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だ、ダメだ、右肩がシビレてきた。
すかさず飛んでくる先輩の声、「ジュンコちゃん、ホールド下がってるよ!」
わかっているけど、腕がいうこと利かないんだよー。

あ、ヤバイ、ふくらはぎにもキテル。
いつの間にか背後に忍び寄っていた別の先輩、
「ハーイ、もうちょっとカカト上げてネ」
悪魔のようなささやきをするやいなや、
シューズのヒール部分と床の間に自分の足を突っ込んできて、
グィッと上に押し上げる。

アチャー!
とっさに足指に力を入れて踏ん張る私。

・・・ホッ何とか持ち堪えられた。

と、今度は巡視していた男性の先輩が、
いきなりホールドを上から押さえつけてくる。
しかも、体重かけてますヤン!何しますノン!?
ブルブルしながら必死で抵抗。
「オーなかなか、強くなったな」 
油断するや、また背後から今度は首スジ辺りに両手がかかり、
頭をパカッと挟みグーッと上に引っ張られ、
「ソウソウ、頭の位置は、ココ。で、もうちょっと左上を向くんだ」 
と、ついでにグィッ
アイタタ・・、い、息が苦しい・・・。

BGMはそんな“拷問”(?)にはふさわしくない、優雅なスローフォックストロット。 
いつもは2曲ぐらいで「ハイ終わり」なのに、今日はやたら長い・・・。
 
ん?ここは一体どこだ? 
答え・・・「第9会議室」=わが舞踏研究会の拠点・練習場である。
通称「BOX」

で、何をしているんだ? 
答え・・・ 先輩による後輩指導   
通称「担当」

ではついでに、自慢の「BOX」を紹介しておこう。

決して広くもないフロアーはあちこちはがれたPタイル張り。
表の“足ふきマット”はあまり役立たず、いつも砂が上がってザラザラだ。
正方形に近い横長フロアーで、片方は窓に面しているため実際には明るいが、
全体的印象はセピアグレーと少々古臭め。

なぜって、洗濯したことなどなさそうな薄茶のボロいカーテン、
一応全身が映るようになってはいるものの、曇って汚れ放題の鏡、
雑然と並べられたパイプ椅子、あちこちに片方だけとかで、
散乱するダンスシューズ、ホコリだらけのカセットデッキの周りには、
ドサッと積み上げられた合宿や競技会時の写真。
その横にはザザっと並べただけのトロフィーが所狭しと置かれ・・。

はじめは、「こんなところでダンスするんだ・・・」って思ったけど、
今はもうすっかり見慣れたし、
広-い大学構内の中で、ココには唯一自分の居場所があるって感じ。
部員にとっちゃぁかけがえのない“聖地”。 
きっと、色んなドラマがあり、これからも生み出され続けるんだろうなぁ…。
                            
毎日ここで、1つ上の2回生が担当制で1日2回、指導をしてくれるんだけど、
なんだか今日は先輩の様子がおかしい。
あ、そういえば、
「来月からは夏の合宿に向けて、本格的な練習を始めまーす」
と言っていたな。


それにしても豹変!!


新歓(新入部員の歓迎)の頃は、
いつもニコニコ優しくて「上手よぉ~」しか言わなかったのに。

きっと、自分たちも同じようなような目に遭ってきて、
「クッソー、オレが先輩になったらお返ししてやる」
って密かに楽しみにしていたんじゃないの?

さて先の“拷問”、いや特訓シーンに戻ろう。

一体何をやっているのか? 
答え・・・ただ、ジッーッと立っているだけ  
通称「ホールド」

ダンス用語を使いて表現すれば、
「ホールドの体制で、ボール・バランスで立つ練習」
相手と組むための腕のカタチ(ホールド)を作りながら、
背筋を伸ばし、姿勢を維持する。
結構キツイが、バレエで言う“バーレッスン”みたいな基礎トレだ(と言う話)。
でもこのノリは、
足のシビレと戦いながらも無心を装う、お寺での“座禅”修行に近いかも。

気持ちがちょっとでもタルモうものなら、「カポン」
“長い定規”みたいなもので、ゆるんできたサイド(わき腹から体側)や、
ポッコリ出てきた右肩、ガクガクしてきたヒザのウラを叩かれる。

隣の男性軍は、「こらぁ、しっかりセンカイ!!」
と「カポン、カポン」されまくっている・・・様子。
(顔の向きが変えられない分、だいたいの様子しかわからないけど)

結局、エンエン5曲!!
(1曲が3分として15分。新入部員には、かなりキツイ)。

続いては、ワルツのボックス。
ナチュラルターンだけで、オイオイ一体いつまでさせるねん!? 
しばらくすると、頭がボー

心地良い3拍子がまるで“お経”のように脳ミソをめぐってくる。
曲と曲の切れ目も、

「イチ・ニー・サン、イチ・ニー・サン」

先輩たちの合唱でつないで、
休ませてなんてくれない。

これも修行かぁ。

でもでも、大丈夫!
「愛する彼も隣で一緒にがんばっている」って思うと、
耐えられるんですよ、コレが。

まぁ、この練習が終わったら“下宿デート”の約束だし。
(人目を忍ぶ恋のため、ほとんどがソウ)
みんなの前で「さようなら」なんて、もっともらしく別れながらも、
「アトでね」ってソッと目配せ。
ちょっと時間を置いて、夜道をコッソリ下宿に訪ねていくときの、
あのスリリングな快感が良いのよねぇ。

アー、早く時間たたないかなぁ。
・・・なんてことを考えているときは、“拷問”の苦痛も不思議と感じない。

「ジュンコちゃーん。ホラしっかりひざ使ってぇー。
トウバランスにもなっていないよ!」


オオッ
と、ヤバイ。


→→→ここで、生徒さんへのお話
“もともと人間の身体に備わっている潜在的な力を信じ、徹底してそれを引き出していく”今の私のレッスンは、「この頃の特訓から得たもの」が、その根底にあるのですね。(もちろん“反面教師”もありますが…)こんなガムシャラな時期があったからこそ、今の自分がいる。やってきたことに何一つ無駄はなかったんだなぁと、やっと思えるようになってきた今日此の頃です。
皆様もきっと・・・。


さて、場面は変わり、
夏合宿を乗り越え、サァ、いよいよ新人戦の、リーダー&パートナーの発表だ!!

「ひょっとしたら」の期待を胸に、結果を待つジュンコだったが・・・


                    続く 第10話へ


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