2007.04.10 (第77話) 最上級のホールド・いざ実践!Ⅹ ホールドは気持ちが伝わるもの!?
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さて、ジュンコ先生のレッスンの翌日、
和夫と真理の練習シーンだ。
「女性のホールドのシェイプには意味がある、か・・・」
練習の合間、真理がブツブツ言い始めた。
「でも、本当にそれほど違いがあるものなのかしら?
同じホールドのカタチを作るのに、
男性をちゃんと意識して意味づけをして作っているときと、
カタチだけ作ったときと、
・・・組んでいる相手にもわかるものなのかなぁ」
真理は、まだちょっと腑(ふ)に落ちていなかった。
「カズ、ちょっと試してみてもいい?
これから2種類のホールドをするわね。
で、どちらが、組みやすかったか答えて欲しいの。
まずは・・・」
カズは、
「何をヤル気なんだ?」
とは思ったけれど、
言われるままに真理と組んでみた。
1回ホールドをしてから、離れ、
「次は・・・」
と、2回目。
「ね、1回目と、2回目とどっちが良かった?」
「2回目だな、ダンゼン」
「え、ダンゼン?そんなに違う感じなの?」
「うん」
和夫はニタニタしている。
真理が何を試しているのか、気がついているみたいだ。
「もう一回やっていい?」
・・・2種類のホールドを試してから
「今度はどっち?」
「1回目が良かったよ」
まったく迷いもなく和夫が答える。
「すごい~やっぱ、わかるんだ・・・」
真理はちょっと驚いている。
ホールドに入った瞬間にわかる
良いか、悪いか。
もっといえば、近寄って来るときからもう気配が違うもの」
「ソウなの!?
ねぇ、どんなふうに違うの?
良いってどう良いの?」
真理はせっついてきた。
「良いときは、
『オレのことをちゃんと見ていてくれる』感じ。
ああ、オレと組もうとしてくれているなってうれしい気がしてくるんだ。
ダメなほうは、
『コイツ、自分のことばっかり考えていて組む気アンの!?』って感じかな」
真理はビックリしたように目を見開きながらも、
楽しそうに聞いている。
「これはきっと、誰でもすぐにわかるよ。
真理ちゃんにもやってみようか?」
今度は、和夫から真理に2種類のホールドを仕掛けてみた。
すると、真理はキャラキャラ笑い出した。
「ホントだ!こんなのバレバレね。
2回目のほうが悪いホールドでしょ!?
なんだか、血の通ったヒトと組んでいる気がしない・・・」
真理はそれから落ち着いて“解釈”を始めた。
「『肩甲骨を使って』とか
『おヘソを相手に向ける感じで』とか、
あれやこれやテクニックのことを、
意識しながら組んだほうがダメで、
昨日のレッスンで習ったようなこと (第74話)を、
意識したホールドはOKがもらえる・・・」
「オレが良いっていうほうのホールドは、
真理ちゃん、何を意識したの?」
「だから、コレよ」真理は昨日のプリント (第74話)を開いて見せた。
「お、メモッてるじゃん!」
①男性のホールドの前面を埋め、
二人で一つの“枠(わく)=懐(ふところ)”を完結させる
②床からもらってきた反作用のパワーを手・腕を通し相手に与える
「試してみたくなったのよ、この2つを。
まぁ、簡単にいえば、
相手と組むことを、
ちゃんと意識してホールドに入ったってこと。
言ってみればそれだけのことなのに、ものすごく違いがあるものなのね。
でも、こんなことを知っちゃうと、
人と組む時に観察してしまいそうだわ。
『この人、今何を考えて組もうとしているのか?・・・』ってね」
すると、和夫、遠い目をしながらこんなことを言い出した。
「そういえばさぁ、
ダンス、習い始めた初めの頃のほうが感じたよね、こういうことって。
あ、この人、オレのことイヤがっているとか、
相性良さそうとかって・・・。
真理ちゃんなんか、感じやすいほうだから大変だったんじゃない?」
「ソウだったなぁ(笑)
それが、ややこしいテクニックを習い始めたくらいから、
そっちに気をとられちゃって、
男性と組んでるんだって感覚が薄くなっていったみたい。
でも、昨日のレッスンだと、それじゃダメってことなのね。
男性のことを無視して、
習ったテクニックの表面だけをやっていてはかえって、
『踊りにくい、イヤな人』になっちゃったりする。
いくら
『肩甲骨あたりの筋肉を使ってます!』って、
本人ご満悦でも、組む相手のタメになっていないようじゃ
『そんなのドーデもよろしいでしょ?もっと、オレを感じてくれよ」
になっちゃうのよねぇ」
「社交ダンスがうまくなるって、深いことだなぁ」
このとき、二人は心の中で同じことを考えていた。
続く 第78話へ
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さて、ジュンコ先生のレッスンの翌日、
和夫と真理の練習シーンだ。
「女性のホールドのシェイプには意味がある、か・・・」
練習の合間、真理がブツブツ言い始めた。
「でも、本当にそれほど違いがあるものなのかしら?
