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先日、月に一度の初心者向けレッスンパーティで、こんな質問があった。
「先生が社交ダンスを始められたキッカケは何ですか?」


「親から“自立”したかったからです!!」
とっさに口をついて出た強気の返答に、我ながらビックリしてしまった。


ナ、なんじゃ? そんなこと思っていたんだ・・・。
いや、社交ダンスを始めたもっともらしいキッカケは他にも色々あったはずだ。


その1 
大学に入学してまもなく、社交ダンスサークルに勧誘されたのだ。一般講義「地学」の授業の初日、あまりのつまらなさに途中で抜け出し(ここで弁解! 授業のボイコットはこれが生まれて始めて。高校までは自分で言うのもナンだけど、まじめーな優等生だった。大学生になって何かが弾けつつあったんだな)慣れない校内をぷらぷら一人で歩いているとき、広島弁と九州弁丸出しのちょっと良さ気な二人の男性から強引に誘われ、「ダンス踊ったら似合いますよ!」と乗せられついソノ気になってしまったのだ(ちなみに“九州弁”の僕と2回生の時からダンスのパートナーを組み西部チャンピオンに。大学卒業と同時にプロに転向、そして結婚。のち約13年間もの間、一緒に過ごすことになるなんてその時は知る由もなく。で、1999年ノストラダムの大予言どおり(?)破局。バツイチになる)
 
その2 
「社交ダンスサークル」と聞いてチョイ逃げ腰になっている私の心中を察してか(実は私、ジャズダンスか何かと思っていたのだ)、勧誘した2人の男性、私の腕を両側からシッカと抱え込み、狭く小汚い部室に連れ込む。しかしそこで目にした、誇らしげなトロフィーの数々(その頃の関西大学は京大と並んで結構強かった)美しいダンスのドレスを着て踊る競技風景の写真・・え?社交ダンスの競技会?そんなものがあるんだ・・・「なんか良い感じ!」と、気分は一変。先輩方の話も心地良い。
「社交ダンスは※18歳未満禁止だから、ここでは全員のスタートが一緒なのよ。誰でも努力すれば、スターになれるチャンスが平等にあるのよ」
なんだかトキメキ始める心。自分にスター願望があったなんて・・・。

その3 
極めつけは、4回生の大先輩方が目の前で踊ってくれたこと。今の今までフツーに話をしていたお兄さんとお姉さんが突然立ち上がり(2人とも大人の魅力ムンムンの美男美女。それだけでもドキドキ)、手に手を取りいきなりのダンシング。慣れ親しんだお互いの身体を慈しむようにピタッと身体を寄り添わせ、クルクル絡まり始めたのだ。ドキッ!(種目は確かワルツ。後で分かった話だが、このカップルはこのときすでに部内公認の大恋愛中。時のチャンピオンダンサーでもあったがゆえ、それなりにご苦労もあったらしい)
“美しい男女の営み”が突然目の前で始まっちゃって、逃げ出すこともできずに眼を見開いたままの子猫ちゃんのごとく、金縛りショック状態に。暗くホコリっぽい部室空間がパーッと華やぎ、揺らめきだす。美しい音楽も手伝って、なんだかキミョー~。私の動揺にテンでお構いなく“営み”はドンドン進められそろそろクライマックスかぁ~!?美しいポーズで決めた二人はまた何事もなかったかのように離れ、スーッと席に戻ってきたのだ。
ハァー。なんだかとんでもないものを目撃してしまったような、それでいてスゴク感動している自分が入り乱れ、もうハフハフ、脳みそはグルングルン。
「でも、でも、私もやってみたい・・・」これはもう“魂からの声”だった。
                                             
                 続く 第2話へ


※風俗営業法によるもの。今は改正され年齢による制限はありません。

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