊りなさい」
と言うことであるとも見抜けず、
また、
その“感じて踊る”の中にある、奥深さ、微妙なさじ加減を察することもなしに、
言われた部分部分の修正に奔走したのを覚えている。

に対しては
「足をできるだけゆっくり、男性より遅れるように動かす」

に対しては
「ヒジを男性もう少し密着させる」

に対しては
「足の力を少しだけ抜いてみる」

すると、
「それでよし」どころかだんだん、もっとエライことに・・・

への反応
「コラッ、足が邪魔や!どこへ置いてんねん」
言い分→エェッさっきはスピードで、今度は場所の注意!?

への反応
「重いホールドや!自分でなんで張られへんねん?」
言い分→そぐワンって言われたからやってんのに??

への反応
「フットワークも知らんのか? トウバランスになってないでぇ」
言い分→さっきはチャンとやっていたよ。
力入れ過ぎって言われたから抜いたらできなくなったんや!?


もう私は半べそだ。


先輩から、
「あの先生はきびしいけど、
ベーシックをすごく大切にする先生だからためになるよ」

って聞かされていたのに。別に何も習わず、
ただやっていることを否定され、怒られてただけじゃない!!

「よっぽどでない限り、
たいていはパートナーより先にリーダーが直されるから、大丈夫」
とも。
って事は、私はよっぽどヒドイってことぉ!?
(ちなみにこのときのリーダーはニヒル君。まぁ仕方ないかぁ)

マジで、更衣室の中で忍び泣きしちゃいましたもんね。



苦ぁーい思い出・・・。



アレから24年、
今だったら、当時のジュンコを、ジュンコ先生がレッスンできる!!

ッてことで、お願いしまーす!


「ジュンコさんは、シャドウをずいぶんがんばっていたようね」

「ハイ、シャドウは大切だって習ったもんですから」

「もちろん、シャドウはとても大切よ。
でも、どんなものにでも低いレベルから高いレベルまであるみたいに、
シャドウにもあるの。
例えるなら、幼稚園児のシャドウがあれば、大学生のシャドウもあるわ。
そのどれもが成長段階として外せないものよ。
大切なのは、幼稚園児の時には、幼稚園児のシャドウ、
大学生になればそれに見合ったシャドウをするって事。
そして着実に成長していくこと・・・。言ってることわかるかな?」

「ハァ、なんとなく・・・」

「ジュンコさんは、もう2回生になったんでしょ? 
そろそろ小学生レベルのシャドウができるようにならないとね」

「え?」

「足型とだいたいの方向を覚えた段階で、シャドウは全然成長をしていないわ。
だからそれをやり続けることによって、身体に無理が生じてきて、
結果、男性とは組んで踊れないダンスになっちゃったのね。
このままじゃ男性と組んでも、1+1は2どころか、マイナスになっちゃうわね。」


シャドウが成長していない!


男性と組んで踊れないダンスになっている!?



かなり手厳しい指摘を受けたジュンコ・・・
「そう言われればそうかもしれない」



でも、どうしたらいいの?


次回ジュンコ先生のレッスンは、いよいよ佳境へ・・・ 


            続く 第14話へ


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