同じホールドのカタチを作るのに、
男性をちゃんと意識して意味づけをして作っているときと、
カタチだけ作ったときと、
・・・組んでいる相手にもわかるものなのかなぁ」
真理は、まだちょっと腑(ふ)に落ちていなかった。
「カズ、ちょっと試してみてもいい?
これから2種類のホールドをするわね。
で、どちらが、組みやすかったか答えて欲しいの。
まずは・・・」
カズは、
「何をヤル気なんだ?」
とは思ったけれど、
言われるままに真理と組んでみた。
1回ホールドをしてから、離れ、
「次は・・・」
と、2回目。
「ね、1回目と、2回目とどっちが良かった?」
「2回目だな、ダンゼン」
「え、ダンゼン?そんなに違う感じなの?」
「うん」
和夫はニタニタしている。
真理が何を試しているのか、気がついているみたいだ。
「もう一回やっていい?」
・・・2種類のホールドを試してから
「今度はどっち?」
「1回目が良かったよ」
まったく迷いもなく和夫が答える。
「すごい~やっぱ、わかるんだ・・・」
真理はちょっと驚いている。
ホールドに入った瞬間にわかる
良いか、悪いか。
もっといえば、近寄って来るときからもう気配が違うもの」
「ソウなの!?
ねぇ、どんなふうに違うの?
良いってどう良いの?」
真理はせっついてきた。
「良いときは、
『オレのことをちゃんと見ていてくれる』感じ。
ああ、オレと組もうとしてくれているなってうれしい気がしてくるんだ。
ダメなほうは、
『コイツ、自分のことばっかり考えていて組む気アンの!?』って感じかな」
真理はビックリしたように目を見開きながらも、
楽しそうに聞いている。
「これはきっと、誰でもすぐにわかるよ。
真理ちゃんにもやってみようか?」
今度は、和夫から真理に2種類のホールドを仕掛けてみた。
すると、真理はキャラキャラ笑い出した。
「ホントだ!こんなのバレバレね。
2回目のほうが悪いホールドでしょ!?
なんだか、血の通ったヒトと組んでいる気がしない・・・」
真理はそれから落ち着いて“解釈”を始めた。
「『肩甲骨を使って』とか
『おヘソを相手に向ける感じで』とか、
あれやこれやテクニックのことを、
意識しながら組んだほうがダメで、
昨日のレッスンで習ったようなこと (第74話)を、
意識したホールドはOKがもらえる・・・」
「オレが良いっていうほうのホールドは、
真理ちゃん、何を意識したの?」
「だから、コレよ」真理は昨日のプリント (第74話)を開いて見せた。
「お、メモッてるじゃん!」
①男性のホールドの前面を埋め、
二人で一つの“枠(わく)=懐(ふところ)”を完結させる
②床からもらってきた反作用のパワーを手・腕を通し相手に与える
「試してみたくなったのよ、この2つを。
まぁ、簡単にいえば、
相手と組むことを、
ちゃんと意識してホールドに入ったってこと。
言ってみればそれだけのことなのに、ものすごく違いがあるものなのね。
でも、こんなことを知っちゃうと、
人と組む時に観察してしまいそうだわ。
『この人、今何を考えて組もうとしているのか?・・・』ってね」
すると、和夫、遠い目をしながらこんなことを言い出した。
「そういえばさぁ、
ダンス、習い始めた初めの頃のほうが感じたよね、こういうことって。
あ、この人、オレのことイヤがっているとか、
相性良さそうとかって・・・。
真理ちゃんなんか、感じやすいほうだから大変だったんじゃない?」
「ソウだったなぁ(笑)
それが、ややこしいテクニックを習い始めたくらいから、
そっちに気をとられちゃって、
男性と組んでるんだって感覚が薄くなっていったみたい。
でも、昨日のレッスンだと、それじゃダメってことなのね。
男性のことを無視して、
習ったテクニックの表面だけをやっていてはかえって、
『踊りにくい、イヤな人』になっちゃったりする。
いくら
『肩甲骨あたりの筋肉を使ってます!』って、
本人ご満悦でも、組む相手のタメになっていないようじゃ
『そんなのドーデもよろしいでしょ?もっと、オレを感じてくれよ」
になっちゃうのよねぇ」
「社交ダンスがうまくなるって、深いことだなぁ」
このとき、二人は心の中で同じことを考えていた。
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